第四話
いつも読んでいただきありがとうございます!!
更新少し遅れました!スミマセン!!
これまでの話で、誤字などの指摘を頂きましたので、編集いたしました。
ありがとうございます!!
街に行くことに決めたアティは早速支度を始めた。
支度といっても、どうすればいいのかよくわからなかったので、アティは護身用の短剣と王子にしては地味な服に着替えて、部屋を出た。
アティ達が泊まっている迎賓館の広間に行くと、青の王はすでに来ていた。
待たせてしまったかと、少し焦り小走りで近寄る。
すると、青の王はこちらに気付いたようでにっこりと笑った。
「すみません。待たせてしまいましたね。」
「いや、大丈夫だ。今来たところだ。それにしても…フォルス殿。その格好…」
「あ、やっぱりおかしいですか?なるべく地味なのを選んだのですが…」
「そうだなぁ…。ああ、そうだ。私のをお貸ししよう。こちらへ。」
「え??いや、そんな…」
「変に目立っても困ってしまうからな」
そう言われては断る事もできない。
それにしても、この格好はそんなに変だろうか…と少し落ち込むアティだった。
似合わない訳ではなく、似合いすぎていて目立つという意味だったのだが。
「では、お言葉に甘えてお借りします。」
「うん。ではこちらに…ああ、お前たちはここで待っていろ。ダーウィン殿も。」
「え?」
「いや、私も参ります」
「すまないが、ここには私の大事な物があるので出入りは最小限にしたいんだ。
ここで待っていてくれ」
「…は」
ええ?まさか、青の王の前で着替えろとか言わないよね?
…大丈夫か。いざとなったら「では着替えてきます」とか言って出てくればいいよね。
そう考え、アティは青の王について行った。
まさか、あんなことが起きるとは夢にも思わず。
ぱたん。
ドアの閉まる音がした瞬間、青の王がアティの手を掴んだ。
へ???
そう思った瞬間、掴まれた手をぐっと引かれた。
えええ?
「急ぐぞ、フォルス殿」「へぇ?」
しまった!間抜けな声が出てしまった!
とどうでもよい事を考えていたアティは、手を引かれたまま連れて行かれた場所に驚いた。
か、隠し扉!?
そう、本棚の後ろに扉があり青の王は迷わずその扉を開いてアティの手を握ったまま進んで行く。
どうやら地下に続く道のようだが…
「少し暗い。先ほど小さな灯りは付けておいたが目がなれるまでは辛いかも知れない。このまま手を引くから、気をつけて歩いてくれ。」
そう言うと、なにかの仕掛けを押して扉を閉めた。
…確かに暗い。ちょっと怖いかもしれない。
握られた手を少し強めに握り返すと、くすりと笑われた。
「…大丈夫だ。俺がいる。安心しろ。…行くぞ…」
そう言った王は、今までの王の言葉よりどこか親しい者に向けての言葉でアティは素直に頷いてしまった。
あれ?衣装を貸してくれるんじゃなかったっけ?
ふとそう思ったが、暗い道を手を握られたまま歩くアティはついて行くのが精一杯でついには聞く事もできなかった。
…ちょっと冒険みたいで楽しんでいたというのも…実はあるのだが。
「…ついたぞ。眩しくなる。気をつけろよ」
「はい」
王が、最後の扉を開くとそこから明るい光が溢れてきた。
一瞬、眩しさに目を細めたアティだったが、目の前の光景に驚いた。
「え…?外?というか…街?」
「そうだ。実はあの隠し扉から地下を通って街に繋がっているんだ。そのことを知ってるのはわずかな人間だし、鍵を持っているのは王家の人間だけだがな。さて、煩わしい護衛を巻いた事だし…その格好をどうにかしないとな。いくぞ…」
「え?あ、はい。」
アティの手を引いて歩き出そうとした青の王は、ぴたりと止まってアティを見つめてきた。
「…敬語はいらない。ここは王宮じゃないんだ。普通にしてくれ。」
「え…でも」
「でないと、せっかく護衛をまいて王族ではなくただの一国民としてこの街を案内しようとしているのに…つまんないだろ」
「ただの…?」
「ああ、王とか王子とかそんなの忘れて、今は楽しもうぜ」
そう言ってアティの手をぎゅっと握る青の王は、今まで見たどの笑顔より輝いていて、ついついアティは頷いていた。
「わかった。えと…シャイン?」
すると驚いたように目を丸くして、顔を赤くした。
「…う、嬉しいが、それだとばれるから…アオでいい。」
「アオ?」
「そうだ。…行くぞ」
「うん。」
照れている青の王…アオは少し可愛くて、アティはくすりと笑ってしまった。
…楽しいかも…
お忍びで来ている事もダーウィン達を置いてきた事も忘れアティはアオと手を繋いで、街の中に消えていくのだった。
アティはちょっと忘れすぎというか、流され過ぎてますね…
この後はアオくん大暴走する予定??




