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忘備録  作者: 真澄
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新型ウイルス その34

 6月下旬に解除された緊急事態宣言は一月もたたずに再び東京に発令された。何度も発令される緊急事態宣言に、緊急性や警戒感や緊張感はすでに感じられない。宣言下で一体どんな行動をすればいいのか、あいまいになってきているような気がする。

 緊張感や警戒感が薄れる一つにオリンピックが開催されていることがあるとか。海外選手がぞくぞくと入国。開会式の花火を見ようと、会場近くに集まる人達。カヌー会場では競技がみられるかもしれないと、人が集まったそう。トライアスロン競技でも、沿道に応援する人が見られた。今までにない金メダルラッシュに人々はお祭り気分。テレビでも日本選手の活躍がメインの報道になってきていた。

 そんなん報道の中に、少しだけ流れるオリンピック関係者の感染数。最初の感染者が出た時には大きく取り上げられた。だがそれ以降感染者が見つかってもプライバシー保護なのか、短く簡単にしか報道されていないような気がする。他県からの応援警察官でクラスター。仕方がないといえなそれまでだけど、警察官は感染してほしくなかった。

 報道がオリンピックに浮かれていたところ、感染拡大。毎日感染者が増えているなと思いつつも報道を眺めていた。専門家からは、医療関係者と高齢者のワクチン接種が進んでいるために、医療機関にはまだ余裕がある、とか言っていたような。ところが感染者数過去最高を更新し続けると、再び医療の逼迫が叫ばれるようになってきた。今までと違うのが、50代の重症化。50代だといまだ現役で働いている世代。ワクチン接種の促進とか言っても、入荷量が安定していなくて予約もあやふやになってきているとか。

 我が家にもようやく、ワクチン接種の予約券が届いた。7月中旬に亭主殿と私、1週間後に高校生に、その1週間後に中学生に。亭主殿の職場では職域接種はなし。日頃ぴんぴんしているから、かかりつけ医もなし。ワクチンの入荷が安定しないから行政の集団接種もなし。結局接種できないじゃん、と思っていたら近くの耳鼻科医が一般接種を行っているとか。近所の内科医が通院患者以外お断りとしている中、医療者としての気概を感じる。先生、ありがとうございます。

 高校生は大の注射嫌い。インフルエンザのワクチンも受験生でない限り接種しないと言い張る。中学生は

「学校でやってくれないの?」だそうだ。親としては学校でやってもらえれば楽でいいのだけれど、皆がみんな我が家のような考えではないのだよ。

 あるテレビ番組で厚生省の感染者予想のグラフが出された。緊急事態宣言が発令されれば、2週間後にはグラフは下降に転じるはずだったよう。ところが実際のグラフは、対策が何もなされなかったと場合のグラフに酷似。ピークアウトの時期が見えない状況になっている。変異を繰り返すウイルスに、いつ収束するか先が見えない状況になってきている。

 また新しい言葉を耳にするようになった。ブレイクスルー感染。ワクチンを2回接種しても感染してしまうことを言うのだそう。カタカナ語にすると難しそうに聞こえるけど、目新しいことではない。今までだって、インフルエンザワクチンを接種したからと言って、インフルエンザに罹らなくなるわけではないことは言われていた。ただ、デルタ株に関しては特にそれが顕著だとか。ワクチン接種進んでもダメじゃん。

 8月から緊急事態宣言が関東3県と大阪府に拡大される。発令されたところで意味をなさないのではないかと言われ始めているのだか、今のところ世間にアピールする方法はこれしかないのだろうなぁと思う。

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