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第一話

遅くてすみませんm(__)m



 おーい。おいおいおい。

コレはドウイウコトデスカ??


はっきり言って、アティは困っていた。

目の前にはにこやかに握手を求める優男…ならぬ濃紺の髪をした美青年。

そして握手をさせまいと、がっちりと自分に抱きついて放さない我が妹ティティ。


・・・以外に力強いのねぇティティ。


遠い目をしてそんな場違いなことを考えてしまう。


大体、普通は逆じゃない?

姫に触りたい王を邪魔する兄の図になるはずが・・・

兄王子に触れようとしている王を邪魔する妹姫の図になっている。


おかしいでしょう…


ついつい溜息がでてしまう。

なんでこうなった。始めはこんなんじゃなかったのに・・・と遠い過去を振り返る。



グランディ皇国に着いたアティたちを迎えたのは沢山の国の王子や姫たちだった。

大国の新王の即位式に集まった王族や貴族達か・・・

こりゃまた豪勢ですこと。

どうやら、新王がティティに求婚した話は広まっているらしく、憎らしそうに見つめてくる者、羨ましそうに見てくる者、ニヤニヤと嫌な笑みで見てくる者と沢山の視線が自分達に無遠慮に投げかけてくる。


最初から攻撃を仕掛けてくる令嬢もいた。

転んだ振りをして、ティティに恥をかかせようとしたのだ。

もちろん、私が阻止をした。


「あっ」


そう言って鋭利な指輪を向けてティティの顔めがけて倒れてきた令嬢を、横からさっと出て支えその指輪ごと手を握ってやった。

周りからキャーと言う声があがったのは、最悪の事態を想像した人たちからだろう。

そうはいかない。

私はにこりと笑ってやった。


「大丈夫ですか?危なかったですね。」


そういってぎゅっと手に力を込めると、令嬢は失敗した事に気がついたのか、顔を真っ赤にして「し、失礼しましたわ!」と走り去った。


走り去るのを見届けた後、ななめ後ろにいるティティを見ると顔を赤くして呆然としていた。


「…どうした?大丈夫か?」

頬に手を当てて、耳元でささやくと余計に赤くなった。

旅に疲れて熱でも出したのだろうか。と不安になってティティを抱き上げた。


…相変わらず軽い。


ちゃんと食べているのか不安になった。

いい機会だ。

この国に滞在中にティティの食事を見直そう。

そう思うアティであった。


もちろん、アティは妹を抱き上げたまま部屋まで連れて行ったのだった。


ちなみに、アティたちが去ったあとには、顔を赤くしうっとりとした令嬢達や、面白くなさそうに口を歪める男達、もしくは令嬢たちと同じように頬を染める男達が残されたのだった。


アティは気がついていなかったが、その場に一緒にいたエマやダーウィン達はその様子に気付いて頭を抱えていた。

 自分の美貌に気がついていない我が主、本人より凛々しくカッコいい王子(本当は姫)がその雅な魅力を振りまいて、何人もの男女を篭絡したと。


ちなみに、一番その魅力の虜になっているのが妹姫ティティであるとエマは知っている。

もちろんダーウィンもだ。


ここだけの話、ダーウィンとティティは恋仲だ。将来を誓い合った仲でありそのことをアティも知っている。

ちなみに、極度なシスコンである兄もダーウィンとの仲は容認している。

なぜならば、ダーウィンと結婚すれば国から出ることがないからだ。

それを知った時は、がくりと肩の力が抜けた。

・・・そこまで自分の側に置きたいか!この馬鹿シスコン!

と思ったのはアティだけではないだろう。

 だからこそ、こんな茶番劇にも協力しているのだが。

その恋人の前で、この旅中ずっとアティにべったりだったのだ。

庇われ、抱きかかえられたティティの目はハートになり頬は赤く染まっている。

まるで恋をしているかのように。




その様子を見ていた彼は、ふっと笑った。


「…やるねぇ。うちの主とどっちが上かなぁ。」


もちろん、アティはまったく何も気がついていないのだった。






とりあえず、早めに更新出来るように頑張ります!

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