反省と平和な日常
現在…何故か皇帝陛下を慰める作業をしている…
皇帝陛下は、神様総出で〈おしっこ〉どころか〈うんこ〉チビる程叱られて、〈カリスマ〉というスキルを没収までされてしまった…
〈皇帝陛下が神様の登場を信じなくて、ずっと、「奇術の類いだ!!」と騒いでいたからアモール様が拗ねちゃったのが一番の理由ですよ…〉
帝国側が連れて来た〈聖女〉様が、
「間違いなくいつも神託を頂くアモール様です。」
と判定するギリギリまで
「偽物だ!」
と…
結局、神様を怒らせて、
〈皆に許してもらえるまでスキル没収の刑〉に成った。
帝国では〈スキル無し〉は神様からの罰を受けた最低の人間扱いらしく、
滅茶苦茶凹みちらかす皇帝陛下…
〈その風潮もよろしくない…〉
そして、
俺もかなり叱られてしまった…
「戦争とはいえ、あんなに人を殺してはメっ!!」
と…
確かに一万三千は…酷すぎた…
しかし、〈戦争を止めるスキルなど無いし〉どうすりゃ良かったのよ…
てな訳で、叱られた者同士慰めあっているという状況だ。
皇帝陛下は、
「私が、スキル無しに落とされるとは…
息子の為を思い下した決断だったが…愚かだった…
どうしたら許されるのだろう…使徒殿…」
と、ボソリというので、
俺は、
「大帝国なんだから血を流さなくても、もっと上手いやり方が有ったでしょうに…
まぁ、今回、こちらもやり過ぎた感があるけどね…
今回の一番の被害者は、こんな〈アホらしい理由の戦争〉で死んだ人達だから、
皇帝陛下…一緒に〈ごめんなさい〉をして回りませんか?」
と、誘うと、
皇帝陛下は、
「スキル無しに落ちた私の言葉を誰が聞くのでしょう?」
と言ってまた項垂れる。
「その風潮もよろしく無い。
スキルが有ろうが無かろうが人としての価値は変わらないですよ…
無人島に裸で流れ着いたスキル無しと、剣聖では、〈火をおこして暖をとるまで〉あまり差は無いと思います。
要は、本人のヤル気だけでしょ?
どうしてもスキルが欲しいなら…はい!」
と、俺は、ポイント交換スキルで〈料理〉スキルカードを出して、皇帝陛下に差し出した。
キョトンとする皇帝陛下に、
「スキルなんて、こんなモンです。
大層な物でなくて、運が良ければ手に入ったり、頑張って手に入ったりと…
無いのが悪いんじゃ無くて、ヤル気が無かったり、チャンスを取り上げるのが悪いんだから…
カードを割れば皇帝陛下もスキル持ちですよ〈料理〉スキルですけどね。」
と、微笑むと、
皇帝陛下は、
「帝国の常識からして、間違っていたのかもしれない…
私は…帝国は変われるか?」
と泣き出した…
それからは人もまばらな教会の片隅で二人で色々話した…
ちなみに、エルス皇太子とアリマは、神様達が
「二人を祝福します。」
宣言をしたので帝国側の人間が反対することは無く無事に晴れて恋人同士に成った…
皇室はプラスアルファで〈獣人族の祖〉と数百年後には呼ばれてるかも知れない…
ダンジョンマスターが居なくなるダンジョンについては、
コア自体が、
〈人間の寿命など知れているから、出先で死ななければ百年ぐらい問題ない〉
と言っていたらしい…
喋るんだ…ダンジョンコア…
ー 神様も出席した会談から一年 ー
〈ごめんなさい行脚〉も無事に終了し、
ウチの村は勝手に帝国側で、
〈聖王国〉と紹介されたらしく外からの訪問者が、
「王様に謁見を…」
とやってくる。
親方達が悪ふざけで教会の裏山に城を作るし益々
「王様じゃない!」
と言っても説得力が無くなってしまった。
俺に謁見する理由としては、
〈特産品あげるから、可愛そうなスキル無し領民を助けて下さい!〉
的な領主の使いや、
〈息子に代替わりしますので、ナンチャラ国を今後ともよろしく〉
みたいなご挨拶と、
無駄に忙しい…
なので、フォレスティア王国からお礼に貰ってしまった
旧ギャベッジ辺境伯領に、教会を作り、
ジールさん達に頼んで、
スキル無しと鑑定された者にスキルをプレゼントする教会でも作れば謁見の数が減るかもしれないし、
大工の親方が村のあちらこちらに暇潰しでつくる神々しい建築物をストップさせて、
代わりに、
思いっきり神々しい街をまるごと旧ギャベッジ辺境伯の領都に好きな様に作って良いよと送り出した。
〈これで親方達のガス抜きになれば、ホープ村の聖王国化が止められるだろう…〉
それと、
アリマが居なく成ったダンジョンも問題く回っているし、〈フルポーション〉をお土産に帰った将軍さんが部下を引き連れて、
「腕試しに来た!」
とフル装備でダンジョンに潜ったりしている。
あと、
ターニャお嬢様だが、
〈辺境伯の娘で無くなり、難民に成ったので自分に自信がなくなり、
そんな自分と街の人々を嫌な顔一つせずに迎え入れた俺にプライドとかそんな事を抜きにして好きに成ったらしく、
恥ずかしいから避けていたらしい…〉
ターニャお嬢様と一緒に逃げて来たお屋敷のメイドさん談である。
…良かった…何だか急に避けらたから、〈何かやらかした?〉かと不安だったのだ…
まぁ、現在も顔を見るたびに逃げられ、地味に傷つく毎日ではあるが…
村は、おおむね平和な日常に戻った。
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