新型ウィルス

　テレビをつければ、新型コロナウィルスの話題が紹介されている。引き合いに出されるのは、SARS。今から18年前に流行した、重症急性呼吸器症候群。この病気も新型のコロナウィルスによるものだそう。私自身は、この時の大騒ぎを全くと言ってもいいほど覚えていない。会社の同僚が新婚旅行に怖くて行けないといっていたくらいなもの。この時は日本にウィルスが入ってこなかったので、身の回りに今回のような大騒ぎにはなっていなかったのだろう。

　次いで新型ウィルスで大騒ぎしたのは、豚由来のインフルエンザ。いつの間にやら国内に感染者が見つかり、いつの間にやら季節性のインフルエンザと区別がつかなくなり大騒ぎしなくなっていた。

　さて今回の新型ウィルス。公になったのは、昨年末。この時、なにやら中国で質の悪い肺炎が流行ってるらしい、くらいにしか思っていなかった。発症は武漢の市場で食用に売られている小動物が考えられることから、武漢華南海鮮卸売市場は1月1日から閉鎖。この時、現状は人から人への感染は現在のところないと思われるといっていたような。そこから見る見るうちに感染者数が増加し、死亡者まで発表されるように。

　最近聞いた話では、12月8日には第一の感染者が発見されていたとか。当時医療関係者は、SARSの再来だとか、新型ウィルスだとかわからないままに対処が後手に回ったよう。中国版Twitterでこのことを投稿した記事も、削除されたよう。

　日本で最初の感染者が確認されたのが、1月15日。1月6日に日本に入国して、日本の医療機関を受診。中国に渡航歴のない方の感染確認が、1月28日。中国からの団体旅行バスツアーの運転手。1月17日に医療機関を受診して、経過観察の後25日に病状が悪化し感染が確認される。バスツアーのガイドさんも1月29日に感染が確認されてる。この方、都内で医療機関を受診後公共交通機関で大阪の自宅まで帰宅。その後大阪の医療機関を受診して感染を確認。

　中国政府は、感染拡大を防ぐために1月23日に武漢に通じる公共交通機関を停止、および物流の停止。事実上の武漢閉鎖。

　日本政府は、武漢に滞在中で日本に帰国希望の邦人のためにチャーター機を用意。テレビでは、自衛隊機とか政府専用機とか言った言葉が出ていたが、中国側がこれらは軍用機とみなして着陸を許可しなかったとか。それまで武漢との運航便があった、全日本空輸が行うことに。第一便が1月29日に日本に到着。この日政府は、新型肺炎を「指定感染症」に指定する。翌日には第二便が運航された。

　この第一第二便で帰国された方々の感染率は、1.4%。ほとんどの方々が検査を受け、無症状感染の方も発見。その後一人の方が発症。症状でなくても伝染させることが報道されたことによって、感染拡大につながると心配するような意見が言われるようになった。

　第一便で帰国された方々を受け入れた機関には、様々な差別も現れている。困っている方のためにと、受け入れを決めたホテルの従業員の方々の家族が学校で差別的な言葉を発せられたとか。医療機関勤務の家族にも同じようなことが起きているとか。

　国外では、アジア人が差別されるだけでなく暴行される事例まで見られるようになってきた。

　また、大型クルーズ船でも感染者が判明。クルーズ船は1月20日に横浜港を出港。鹿児島を経て25日に香港に到着。ここで下船した男性の感染が確認されたことにより、予定を早めて帰国。乗客乗員3700人余りのうち、８日午前までに計２７９人が検査を終え、64人の感染が認められている。

　これ以外でも、問題になっているのがマスク不足と消毒液不足。経済の停滞。国内のマスク工場はフル稼働なのに、マスクが需要に追い付ていない。恐怖心からのまとめ買いや買い占め。ネット売買での高額取引に加え、中国への依存が問題になってきた。国内のマスクメーカは多くの割合を中国の会社に製造を依頼していたとか。このために中国の工場停止しているために、マスクの生産が減少しているとか。国内の観光業も、中国からの観光客頼りだったために大打撃を受けているところが多くあるとか。

　コロナウィルスは高温多湿に弱いとのこと。季節が進めば自然に収束するのだろうか。