第41話「グランドエリアゲームマスター」
ある意味、四重奏の一員、機械神アーカーシャに「解らないから全体論で限界値教えて」と1週間時間をあげたら1日で1500兆円動かしてしまった事実に対して、今回はBIG4の4人とGM姫で今後をどうするか検討をする時間に入った。
吸血鬼大戦の頃は花とか繭とか焚き火レベルだったのに、世界を観て回ったら地球全体レベルという大きさの大小のアンバランスさが凄いことになってしまった。
まさに〈戦略級〉という名に相応しい〈やらかし〉である。
四重奏、非理法権天、最果ての軍勢、放課後クラブの4名と現在のGM天上院姫の会談である。
まず、GM姫1人に背負わせる責任としてはあまりに大きすぎるので、まずリスク分散するところから始めた。
まず1つ目、ゲームマスター1人に世界全体を背負わせるのはキツ過ぎるのでゲームマスターを分けることにする。その名も〈グランドエリアゲームマスター〉である、略称GAGM。
今までは国単位でサブマスターを担当させ、フォローして貰ったが。今回は現実世界の大陸レベルである、アジア大陸とか欧州大陸とか太平洋とか。
これは現実世界の担当エリアをBIG4に分割リスク管理をして貰う形である。リスクとは毎日1500兆円規模が動いても多少重荷が軽くなる作業という意味。
ただ、ラスボスを夢みる天上院姫ズである神道社を入れて5エリアか、それとも除いて4エリアかは悩ましいところである。そこは今から会議する。
そして2つ目、〈カルテット・プロトコル〉の導入。全体論での1500兆円以上の大規模な行動を実行に移す場合。各チーム、同じチームで4名の合意が必要という安全装置〈リミッター〉の導入。これにより、湘南桃花1人の暴走だけでは1500兆円以上の規模感にはしないという抑止力として働く上限の導入である。これを〈戦略級波動色〉と呼ぶ。
GM姫がゲーム進行を行う。
「まあ……今回に限っては自分達が全体論での規模感が解らなかったら仕方ないにしても。ちゃんと機械神アーカーシャが1500兆円と数字を示してくれたんだ、それに乗っ取って行動するのがベストじゃろう……」
申し訳ない後悔と、どうしようもない前進を噛み合わせての進行となった。
四重奏、信条戦空はつまらないと思いながらもあまりの現実味に言葉を詰まらせ。
非理法権天、湘南桃花はこれで吸血鬼大戦の時の暴走は本当に止まるのか? と半信半疑になり。
最果ての軍勢、真城和季はこいうどうしようもない時の最終手段として生まれた軍勢なので望むところで。
放課後クラブ、天上院咲はお姉ちゃんの重圧を一緒に背負える事の安堵と、ここから先は覚悟しないといけない。という気持ちで一杯になった。
咲がまず、第一声を発する。
「えっとー、まず神道社だよね? 確かにラスボスが運営してるけど、リスク分散を考えると絶対に分けた方が良いと思う!」
GM姫もそれは解っている。
「じゃが、グランドエリアゲームマスターとしてエリア設定した場合。その土地はラスボスが管轄してる領土となる。簡単に言うと魔王の王国扱いされて批判が集中して来るぞ……」
それは今の今までの必要悪を請け負ってきた身としての障害、咲より昔、和季より昔、桃花より昔、戦空より昔、遙か昔から請け負っていた負と悪の連鎖を好き好んで請け負ってくれる国や土地が現実世界の地球で本当に存在するのだろうか……? それが今、解らない。
ここで勝手に決めれば批判がそこに集中する、その恐怖。本物の恐怖となってその国民に襲いかかるのはどうしても避けたい、元より姫は自分のワガママを貫いてこうなっているのだ。それは甘んじて受け入れる他無い。しかし無関係な国民を巻き込むのは違う。神様を信仰している信者に対してはどう考えたって違う。その自責。
「じゃあ今回はやめたほうがいい、仮案で4チームで運用しよう」
四重奏、信条戦空が直感でそう決めた。
少し考え、桃花もそれに同意する。
「賛成、悪神を歓迎する国が名乗り出るならまだ解るけど。私達が身勝手に決めていいことじゃない」
あまりにも根が深く、デリケートな内容だったので保護するか、先送りする案が先行した。
「……そうだな、落ち着いた国や土地が見つかるまでは。我々最果ての軍勢や国連が守ろう」
本当に困っている人を助けるのが軍勢の存在意味だ、真城和季は決断する、軍勢はその方針でバランスを取るだけだ。
「よかったねお姉ちゃん、安全になるまで国連が守ってくれるって」
咲は微笑み、姫は深く深呼吸して心の底から一筋の安心を覚えた。
GM姫は気持ちを切り替える。
「……よし! じゃあ4エリアに分けてゲームマスター決めるぞ!」
というわけで相談した結果の担当、グランドエリア・ゲームマスターがこちら。
四重奏、アジア大陸。
非理法権天、欧州・アフリカ大陸。
最果ての軍勢、全海洋。
放課後クラブ、南北アメリカ大陸。
神道社、無所属、攻撃したら国連が相手取る。
一応これで決まったが、最後に和季が確認を取る。
「一応確認するが。4チームで4人合意じゃなくて、1チームで4人合意出来たら、1500兆円規模の戦略級波動色、〈カルテット・プロトコル〉が発動可能という意味で合ってるか?」
GM姫もそこは快く同意する。
「それで良いと思うぞ」
更に確認する。
「勝手に発動してもいいか?」
これには姫も苦虫を噛みつぶす。
「……、流石にその規模じゃあ一声かけて欲しいな……、もしくはサインとか……」
やること前提だと、並大抵の事は好き勝手に許す姫も、ちょっと後ろ向きである……。
並大抵な事は軽弾みで決める姫でさえ、現実世界の戦略級を発動するのか? と聞かれたら荷が重くなる……。
「おーけー、勝手に発動するな。それだけ聞ければ十分だよ」
和季は軍勢として、その言質だけ取って後の事は追求しなかった。
「えっとー、これにて現実世界での問題はあらかた片付いたと思うので一回解散します」
5人はそれぞれ座席を立って、自由行動に移った。




