三太郎、紙で引く辞書
上の子どもが小中学生の時、スポーツをしていて、そのスポーツの練習やら試合やらのサポートで親も車を出したり、コーチにお茶やお昼のお世話をしたり、と付いて回っていました。合間合間に、パパたちはパパたちで、ママたちはママたちでお喋りしたり、情報交換をしていました。お便りを出さない、親に何も学校のこと話さない、体育着だの授業で必要だから用意しておかなくてはならないものだの(それがたとえ空のペットボトルだろうと)、当日の朝になって言い出して、あんた言っても洗濯機に汚れた体育着入れてないのが悪い、直前になって言われても資源ごみに出したばっかりで不要なのはないわよと、どこでもあるのだと安心し、次の学校行事は何があるのかとお互い確認し合っておりました。わたしは地元出身ではないので、その地域での校外学習先などどんなところがあるのか耳を澄ましておりました。また、中学ともなると高校受験に参考になる話は、真剣になっていました。
そんな中、お兄さんお姉さんが高校に入って、との話で、高校がどんな校風なのかもありますが、入学するのにどんな学用品を揃えるのかのを聞いていました。とある高校では辞書は電子辞書でと指定された云々。時代が進むとそうなんだ、一つで国語、古語、英和、和英、漢和と済むもんなあと、家に帰ってから良人に報告し合ってました。
その後実際に上の子が、話題になっていた「とある高校」に進学が決まりまして、指定された学用品を教科書とともに購入する為、学校からリストをもらったのですが、使用するのは電子辞書ではなく、紙の辞書でした。良人はなんで今どき電子辞書を使わせないんだと言うておりました。わたしがママさんたちから得た情報は、たまたまなのかどうかは解りませんが、その年度の新入生担当の先生方は紙の辞書を引いて単語を調べるのを覚えて欲しい、またページを捲っていて別の項目に目を留めるのも勉強になるから、と判断したらしいとのことでした。
検索してパッと答えが出るばかりじゃあ学びにならないってのは解ります。重たいけど勉強頑張ってねと、思いましただ。(その後辞書の一部はわたしが使用するために廃棄を免れています。辞書も地図帳も改めて買うとなると高いですから)
自分で購入した国語辞典を引いていて、目的は別の単語だったのですが、たまたま捲ったページに「さんたろう【三太郎】」の項目がありました。目が留まり、読むと、『「あほう」の異称。』とありました。
携帯電話のコマーシャルキャラクターを指しての言葉ではなく、そだな単語があったのだと、愕然としました。幼児期、よくドジを踏むと、亡くなった祖父から「大バカの三太郎」と言われていたんです。
おじいちゃん、孫娘にあんまりだぜ。
知らなくてもよかった単語の意味でした。
わたしの手持ちの辞書は三省堂の『新明解国語辞典』(第四版)です。




