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第七話

すみません、本当にすみません!

遅くなりました!


そして、ちょっと雑な書き方になってしまいました。




アオがアティを見失う少し前。


アティは、色とりどりのかんざしや、巧みな飾りに目を奪われていた。


「あ…」


ふと目に付いたのは、深い青のブレスレット。

その青さに目を奪われていると、真っ黒のマントを被った店主がでてきた。

傍目からみると、いかにも怪しい姿の店主。

しかし、不思議とアティは怖くなかった。


むしろ、ブレスレットに意識がいきすぎて気にならないというのが正しいかもしれない。

おもむろに、店主がブレスレットを手に取った。


「あ…」

「コレが気になりますか。お嬢さん」

「…ええ。」

「コレは、アズライトという石です。青い石という意味なんですよ。神聖な石で、祈祷や予言の際に使われ病気などの治療としても使われる石ですよ。・・・

おや。なかなか良いかんざしをしていますね。」

「あ。これ…ですか?」

「ええ。それはセレスタイトという石ですね。『天界の青』と表現される石です。聖なる愛を宿しています。もしもそれがもらい物ならば…とても愛されていますね。天性の才能を目覚めさせ親愛の情を深めてくれる。限りなく透明で青い結晶だ。」

「そう…なんですか。あの、アズライト?という石は…プレゼントしても、おかしくないですか?」

「ええ。もちろん。浄化の作用も強く、感情を安定させてくれる作用もある石です。なにより、あなたが、相手のためを思って気に入ったのならば、プレゼントには最高のものですよ。…そうだ。コレを一緒にどうですか。ラリマーという透明感のある美しい水色の結晶でできたピアスです。愛と平和の象徴の石なのですよ。貴方のつけているかんざしと、このアズライトのブレスレットとよく合う。」

「…頂きます。」

「ありがとうございます。あなた方に幸運が舞い降りますように。」


アティはブレスレットとピアスを購入し、お店を出た後、少し呆然としていた。


…なぜ、コレを買ってしまったのだろう。

でも、どうしても似合うと思ってしまったのだ。

アオ…シャインに。青い、それでいてとても透明感のある石。

まるで、アオのようだ。と思ってしまった。

いや、実際はアオの方がずっと深い色合いだ。でも、この透明感が、アオの性質を現しているかのように光っているのだ。

ティティには迷わず、真珠のかんざしを買った。

エマには薄いミドリのリボン。

ダーウィンには、ティティと同じデザインの黒真珠のかんざし。


…なぜだろう。

この短時間で、アオという人がアティにとってぐっと近い存在になった気がするのだ。

自分が自分らしく居られる。

飾らなくていい、安心する相手。

あれが、一国の王としての器なのだろうか。


ぼーっとアオのことを考えているアティの耳に、突然悲鳴が聞こえた。

アティははっとして、声が聞こえた方へ走り出した。

どんなときでも、騎士としての行動をしてしまうアティはある意味男らしかった。

(騎士じゃなくて、皇女なのだが…)


アティが駆けつけると、そこには人だかりができていた。しかし、遠巻きに見ているだけで誰も助けようとはしていなかった。


相手が、余りにも強そうだからなのか…。

それとも痴情のもつれだからなのか…。




「いやあ!放して!嫌だったら嫌あ!」

「うるせえ!この俺が娶ってやるって言ってんだ!こんなに嬉しいことはないだろう!」

「何言ってるんだ!あんたなんかの妻になんかなるもんか!何度も人のこと侮辱しやがって!」

「娼婦風情がなに言ってやがる!」

「娼婦じゃないって言ったら何度わかるんだ!うちはタダの飲み屋だ。給仕を娼婦といってるのはお前だけだ!放せ!放せってば!この…無駄マッチョ!!」

「このやろう!!」

「っきゃ…!」


ばしん!!!!!


無駄マッチョと呼ばれた厳つい男が手を振り上げた瞬間、周りから悲鳴が上がった。


叩かれた!と皆が息を呑み、相手の女の子も目をつぶった。

しかし、予想した痛みや衝撃は来なかった。


「?」


そうっと目を開けると、そこには美しい女性が無駄マッチョの手を押さえ込んでいた。

どうやら、大きな音は彼女が無駄マッチョの手を止めた時に鳴った音だったらしい。


無駄マッチョの手がプルプルと震えている。


…どんだけ強いの?この美女…


「…て、てめえ…なんのつもりだ…」

「なんの?こんな街中で騒ぎを起こして、さらにか弱い女性に手をあげるなんて、それこそなんのつもり?」

「…っ。お前さんには関係ない!それともお前さんが俺の相手をしてくれるのか?」

「残念ながら女性に手を上げるような無駄マッチョに付き合う時間は一秒も持ち合わせていない。この女性だってそうだ。なにを勘違いしているか分からないが、付きまとうのはやめたらどうだ。その無駄な筋肉が泣くぞ。」

「無駄無駄って…お前…」

「無駄だろう。それだけ立派な筋肉を持っていて、どうしてそれを正義に使わない。暴力に使うのなら無駄でしかないだろう。大体、嫌がっている女性を無理やり妻に…だなんて何を考えているのかさっぱり分からない。もっと磨いて出直してこい。」

「んだと?」

「はぁ。あきらめの悪いねちっこい男は更に嫌われるぞ。」

「このやろう!」


アティに殴りこもうとした無駄マッチョを冷ややかに見つめ、アティは男の胸をぐっとつかんだ。

「ちなみに…残念ながら、野郎じゃないっと。」

そう言いながら、大の男を投げ飛ばすアティ。


ガラガラと音を立てて、盛大に無駄マッチョは投げられた。


「さて。大丈夫?」


何事もなかったかのように、後ろを振り向き笑顔で女性を見る。

女性はぽかんとしていたが、アティの笑顔をみて顔を赤くした。


「あ、は、はい。ありがとうございました!」

「ううん。こちらこそ、遅くなってゴメンね。怪我はないかな?あ、」

「え?」

「ここ、赤くなってるね。痛くない?」

アティは女性の腕を持ち上げて、赤くなったところにキスをした。

「ひゃっ」

「…出血はないけど…かなり強く掴まれたみたいだから、冷やしてね。」

「は、はいい!!」

「それから、しばらくは一人で出歩いちゃダメだよ?こんなに可愛いんだもの。

また変な男にからまれちゃうよ?ね?気をつけて…」

「え、ええ。あの…はい!」

顔を真っ赤にして答える女性に、にこりと笑って手を放した瞬間、周りから焦ったような声が聞こえた。


「危ない!!!」


アティは女性を抱き込んで横にさっとよけた。

そのまま後ろを見ると、投げ飛ばされた男がナイフを持ってアティを切りつけた所だった。


…馬鹿め!!

アティは舌打ちをしたくなった。

こんな人が多いところで刃物なんて振りまわす??

なんて無駄マッチョなの!!


「あ、あ、」

抱きかかえた女性が真っ青になって震える。

それはそうだろう。

安心させるように、ぽんぽんと肩を叩きそっと遠くへ押しやった。


「皆さん。」


キッと男を睨んだアティは、透き通るリンとした声で周りの人々に声をかけた。


「相手は刃物を持っています。危ないので、離れてください。」


そのリンとした声に、人々は従うようにざっと離れた。

まるで、アティの邪魔をしないようにと。


「さて、無駄マッチョさん。私が相手をしましょう。刃物を手にしたことを後悔するといいですよ。」

「っは!なにほざいてやがる!その可愛い服を刻んで、その肌を拝んでやろうじゃねえか!」

「…この変態め。残念ながら、女ってのは色々と隠せるものなのだよ!」


そう言って、スカートをたくし上げスカートの中から短剣を取り出そうとした瞬間…


「「アティ!!!!!!」」


と、焦りと怒りの混じったアオとダーウィンの声が聞こえた。


あれ?なんで?



完結したら、書き直そうかなと思ってます。


色々、あれ?と思うところがあると思いますが…流して読んでくださいm(__)m



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