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ロックの王様って誰だろう?

 以前に、自宅のテレビでYouTubeを検索して、クイーンの映像を観ていた時に、長男がやってきて、「それってロックの王様?」と尋ねました。わたしは「違う、これはクイーンで、ロックの王様ったらエルヴィス・プレスリーだ」と答えました。

 平成生まれで、洋楽をほとんど聴かない長男がプレスリーもクイーンも知らないのは当然なのです。わたしだってプレスリーはどっちかっていうとモノマネ芸人の演じる姿くらいしか知らないのです。(フリンジをひらひらさせた衣装で腰を振って歌うようなのね)

 別の機会に、同じくYouTubeでプレスリーの『監獄ロック』(はっきり言ってプレスリーだと『監獄ロック』とシャンソンの『愛の喜び』をアレンジした曲しか知らないです)を長男と視聴しておりましたらば、長男は言いました。

「踊りが古臭い。もっと、こう、002の初登場シーンみたいに足をぱっと上げるような……」

「あのシーンは『ウエストサイド物語』って映画のシーンの真似だから、この映像より後の作品だからねえ」

 音楽そのものに関しては、おお、このような曲か、との感想のようでした。

 002の初登場シーンで通じちゃうのもなんですが、石ノ森章太郎の漫画『サイボーグ009』の第一巻、悪の組織の『黒の幽霊団(ブラック・ゴースト)』が改造人間の実験を行う為に人を集めていました。アメリカ合衆国のニューヨークの下町で不良少年たちが喧嘩を始める場面があって、そこでのちに002となるジェット・リンクが足を高く上げて、踊るように登場するのが描かれています。

「『ウエストサイド物語』っていうと、映画のポスターもパンフレットの表紙も足を高く上げている絵になっているけど、あの踊りを踊っているのは主役じゃなくて、ヒロインのお兄さんなんだ」

 と、教えてやりました。

「おまけに『ウエストサイド物語』はアカデミー賞で各部門受賞しているけど、主演男優賞だけは受賞できなかった」

 と、必要ないことまで教えました。

「あとさあ、踊りが古臭いのは仕方ないけど、ささきいさおは若い頃プレスリーのカバーしていたんだそうだよ」

 アニメソングや特撮ソングが好きなので、言ってみました。

「へえー」(興味なし)

 その後、ビートルズとクイーンの区別が付かないのなどというので、良人は洋楽を聴かないのだから知らなくったてと、

「ビートルズはマッシュルームカットだ」

 いつまでもキノコ頭してなかったと思うけれど。

「クイーンはドラマーが超ハンサム」

 わたしの教え方も偏っています。

 長男はどちらにしろロックは聴かない模様です。

 女王をキング・オブ・ロックと呼んでいいのかな、という気もしますが、或る意味王様には違いありません。

 まあ、時代ごとにキング・オブ・ロックがいるので、それぞれの世代に応じて、存在しているでしょう。日本には直訳ロックの王様もいますから。

 同じく洋楽を聴かない二男にビートルズとクイーンの区別は付くかと訊いてみました。解るとのお返事。英語の教科書にジョン・レノンの『イマジン』が載っていたから、ビートルズは知っているとのこと。

「それにクイーンは家の車でドライブの時よく流れているから」

 それもそうですね。

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