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転落したけど、ナニクソ精神で頑張ります。  作者: ヒコしろう


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捕虜と交渉と告白



さてさて、捕虜にしたのは良いけど、誰に文句を言おうかな?


王様に言って、〈保護者に言え!〉


と追い返されるのも、


保護者の辺境伯とやらに言って、〈国に言え!〉


と、たらい回しにされるのもご勘弁だし…


悩んでいても仕方ないので、


捕虜の中でも、〈大人しいタイプ〉の捕虜に、


「教えて欲しいんだけど…」


と俺が檻の外から話しかけると、


〈ビクン!〉としてから、


上ずった声で、


「は、はい、何でしょうか?」


と答える。


〈これ以上は特に何もしないよ…君には…〉


と思いながら、


「君たちの本拠地と、辺境伯の領都と、王都迄の位置関係を知りたいんだけど…


地図で配置は知ってるけど、とてもあの大雑把な地図では距離までは解らないから。」


と俺が質問すると、


捕虜の兵士は、


「ギーネ男爵領までは、2日程度〈馬車〉ならばかかります。


馬で急げば丸一日で行けない事もないです。


ギャベッジ辺境伯様の領都にはここからなら5日も有れば到着するかと…


王都は、季節や路面状態でかなり左右されますが、今の季節ならば、半月掛からないかと…」


と答えてくれた。


俺はガッカリしながら、


「えー、伝令送っても王様の配下が来るまで往復一ヶ月、


こっちから馬車で移動しても半月は掛かるよ!


こんな配下を制御出来ない辺境伯では話にならないし、


嫌だなぁ、侵略者にタダ飯食わすの…」


とボヤくと、


ギーネの隣に縛られている隊長風のエラそうな態度の捕虜が、


「王国法で捕虜には食事を与えて、処分が決まるまでは、勝手な処刑は違法なはず!!」


と騒ぐので、


「うるさい!

ここは王国じゃねぇーんだよボケ!


他所の土地に攻め込んで、略奪しようとしたんだろ?


法律で守られると思うなよ!」


と俺が怒ると、


何を勘違いしたのか、気弱なタイプの捕虜が、


「ひぃぃぃ、命ばかりは…」


と命乞いをはじめた。


〈殺さないから落ち着いてよ…〉


もう、開始早々に飽き飽きしている尋問だが、


大人しいタイプの捕虜君が、


「あの~、発言宜しいでしょうか?」


と、聞いてくるので、


「はい、そこの捕虜君、発言をどうぞ!」


と、俺が指名する。


捕虜君はオドオドしながら、


「連絡だけでしたらギーネ男爵領まで行けば、ギャベッジ辺境伯様の領都に直通の〈通信魔法士〉が居ますし、


ギャベッジ辺境伯の領都には王都に直通の〈通信魔法士〉が常駐しています。


緊急で集合を掛ければ早馬で交渉人が半月も掛からず来るかもしれません…」


と報告してくれた。


〈?通信魔法士…あとでポイント交換で調べよう。〉と考えながら、


俺は、


「ヨシ!採用。


では、捕虜君…名前は?」


と、質問すると、


「ビ、ビリーであります!」


と答えてくれた。


俺が、


「ビリーって、俺の父ちゃんと一緒だ。」


と親近感を覚えたが、


「い、いえ、自分は〈ビビリー〉であります!」


と訂正された…


〈ビビリーって…親のネーミングセンスよ…〉


と少し呆れるが、


気を取り直した俺は、


「では、ビビリー君には、捕虜代表として、そちら側の責任者の召集をお願いします。


交渉に失敗して誰も来ない場合は…」


と、何と言ってビビらせようかと悩んでいると、


既に


「ヒィィィィィィ!」


とビビり捲っていた…


〈リアクションか面倒臭いヤツだ…〉


暫くして、


ビビリー君は、捕獲された馬でギーネ男爵領に向かう準備をしている


期限は3日、それまでに帰って来ないと…ノープランだ…


しかし、


「期限は3日だ。」


とだけ伝えると、ビビリー君は深刻な顔で頷き、


仲間達は、口々に


「頼むぞ!」

「帰って来てくれ!」

「俺たちの命がかかってるんだ!」


と騒ぎながらビビリー君を送り出していた。


首謀者組の檻は、〈どう足掻いても末路は変わらない〉と観念したのか、静まり返っている…


「はぁー、戦いよりも後処理が大変だ…」


比較的大人しい捕獲チームにはトイレなどの為に檻から出たり、少し多めの食事を出してやる。


ギーネをはじめ、首謀者組には、


「中で自由にどうぞ」


と、トイレに、檻から出すこともしない、


「トイレに行かせてくれ!」


と言っている隊長っぽいヤツから〈敵意〉をビンビン感じるからだ…


2日目の夕方、心が折れた様で、隊長や近衛騎士はペラペラと過去の悪行を告白しだす。


悪意も感じられず、萎れた様に地面を見ている近衛騎士達…


若干可哀想になったので、


死んだ仲間はアイテムボックスにしまい、檻の中で、完全に壊れているギーネの面倒を見させる事にした。


食事は皆と一緒に〈少し多め〉にランクアップさせた、相変わらずトイレ外出は無しのままだが、


首謀者組はアウアウ言っているギーネを除き、


「有難うございます…」


「申し訳ございません…」


と、反省しているようだ。


〈まぁ、遅かったかもしれないけどね…〉


正直、白状した余罪が多すぎる…


〈窃盗〉〈略奪〉〈婦女暴行〉〈暗殺〉…


ほんと腐りに腐っている。


ギャベッジ辺境伯とやらの管理能力も、お説教の対象だな…



読んで頂き有り難うございます。


「ちょっと応援してやるか!」と思って頂けた方、


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