表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転落したけど、ナニクソ精神で頑張ります。  作者: ヒコしろう


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/43

職能とはいったい…



カードを手に取り眺める俺、


透明なプラスチック風のカードは文字も何もなく、


素っ気ない印象をうけた。


アモール様の透き通る様な声が響き、


「はい、良くできました。


そのカードを折り曲げたりして破壊すると、中のスキルが一番近いモノに入る仕組みです。


まずは、ファイアボールを取得してみましょう!」


と、促されるままに、一旦本をアイテムボックスにしまい、カードを両手で持って折り曲げると、


〈パキッ〉っと音が鳴り、


カードの破片は霧の様にきえた…


何も無くなった掌を見つめていると、


アモール様が、


「はい、おめでとう!


ファイアボールを取得出来ました。


こんな感じでスキルを取る為に、バンバン魔物を倒して、ジャンジャン困っている人を救ってくれたら嬉しいです。


誰かの為に、あなたの愛を与えてくれますか?」


とお願いされた俺は、


「出来る範囲で頑張ります。」


とだけ答える事しか出来なかった。


人助けなど、どうすれば良いか解らない…


しばらく考えていると、


神父様が


「おぉ!神々の像が全て光った…はじめて見たよ…」


と驚いている。


〈時間の流れが元に戻ったようだ…〉


両親も心配そうに、こちらを見ている。


たまらず母ちゃんが、


「神父さま、先ほどの光りは?」


と聞くと、


神父様は、


「安心して下さい、稀に神様から強い〈祝福〉を授かる子供が居るのですが…


流石に全ての神像が光ったのは初めて見ました。


中には、〈神様の声が聞こえた〉という子供もいましたが、


ビル君はどうでした?」


と質問され


「神様達とお話しましたよ。」


と答えると、神父様が興奮しだして、


「えっ、なんと!

それで、神々はビル君に何を話されました?」


と、言いながら俺の側に駆け寄る。


〈圧が凄い…〉


と思いながらも、


「以前、夢の世界でピオニール様に会っていまして、


〈久しぶり〉とか普通に挨拶してから、


ジャガイモの事を誉めて貰いましたよ。


それと…」


等と話している最中に、神父様が、


「えっ、えぇ~!


何ですか?〈以前〉とか?!


詳しく、もっと詳しく!!」


と、俺の肩を掴み揺する…


〈父ちゃん、母ちゃん、たすけて…〉


切ない顔で両親を見つめると、慌てて二人が助けに来てくれて、家族総出で神父様にジャガイモの話をしたのだが、


神父様は、メモを取りながら、


「本部に報告しなければ、ピオニール様が使わした使徒様の偉業と、


神々からの労いの言葉を賜った事実を…


ついでに四つ柱の神像が全て光った事も報告しなければ!


忙しくなるぞぉ~!!」


と、一人舞い上がっている…


面倒臭いので〈ポイント交換〉のスキルを貰った事は黙っておいた。


散々質問責めにされた挙げ句の果てに、


「祝福ってどうなりました?」


と神父様に聞くと、


「そうだ、そうだ。」


と言いながら祭壇に向かう神父様は、何かしらの祈りを神像に捧げた後、祭壇に有る〈羊皮紙〉を手に取り、


「ビル君の職能は…」


と、発表をはじめるが、


「えっ?」っと呟いた後、羊皮紙を黙読しだした。


〈何、なに、ナニ?怖いんですけど…〉


家族が見つめるなか、神父様は、


〈すぅ~。〉っと軽い深呼吸をして、


「ビル君の職能は…〈自由〉…です?


コレって、なんでしょう…。」


と、発表と質問を同時にされたが…


〈神父様より俺が知りたいよ!〉


…まあ、選んでスキルを交換出来るから、職能では無くて、〈自由〉なのかな?


などと、勝手に納得してみたものの、


何だか、期待していた〈祝福〉の儀式とは行かずに、


バタバタというか、グダグダというのか…


スッキリしないウチの両親と、


興奮して、テッカテカに潤っている神父様に、


少し引いている俺…ある意味カオスな状態だった。



想像とは別物だったが、


無事に?〈祝福の儀式〉が終了した。


表向きは、〈自由〉だけでは職能っぽく無いので、〈自由業〉にしたかったが、この世界には〈冒険者〉という自由業が有るので、家族会議の結果、


〈自由人〉と周囲には説明する事になった。


勿論、家に帰ってから、父ちゃんと母ちゃんにはアモール様との話や、


魔物を倒したらポイントが入りスキルが貰える事等を全て打ち明けた。


別に〈秘密にしなさい〉とも言われて居ないし、


両親には、転生の事を黙っている手前、


これ以上の秘密を作りたく無かったからだ…


父ちゃんは、


「神々からはお役目を与えられたのか?」


と心配してくれたので、


「ジャガイモみたいに飢えに苦しむ人を助ける物や、困っている人に〈愛を与えて〉欲しいらしいよ。」


と報告すると、


「愛かぁ~」


と、父ちゃんは考えこんでしまった。


母ちゃんは、


「ビル、ソレって、魔物を退治しないとダメなのよね…


こんな幼い子供に何と過酷な…」


と悲しむので、


「母ちゃん、何も〈ドラゴンを倒せ!〉とかは言われてないよ。


畑に居る〈虫魔物〉や果樹園を荒らす〈鳥魔物〉をやっつけてもちゃんと〈ポイント〉が入ったみたいだから。」


と俺が安心して貰おうとしたのだが、


俺が魔物と既に戦った事がバレて、母ちゃんにコッテリ絞られる羽目になった。


翌日、両親を納得させる為に、魔法の試し撃ちに付き合ってもらい、


ウォーターと念動魔法のコンボ、


〈水責め魔法〉と、


新しく手に入れた〈ファイアボール〉を披露した。


母ちゃんは、渋々だが、畑や果樹園の虫や鳥なら一人でパトロールしても良い事になり、


父ちゃんは、一緒にだったら森の入り口で小型の魔物の狩りを教えてくれる事になった。


さぁ、ポイントを頑張って貯めて、どんなスキルカードと交換しようかな…?




読んで頂き有り難うございます。


「ちょっと応援してやるか!」と思って頂けた方、


ブックマークを宜しくお願い致します。


この下の辺りにある星印でポイントを入れて頂けたり、

いいね を押して頂ければ幸いです。


合わせて、感想や誤字報告もお待ちしております。


皆様の応援で〈頑張るぞ〉となれますので宜しくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ