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転落したけど、ナニクソ精神で頑張ります。  作者: ヒコしろう


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通信魔法と会議


3日目の昼過ぎに、ビビリー君はもう1人小太りなオッサンを連れて帰ってきた。


「お待たせしました。


他国との国際問題で、前回の謝罪や賠償もされてない上に、


新たな不祥事とあり、ホープ村の方にこれ以上迷惑はかけられないと、


通信魔法士ごと連れて戻る指示を本国より受けました。


早速本日、通信会談をお願い致します。」


と、お願いされたが…


通信会談って、電話会談みたいなものかな…?


村には特に公民館的な場所は無く、


仕方ないので教会を会場に選んだ、村人や、捕虜の方々が入れるスペースがあり、広場もあるから見学も出来る。


通信魔法士のオッサンは、神々の像に一礼してから、〈よっこらせ〉と背負った木箱を机に置いて、蓋を開けると、


中にはよく解らない装置と水晶が入っていた。


俺が、


「何それ?」


と聞くと、オッサンは


「坊っちゃんは村の子供かい?

なら、知らないのも無理ないな。


これは、通話魔導具っていう最新の魔導具なんだよ。


お兄さんの、通信魔法では兄さんの声しか届かないけど、


コレを使えば周りの声も送れるし、向こうの声を皆に聞かせる事も出来るんだよ。


すごいだろう。」


と、どや顔のオッサン…


〈自分はお兄さんだと言いきったよ…〉


と、半ば感心していると、


ビビリーさんが、


「ベルタさん、その方が村の代表ッスよ」


と小声で教えているが、


魔導具は〈ベルタ〉さんの心の声に反応するらしく、


「そんな馬鹿な!なぁ、なぁ、なぁぁ…」


とエコー付きで聞こえてきた。


「…もう、良いから初めて下さい。」


と俺が呆れながらお願いすると、


ベルタさんとやらは、


「こほん。」と咳払いをして、


「始めます。」


と魔導具の側でコメカミを押さえながら、


「えー、こちらギーネ男爵領担当〈ベルタ〉です。


ギャベッジ辺境伯領担当〈トト〉さん応答お願いします。」


と話かけると、魔導具から、


「はい、こちら〈トト〉です。


辺境伯様と、王都直通の通信魔法士が到着するのに、少々お時間を下さい。」


と、やり取りしている。


〈面倒臭そう…あのスキル、あんまり要らないかも…上位スキルならば電話みたいに楽なのかな…?〉


等と考えていると、


「あ~、はじめまして…辺境伯をしている、ロール・デ・ギャベッジだ…


この度は、何と申して良いのやら…


申し訳ないとしか言い様がない。


すまん。」


と、謝っているが、


「本当に、いい加減にしてください!


数年前にも、村から略奪して、グリム公爵さん経由で怒られた筈でしょ!


それなのにまた、監督責任を放棄でもしているんですか?


貴方では話に成りません、上の方に繋いで下さい。」


とクレーマー並みに詰めてやったら、


ロールキャベツの野郎は黙りこんだ。


〈マジで使えない主任みたいなヤツだな…〉


少しイライラしている俺に、


魔導具から、


「はいはい、上の者です。


久しぶりだね〈ビル〉君?さん…なんて呼ぼう?」


と聞き覚えの有る声がする。


「グリム公爵様ですね。〈ビル〉と呼び捨てでも構いませんよ。」


と俺が答えると、


グリム公爵様は、


「ハハハッ、弟弟子に威張る兄弟子にはなるなと〈アーガス先生〉からの教えだから、〈ビル君〉にしておくよ。


報告は受けたよ、ゴメンね…


流石に王国貴族が、領土外で色々していてるのは問題に成っているから、


見張りを強化していたのに、まさか、


攻めこむとは…


見過ごせないから、今こちらには、大臣をはじめとして、国王陛下も集まって居るんだ。


兄上も、話したいみたいだから変わるね。」


と、ロールキャベツとは、反対に楽しそうに話している。


すると、グリム公爵より落ち着いた声の男性が


「話しはアーガス先生の報告で聞いてはいたが、話すのは初めてになる。


アルゼ・フォン・フォレスティア


フォレスティア王国の国王だが、


君の兄弟子と言った方が緊張しないかな?」


と言っているが、


電話みたいな物なので、相手が見えない分、幾らか〈マシ〉である。


〈フォレスティアだったね。


アーガスじいちゃんの勉強で少し歴史もかじったけど、必要性を感じなかったから忘れてたよ…〉


俺は、


「では、兄弟子のアルゼ国王陛下に質問です。


なぜ、前回の決着も終わってないのに、この様な事が起こるのですか?


王国は、罪を犯した本人に確りとした謝罪もさせずに、〈攻めこめ〉と教えているのでしょうか?


攻め込んで、ボロ負けして捕虜に成って、飯を与えてもらって…


当方は、〈損〉しかしてないのですが?


国王陛下、返答はいかに?!」


と、詰めてやった。


〈国の対応も許せないからね…〉


魔導具の向こうで、


「おい、本当に成人前だよな?」


と不思議そうな声が聞こえて、


グリム公爵様の


「私が会った時は酒も飲めない子供でしたよ。


ただ、食えない子供でしたけどね。」


と、楽しそうな声が聞こえ、


「アーガス先生が自慢するわけだ…」


と国王陛下の呟きが聞こえる。


早く、具体的な会議はじまらないかな…




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