因縁と戦闘と…
八歳の秋口にそれはやって来た、
俺の敵の〈ギーネ男爵御一行〉だ。
町を奪還するのは無理だが、農民だけの〈村〉ならば、襲って金目の物や、もうクオリティーの戻った芋の替わりに新たな種芋などを手に入れる為だ。
八方塞がりに成ったアホが、過去の成功体験から〈ホープ村〉を狙ったらしいが…
本当に、アホだ…
悪いがビルドの町よりも武力はかなり有る我がホープ村に再び来た事を後悔させてやる。
既に町から30名程度の武装集団が村に向かっている報告が入っている。
取り囲んで、オシッコチビる程の恐怖と後悔を刻みこんでやる!
村人が揃いの戦闘装束を着て、砦と化した村の壁に並び、
フルプレートメイルの10人の戦士が扉の前に陣取り、
騎馬部隊とテイマー部隊は既に左右の森に等に配置済みだ。
昼前に〈ガチャガチャ〉と鎧の擦れる音を立てながら、30騎の騎士団が視界に入る。
むかつく趣味の悪い姿の〈ギーネ〉を先頭に村に近づく敵は、
要塞の様な村に一瞬怯むが、
農民がハリボテの兵士でビビらせる作戦と思ったのか、
笑い声を上げながら尚も近づき、
「ガキが頑張った様だが、鎧や頭数を揃えただけでは、私は止められないぞ!
今度は、この村ごと〈小銀貨二枚〉で買ってやろう。
痛い目みてからでは〈損〉であろう。」
と笑いながら吠えている。
俺が、
「遠くまでワザワザ、シバかれに来るとはご苦労なこった。
何しに来たかは知らないが、今、土下座でもして尻尾巻いて帰るのならば、
今回だけは見逃してやらなくも…」
と門の上部から話していると、俺の肩を矢が掠める。
ウチの村人が殺気だつが、
「カスッただけだから落ち着いて!」
と、指示をだすと、
弓矢を射った奴が、
「残念だったなガキ!
さっきの矢には致死性の毒が塗って有る、
せいぜい苦しんで死にな!
ケケケっ」
とゲスい笑いをあげている。
俺は落ち着た口調で、
「何もせずに帰ればと考えたが…仕方ない。
ちなみに、俺はレベルも上がり、〈毒無効〉スキルも有るのよね。
カスリ傷も、〈ヒール〉の魔法で直るし…」
と言ってヒールをかけながら答えてから
人差し指をクイっと、弓を射った奴に向けると、バリスタが放たれ〈奴〉を馬ごと地面に縫い付ける。
急な展開にアワアワする敵と、
何が起こったか解ってない〈奴〉に、
「二回も射たれたからお返しだよ、
安心して、そのバリスタの矢には、何も塗ってないけど、
せいぜい苦しんで死にな。」
と優しく伝える。
そして、わざとらしく、
「盗賊は許すな!頭目以外は皆殺しだ!」
と叫ぶ、
子供が凄んでも怖くはないだろうが、確実な〈武力〉が後に控えている子供の言葉だ、
十人程の騎士が、
「うわぁぁぁぁぁ!」
と叫び逃げ出す。
ギーネが、
「お前ら!」
と真っ赤な顔で怒っているが、
逃げたした全員がウチの潜んでいた部隊に取り押さえられたのを見て青ざめるギーネ、
〈赤く成ったり、青く成ったり忙しいヤツだな…〉
村の魔法部隊が残った騎士の腕や足を風魔法で切り裂き、
バリスタがギーネの馬を射抜く、
地べたに転がるギーネを守る為に固まる騎士を村の騎士団がなぎ払う。
ギーネはガチガチと歯を打ち鳴らし震えているが、
俺は、休む間を与えず、
門の上から〈念動魔法〉でギーネの首根っこを捻りあげて、空中に浮かせる。
「ぐるじぃ…」
ともがいている愚か者に、俺は、
「良く見ろ!お前の馬鹿に付き合って皆死んだぞ!
お前も一緒じゃないと皆が可哀想だよなぁ?」
というと、
ギーネは白目で泡を吹きながら気を失った。
見事にチビりながら…
そして、俺はギーネを地面に降ろして、
「はい、拘束部隊は身ぐるみをひん剥いてから拘束宜しく!
治療部隊は拘束したヤツから直してやって。」
と指示を出す。
すると、
「バリスタで射抜いた兵士は死亡してます。」
と報告を受ける。
俺は、
「残念だけど仕方ないよ。
スマキにしたギーネと一緒に、アルドのおっちゃん特性の鉄檻に入れといて、
ギーネに精神的なダメージになるだろうから
死んだらギーネと一緒で他の騎士も宜しく!」
と指示を出す。
逃げ出した十人は無傷で捕虜になり、
逃げ遅れた十数人は治療後に捕虜
ギーネを守った数人は、ギーネの盾になったて死んだヤツと一緒に、
ギーネ本人とゲスい笑い声の手下の死体もセットにして檻にギュウギュウに詰めてやった。
さて、何処に文句を言えば良いのかな…
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