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サイコキラー探偵  作者: 三鷹 キシュン
第3話「ホロウ・ゴースト」
53/63

#004 心理分析2

わたしはまず、

木更津さんを一旦、水分補給などで落ち着かせてからもう一度聞き返した。

「すみませんでした。熱が入ってしまって、

「それで『アグレス・クラブ』というのは一体なんですか?」

「その前に話して置かなければならないことがあります。

その言葉からわたしは親身な話になることを察して、頷いて勧めた。


木更津は無意識に

左腕が下にきている腕組から左手が下にきている指組に切り替えた。


この行動でわたしは木更津の性格が分かった。

まあ、(もと)よりそんな気はしてたが・・・、


ものごとに真正面から取り組み情報(データ)の収集や分析を熱心に行い、

自分が知らない情報の穴があることによる間違いを恐れるタイプ。

―――堅実(けんじつ)な姿勢で信頼が厚い人。

ひとつずつ課題を解決して積み上げていくスタイルだが、

それを(くつがえ)されたりするとかなりのストレスを感じることも多い。

大勢で話すより、1対1でじっくりと話し込むのを好む、

―――デジタル系の正義の味方。


こういった人間は、

人間の感覚を読み取るのが苦手で本質的な間違いを犯すなど、

融通のきかないタイプに見られ理想は

高く常に完成型を求めるそういう思考にある、と読み取れる。

このことから依頼人適正はクリア、少なくとも問題はないと言えるだろう。


コホン、と咳払いした後

木更津は口を開いてわたしへの質問から、話し出した。

「探偵さんはご存知でしょうか、

「1週間ほど前にとある男子生徒が自宅で自殺した事件です。

「ええ、知っています」


この事件を出してくるとなると、

教師という職業から見ても自殺した生徒の関係者と見るのが妥当だ。


「私はその男子学生の・・・、

「中学時代、3年間同じクラスで担任だったものです。

「彼は他の子たちと交わってコミュニケーションをとるのが苦手でした。

「しかし、あることを境にその溝は埋まりました。

「情報分野の教育課程において素晴らしい業績を上げたからです。

「『リズムグラフ』というソフトウェアですが、

「知っていますので、説明は不要です」


リズムグラフ、

名称から察する通り音楽用のソフトウェアに当たる。

携帯端末からインターネットに直結し特定のサイトから楽曲データを

自分好みの曲へ自由にアレンジを加えることが出来るもの。

また、サイトに返還することで

編集した会員が公式サイトで曲を有料配信できる、

といったサービス事業が大きく展開していると聞く。

現在では『有名な音楽家(アーティスト)×○○○さん』といった感じに

誰でもコラボすることが出来るらしい。


「それを作ったのが彼と知って、みんなの中で有名人になりました。

「しかし・・・

「高校に入って直ぐのことでした。

「一度、私の留守中に尋ねてきたらしいのです。

「妻の話では、かなり思い詰めていた様子だったと。

「その話しを聞いて、私は何度か彼の自宅を訪問しましたが

「彼に会うことは出来なかった。

「それから・・・数日後のことでした。

「彼の悲報を聞いたのは。

「お葬式で彼の母親から私はある物を託されました。

スッ、とわたしに手渡したのは手紙を模した『遺書』だった。


「私自身まだ半信半疑ですが、

「彼の自殺には奇妙な点が多く見つかっています。

「お願いです。

「もし彼が誰かに殺されたのであれば、

「私は理性を失って強行に走るでしょう。

「彼の死の真相を調べて頂けないでしょうか。


結局、『アグレス・クラブ』に関しては、

はぐらかされたがわたしは依頼を請け負った。

調書を取ったわけではないが、

依頼人の話とこの『遺書』からわたしは直感した。

まだ可能性の域を脱してはいないが男子学生K・Dは、

―――自殺ではないかも知れない、と位置付けたからだ。


 「投稿の気持ち」

 まだ何とも言えませんが、次回も読んで戴ければ幸いです。

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