この頃思い出したこと
昭和五十年代、NHKで『ウルトラアイ』という番組がありました。夜の七時半からの放送で、司会が山川静雄アナウンサーで、日常的な疑問を実験して実証していこうという内容でした。蜜柑を食べて肌が黄色くなるのかとか、冷え性の人は本当に手足が冷たいのかとか、やっていましたね。
その中で、風邪やインフルエンザはどんな風にうつるのかの回がありました。咳やくしゃみの飛沫がどれくらい飛ぶのか、カメラで撮影して見せていました。
また、女性アシスタントが事務職のOLに扮して、鼻の脇に特殊な塗料が入った小さな壜を付け、それから鼻水が垂れてくるので鼻をかみながら一日仕事をしてみて、その塗料がどれくらいの範囲に付着したかを実験していました。塗料は普通には見えないのですが、やはり特殊なライトで照らすと見えるのです。
アシスタントが仕事をする机の上の事務用品や立って回る場所で手に触れる箇所など、塗料が付着していました。そして当時のこととてOLはお茶汲みもしていました。その結果、仕事場の茶碗、淹れてもらったお茶を飲む人たちにも塗料が付いていたのでした。
なかなか見ていて、気持ち悪い画像でございました。
これは食品の調理・製造、飲食店での販売をしている人とは違って、きちんと衛生管理がされていない、事務仕事をしながらだったからでしょう。お茶椀を下げる時に手を洗いに行かないでしょうし、茶碗を洗い、お茶を淹れる時に手を洗っていてもつい顔を触ってしまうかもしれないし、途中で仕事で呼び出されて、用事が終わってそのままお茶を注ぐことだってあるでしょう。
「風邪気味なのを無理して仕事に出ないで休んだ方がいい」
と番組の出演者が言っていたような記憶がありますが、あくまで昭和五十年代。一緒に視聴していた大人は、「何を言っているんだ」と意に介していなかったですね。本当は大切な事柄なのですが。
現在流行している新型肺炎ウイルスの感染予防対策で、体調が悪かったら休みましょうと盛んに言うようになりました。働き方改革はその前から提唱されてきていましたが、色んな業種で人材不足と言われて久しいこの頃、実感している方々はどれくらいいらっしゃるのでしょう。
政府で休業補償のお話が出てきました。しかし、不公平感を抱く人たちがどうしても出てきます。
ナントカ民主党がまたぞろベーシックインカムを言い出すのかしらと、ふと思いましたが、これで経済が回るのか、財源はどうするのか、勤労意欲の低下を招かないのかと批判が多かったですからねえ、有り得ないかしら。




