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転落したけど、ナニクソ精神で頑張ります。  作者: ヒコしろう


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開拓村のビル君

ブックマーク 誠に有り難うございます。



お喋りが出来る様になり、

毎日父ちゃんや母ちゃんに質問したり、色々なお話をして貰い、ボキャブラリーを増やして、この世界の常識をまるで乾いたスポンジの様に貪欲に吸収している。


解った事は、


ここが名もない開拓村で、村人は全員で12人の極小集落であり、


父ちゃんの〈ビリー〉と母ちゃんの〈チル〉は、この村で農園を作る事を夢見て、未開の地を開拓しているらしい。


元々父ちゃんは冒険者をしていたんだけど、宿屋の末娘の母ちゃんに惚れて、


母ちゃんの夢だった果樹農園を作る為に父ちゃんは冒険者をやめて〈開拓者〉に転職したそうだ。


そして、森を切り開き、農地を広げる為に日々頑張る父ちゃんと母ちゃんの間に産まれたのが俺、〈ビル〉である。


父ちゃんと母ちゃんの名前を合わせて、〈ビル〉なのだが、一歩間違えれば〈チビリ〉とかに成っていた可能性もあり、


〈ビルで良かったぁ~!〉


と胸を撫で下ろした。



村人は、


我が家の三人と、


商人の三男坊の〈ジェム〉さんと、奥さんの〈プリシラ〉さん夫婦に、


双子の猟師〈アプル〉さんと〈パンプ〉さん


鍛治師の〈ドノバン〉さんと裁縫が得意な女将さん〈マリー〉さんに二人の息子の〈アルフ〉さんは革職人をしている。


村長的な役目の〈アーガス〉じいちゃんは元王国の文官職をしていたエリートで、


アーガスじいちゃんの妹で、薬師の〈エレオノーラ〉おばあちゃんは村の薬屋さんだが、〈おばあちゃん〉というのはタブーで、皆〈エレオノーラちゃん〉と呼んでいる。


たった12人の集落だが、役割分担がしっかり出来た1つの家族の様な村である。



ジェムさんは商店を営んでいて、


奥さんのプリシラさんは料理上手で、保存食を作ったり、毎日のパンも焼いてくれる、村の大事なお店屋さんだ。


アプルさんとパンプさんの狩って来た獲物を母ちゃんにマリーさん達が解体して、


肉はプリシラさんが主体となり加工し冬の保存食や町で売る干し肉等になり、


毛皮等はアルフさんが革製品に加工して、町で売る商品等になる。



父ちゃんは果樹園と野菜畑と薬草園で様々な物を作っていて、


果物は町で売るのが主だが、野菜は村の皆で食べる為で、薬草園はエレオノーラちゃんの依頼で作っている。


エレオノーラちゃんはポーションを作って、町で売ったりもしているが、基本は村人用だ。


村の商品を町までジェムさんが売りに行き、村で作って居ない〈穀物〉や〈鉄〉それに〈布〉や〈生活雑貨〉を仕入れてくれる。


鉄はドノバンさんが鍋や農機具に加工してくれるし、


布はマリーさんが仕立てくれて、

村人の服はもれなく〈メイドイン マリー〉で統一されている。



この村で、あまり忙しく無いのはアーガスじいちゃんと二歳児の俺くらいのものである…


なので、俺は事有る毎に〈アーガスじいちゃん〉に預けられる。


アーガスじいちゃんは、たまに何かを書いている以外は、ずっと俺にかまってくれて、


国の事、町の事、この村の事…


色々な話を聞かせてくれた。


〈なぜ、こんな人里離れた場所〉に村を作るかというと、


この国では、〈開拓制度〉というのが有って、


本当なら土地の所有は勿論のこと、店や工房の開業にも国に多額のお金を収めなくてはならない、


しかし、〈開拓制度〉に申請した〈開拓者〉のチームは、7年という期間の中で、開拓村で切り開いた土地も開業した店や工房も無料で手に入れる事が出来る。


国は領地が広がり、


家から出なければ成らない三男や四男…

大きな農地を求める農家などにはチャンスとなる


Win-Winな制度だが、


魔物の対処は勿論、何事も全て自己責任、何があろうが国は助けてくれない…


定期的に報告をいれたりするが、正確には国の外、


疫病が出ようが、天変地異が来ようが、助けは来ない、


危険な賭けではあるそうだ。


しかし、7年耐えきり〈新たな入植者〉が迎えれるぐらい発展していれば、正規の〈村〉になり、何かの際には助けに来てくれる様になるし、兵士が派遣されて魔物に怯えて暮らさなくてもよくなるみたいだ…


俺が産まれたのが二年目だったらしく、


「ビル坊が、6歳に成る頃には〈名前の有る正規の村〉になっている予定だ。」


とアーガスじいちゃんが自慢気に教えてくれた。


報告業務だけのアーガスじいちゃんがドヤる意味が全く解らないが、


「スゴいね、じーじ。」


と言っておけば、アーガスじいちゃんはご機嫌だから楽である。


以上が、丸太の杭と石垣で囲まれた、


小さな開拓村の全員で、


なぜ、〈こんな場所で生活しているか〉ぐらいの事しか理解出来なかったが、


これが、今の俺の全てだ。


村の全員が家族の様に俺に接してくれるし、


俺も、皆家族だと思っている。


不便だが、幸せな環境に産まれた事に感謝します。


ピオニール様…



読んで頂き有り難うございます。


「ちょっと応援してやるか!」と思って頂けた方、


ブックマークを宜しくお願い致します。


この下の辺りにある星印でポイントを入れて頂けたり、

いいね を押して頂ければ幸いです。


合わせて、感想や誤字報告もお待ちしております。


皆様の応援で〈頑張るぞ〉となれますので宜しくお願いします。

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