表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
伝説の木の棒 後編  作者: 木の棒
第5章 世界樹
46/56

第45話 俺の勝ち

 アーシュ達が広場を抜け、神の神殿に向かっていく。


 広場に残った4つの規格外の力が、解放される。



「雷神の血の契約により命ずる!舞え!サンダーバード!」


「アルフヘイムよりきたれ、ニブルヘイムにかえれ、ライトニングアロー!」


 オーディンより放れた雷鳥を、フェンリルが放った光の矢が撃ち落とす。



「12の時を刻み、13番目の罪を解き放つ鍵をここに!いでよロキ!」


「十拳剣をここに! オロチを狩れ! スサノオ!!」


 ルシファーが黒い影のようなロキを、アマテラスが白い影のようなスサノオを。

 2つの影が衝突すると、膨大なエネルギーの爆発が起こる。



「飛ばしてるな~。息切れするなよ?」


「貴方こそ、戦いに夢中になってこっちに力を飛ばさないでくださいね」


「おぅよ!」



 オーディンがグングニルを構える。


「俺の“聖樹の槍”も、アーシュに負けちゃいないぜ! グングニル!!」


 投げつけた槍はエネルギーの塊となり、フェンリルとルシファーを襲う。


「暑いな……太陽の前に立ち、輝く神の前に立つ楯よ! スヴェル!」


 フェンリルが氷の楯でグングニルを弾く。

 マリアが膨大な詠唱と、己の血の魔法陣で発動させた魔法をいとも簡単に唱える。



「黎明の光よ。明けの明星よ。天から落ち、地を滅ぼせ!メテオ!!」


 ルシファーが詠唱すると、無数の流星がオーディン達を襲う。


「樹木の力よ、あらゆる万物を包容したまえ!森羅万象!!」


 アマテラスが作りし樹木の楯が、流星を受け止め吸収するかのように、存在を消していく。



「黒点より舞いあがる嵐よ!我が雷と共に!!フレア!!!」


 オーディンの放った黒球から真っ黒な炎の爆発が起きる。


「うわ。あれスヴェルじゃ無理だね」


「……天空と雷の神よ。雲より全てを防ぐ楯を我に!アイギス!」


 オーディンの詠唱に合わせて、フェンリルが新たな楯を作り爆発を防ぐ。



「楽しいな! お前らと本気でやり合う日が来るとは思わなかったからな!」


「まったく貴方は……それでルシファーとフェンリル。貴方達はこの世界を滅びるのを受け入れるのですか?」


「……我は神の守護獣。我は神の意思を受け入れるだけだ」


「お前はあいかわらず硬いな。お前の頭の中はいったい何で出来てるんだ? 神の意思を受け入れるだって? お前本当にそんなものがあると思っているのか? 神の意思とは、己の意思だろうがよ!」


「まったくオーディンの言う通りだね。フェンリル、君はもっと自分に素直になるべきだよ」


「おいおい、サタンお前はどっちの味方なんだよ。お前はどうなんだ?世界が終わっていいのか?」


「世界が終わることなんてないよ。“世界”という言葉は、僕と君達では意味が違うからだけど」


「それでは、私達がいるこの世界が終わってもいいのかしら?」


「本当に終わるならね。それは子供達に託したんでしょ? 老人の僕達の答えなんていらないさ」


「なら、いま私達が戦っていることに意味なんてないのなら……子供達の答えを待ちましょうか?」


「僕はそれでもいいけどね。フェンリル、君はどうする?」


「我は……」


「けっ!神の守護獣なら、神に聞いてきたらどうだ?」



 子供達の答えを待つ……規格外の力を見せ合い、この場での戦いは終わり。

 後方のリンランディア達の支援に……アマテラスの意識が一瞬、目の前の敵からそれた。



「くすくす」



 いつからそれは潜んでいたのか。

 アマテラスの影から、一振りの剣を持つロキが現れた。


 ロキの持つ剣「レーヴァテイン」は、美しい天女の肌に届くかと思われた。

 だが、その剣が貫いたのは、天女ではなく戦神だった。



「ぐっ……なに油断しているんだ……馬鹿やろう」


 オーディンの腹を剣が貫通している。

 影のロキは、アマテラスが一瞬で斬り捨てたが……。



「オ、オーディン!」


「くるぞ!」


「東より龍よ、西より虎よ、南より鳥よ、北より亀よ!」


 ルシファーの詠唱により、広場の東西南北を守る守護獣が召喚される。

 4匹は共鳴し、その力がアマテラスを襲う。


「フェンリル、オーディンを任せたよ」


 ルシファーは黄金の剣を抜き、アマテラスに斬りかかる。


 フェンリルは迷いの中にいたが、オーディンを倒すことに迷いはない。

 腹を剣で突きぬかれたオーディンに向かって襲いかかる。



「チッ……まずいな……」



 この状況で、フェンリルを抑えることは難しい。

 かといって、自分が倒されたら、アマテラスは1対2の状況に。


 オーディンは迷いなく動き出した。



「決着といこうか、フェンリル」


「その身体で何を言うか!」


 フェンリルは目と鼻から炎を噴く。

 そして、開けば天にも届きそうな巨大な口で、オーディンを飲み込もうとする。




 フェンリルから、それは見えていなかった。

 傷ついたオーディンから放たれる力は全て見えていると思った。



 オーディンを飲み込もうとした時、それは、オーディンの背中から自らの心臓を貫きやってきた。



 黄金の雷龍を纏ったグングニル



「ばーか。俺の勝ちだ」







「終わったようだね」



 ルシファーが斬り合う剣を弾き、後方に距離を取った時。



 アマテラスの目に映ったのは



 己の心臓と共に、フェンリルをグングニルで貫いた


 戦神オーディンの姿であった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ