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名前の読み方

 以前に日本語のできる人ならわたしの名前を読み間違えないだろうと書きました。わたしの名前は日本語で一つの読みしかできないです。でも別の読み方をしてもありなお名前の方もいますよね。幼児教育のセールスの電話が掛かってきた時、セールスの人が見事に子どもの名前を読み間違えというか、その漢字の別の読み方をしてくれて、「ウチにはそんな名前の子はいません!」と切ったことがあります。

 わたしが小学生の頃に大韓民国の大統領の暗殺事件がありました。当時、韓国と北朝鮮の人たちの名前の漢字を日本語の音読みで読んでいました。ですので、ニュースで暗殺された大統領の姓を「ボク」と読みました。「(ぼく)」と日本語の一人称の一つ「(ぼく)」は同音で、弟がいたこともあって、耳にする度不思議な気分で、外国にはいろんなお名前があるものだと知識を深めたのでした。朴大統領暗殺事件が起きて、テレビでその事件の概要について取材できる限りの説明と解説をしていたようでした。それとともに「金大中事件」の話も出てきていました。

 ここら辺時系列が解らなかったので、検索してみましたら、「金大中事件」は「朴大統領暗殺事件」よりも以前の出来事でした。韓国での政治でのあれこれで過去の問題も関連ありかと説明されたのでしょう。で、先程説明しました通り、日本語の音読みをしてましたので、「金大中氏」は「きんだいちゅうし」、「朴正煕大統領」は「ぼくせいきだいとうりょう」と発音しておりました。

 その後わたしが中学生の時に、韓国の大統領全斗煥から要望があったとかで、名前を日本語読みしないで韓国語の発音の読みにするようになりました。それまで全斗煥を「ぜんとかん」と読んでいたのを「チョン・ドファン」と読み、「金大中」を「キム・デジュン」、「朴正煕」を「パク・チョンヒ」と読むようになりました。

 映画『KCIA 南山の部長たち』は韓国映画、「パク大統領暗殺事件」をモデルにしたフィクション作品なので当然韓国の俳優が出て、韓国語を話しています。「パク大統領暗殺事件」に先立つ「コリアンゲート」は知らなかったので、あれれ? となった部分はありましたが、充分面白かったです。

 人名はカタカナで韓国語に近い読みで字幕に出てきました。もし人名を呼び掛ける時に字幕で「朴」、「金」と出ていたら、頭の中で「ぼく」、「きん」と読み、耳は「パク」、「キム」と聞き取っていたら……、またややこしくなっていたかも知れないなあ、などとちょっと考えたのでした。

『スターリンの葬送狂騒曲』は日本語吹き替えで観たから何も感じなかったけれど、あれは英語の映画だったから、字幕で観たら変な感じがしたでしょうかね?

『スターリンの葬送狂騒曲』で終わりの方でフルシチョフたちが映る端っこに眉毛の目立つ男性がいて、ああ、あの眉毛男がブレジネフなのねえ、(ブレジネフはわたしが小学生の頃のソ連の書記長)なんて観ていました。

『KCIA 南山の部長たち』では主人公のKCIAの情報部長と犬猿の仲の警護室長の腹心の軍人が出てきます。額の広くて恰幅のいいその軍人さん、誰のことだか解らなかったのですが、鑑賞後に解説を見たら、チョン・ドファンがモデルだとか。ふふ~ん、全斗煥大統領、確かに額が広かったけど、もっと細い体型をしていた記憶があるんですけどねえ。実在の人物を演じる際、俳優が似ている、似ていないはどこにでもありますね。

 日本で中国人のお名前を読むときは、日本語での音読みです。韓国と違って中国の方々は中国語の発音に合わせよと要請はしていないようです。東夷の野蛮国の文化程度を気にしていないのかどうかは解りません。ただ、欧米の映画等で中華の人物が出てくると、アチラは漢字を読む訳ではないので、中国語の発音に合わせた表記をします。「マオ」が「毛」で毛沢東かなあくらいは解りますが、孔子が「コンフ……」なんですって?

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