手作りの料理は失敗するとかなしい
小学生の三、四年生くらいになると、同級生の女子たちが手芸やお菓子作りを始め、自分もやってみたくなり、色々と挑戦した覚えがあります。
お菓子作りをするのはいいけれど、後片付けまでしないといけないと、厳しく注意もされました。まあ、お菓子つくりは上手くいくときもあれば、失敗することもありました。蒸し器でケーキはかなりハードルが高くて、作った本人も不味いと食べるのから逃げました。あの時はごめんなさい、おじいちゃん、おばあちゃん。
昔、良人と結婚する前、良人のアパートにご飯など作りに行って、そこでの会話で、「マヨネーズの作り方を知っているか?」と急に尋ねてきました。
「卵の黄身と酢と油だって聞いたけれど?」
「材料が揃えばすぐ作れるじゃないか」
あ、なんか手作りするなら簡単に安く済むと勘違いしているのでは? と感じました。
「材料は卵黄と酢と油と知っているけれど、どれくらいの分量で、どんなふうに混ぜるか知らない。解らないうちは試せない」
とわたしは答えました。まだスマートフォンもタブレットもなく、パソコンを個人で持つ人は少なく、インターネットで検索なんてない時代でした。良人はわたしの答えに一旦引きました。しかし手作りマヨネーズは諦めきっていないようでした。
彼氏のアパートでご飯作るのにレパートリーをと、購入した料理の本にたまたまマヨネーズの作り方が載っていました。
卵黄一つに、酢を大匙一杯、オイルを一カップ、塩胡椒やマスタードは少々が基本的な分量だそうです。卵黄を泡立て器で掻き混ぜて、少しずつオイルを混ぜ、調味料を混ぜ、と根気が必要です。
良人にそれを見せたら、実践しました。
残念ながら、あんまり美味しくなかったです。
「油の匂いが強い。開けたばかりのサラダ油なのに、酸化したような匂いがする」
「植物油は酸化が早いから。一リットルで幾らのサラダオイルじゃ美味しくないんじゃない、ドレッシングを手作りするときはもうちょっと高い植物油使うから、マヨネーズもそうしたら美味しくなるんじゃないの?」
「それなら買った方が安い」
そうなんですよね。難しいです。確かに手作りすれば、何を材料にしているか自分で解るし、味にも工夫ができます。(マヨネーズを手作りしたお蔭で、マヨネーズはほとんど植物油でできていると理解できた訳です)ただ必ずしも安上がりになるとは限らず、また失敗したり、味が微妙だったりの可能性があります。米飯や煮豆のように、少量でもある程度まとまった量でも、掛かる時間や手間が変わらず、量が多い方が美味というケースもあります。
一度に大量に作った方が美味しくて、効率が良くて、となると、手作りにこだわり過ぎるはどうだろうと頭を捻りたくなる食材もあるのだ、と個人的に思った出来事です。プロに任せて既成の食品を買えばいいという話ではありません。
まあ、マヨネーズやドレッシングは一切買いません、手作りします、というご家庭がどれくらいあるか知らないのですけど。逆にマヨネーズには卵の白身まで使う方がいらっしゃるのか? もしくは白身が残った場合、どのように活用しているのか、教えていただきたいです。




