すっきりしない
学生の頃あたりだったか、フェミニズムの本を読んでいて、「ジョン・レノンが『女は世界の黒人だ』と歌った」という文章を見掛けた記憶があります。主たる内容とはあまり関わらない部分でしたので、素通りでした。
最近、ビートルズやジョン・レノンの楽曲を聞くようになって、その文章で指していた曲を聞きました。正しいというのが妥当なのか知りませんが、その曲の現在の邦題は『女は世界の奴隷か!』のようです。
黒人、奴隷を表す英単語は“black”、”slave”ではなくて、これは現在使ってはいけないとされる英単語です。この楽曲を発表当時の五十年近く前も、多分、口にするのには配慮が必要とされた単語のはずです。ジョン・レノンとオノ・ヨーコは、インパクトや問題提起に重きを置いたのでしょう。
『女は世界の奴隷か!』はハードロックではないです。ガンガン鳴らさず、訴えかけるように、歌詞は解釈に苦労するような難解さはありません。
半世紀近く経って、世の中変わったさ、男性だって虐げられているじゃないか、というご意見は無論ありますし、マスキュリズムやパターナリズムには男性も苦しめられているのは解ります。
でも、何か変わったかしら?
BLMの運動もそうですし、日本での「女性は話が長い」発言に対しての抗議が起きているのですから、全て解決してないでしょう。
男女同権と言ったって、何もかも男性と同じになりたいわけじゃありません。逆に男性に女性と同じにしてもらいたい事柄もあります。
例えば結婚離婚で姓が変わった時の名義変更で何通も戸籍を取る料金、被保険者証、運転免許証、預金通帳、動産・不動産、それぞれの手続きでの煩雑さ。人生で何度もあることじゃありませんが、あちこちに連絡したり赴いたり、面倒です。
若さと見た目で偏重しているのに気付かず、女性が同じ反応をすれば、不快を露わに人間中身が大事だとの批判する男性がいますが、目の保養をする分にミーハーでいいじゃないですか。
乳幼児の行動を見守り世話をするのに、効率と合理性は一切通用しません。散らかすなと注意しても徒労に終わります。
「君の方が料理も掃除も上手じゃないか」と褒めながら女性に家事の分担をさせたら、「男の人の方が〇〇じゃない!」と役割を押し付けられても仕方ないんじゃないでしょうか。
大した意見があるわけではないし、世の中様々な人がいて主張があるのは承知しています。ただすっきりしないと感じています。




