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決して真似しないでください

 秋に台風が来ると、家の周りを片付けしていて、利き手の指先を切りました。利き手の指先ですので、しょっちゅうあちこちに触れ、汚れますし、何回も手を洗います。消毒を繰り返し、傷テープを毎日張り替えていました。

 指先の傷は治りましたが、今度は指に(いぼ)ができました。テープでカブレたのかと様子を見ていました。指の第一関節に三ヶ所くらい集中してできたので、気になります。いじったら増えてきて、ああ、これは単なるカブレではなくて、疣、バイ菌が入ったのが原因と思われる疣だと勝手に判断しました。子どもの頃に似たような症状が手の平に出た経験があるのです。

 わずかな面積に数ヶ所の疣ですから、本来痛くないのですが、腫れた状態に似て、少し痛い箇所があります。

「利き手の指先、第一関節の所だから、根性焼きで治せない」

 と、わたしがぶつぶつ言っておりましたから、良人からどういうことだと尋ねられました。

「子どもの頃にこんな疣ができた時に、皮膚科で液体窒素で焼いて、それで疣を取ったから、その要領で、マッチの頭とか、焼いた針先でこう……」

「そういうことは医者にやってもらいなさい!」

 良人から愛情あふれる言葉を掛けられ、まあ、素人治療は危険ですから、皮膚科に受診しました。(わたしはピアスをしていないですけど、ようく針やピンを使って自分で穴あけてピアスをしたっていう人の話を聞きます。それの詳細を聞かされたら、男性はひっくり返るのではないかしら?)

 皮膚科に行きましたら、あっさりとウイルス性の疣だと診断を下され、液体窒素で患部を凍結、患部のみをひどい凍傷にして、その部分を徐々に取り除く治療となりました。これは子どもの時の治療と変わりません。変わったのは治療の道具。

 子どもの時は、液体窒素は頑丈な容器に詰められていて、必要に応じて専用の柄杓で少量組み出して綿棒を浸して、患部に押し付けて凍傷にしていました。今は液体窒素はスプレー式なんですね。スプレーで液体窒素が患部に吹きつけられて、冷たいよりも指先ですので、尋常でない痛みで固められる感じです。

 日を置いて、経過を見ますと言われて、次の診察まで待ちです。待っている間、患部のみ、ひどい凍傷或いは火傷の状態を我慢です。

 秋に初診で、まだ治療中、年を越します。

 同居の姑に疣の治療で皮膚科に通って、このような処置を受けていると茶飲み話で話したらば、やっぱり昔の話が出てきました。

「昔は疣なんて、外科処置で切っちゃってたよ」

「ウイルス性で下手にいじくると疣が増えちゃうかららしいんですけどねえ」

 傷が深くなって化膿したり、後が残ったりの心配があるから、現在の処置をしているに違いないのですが、そこはあれこれ言ってみても仕方ないのです。

 もし疣らしきものができた際は、今まで書いてきたように、素人判断で根性焼きしたり、切ったりしないで、専門医の診察を受けて、適切な治療を受けてください。決して面倒くさがって民間療法で済まさないでください。

 年明けたら、また皮膚科に行かなくちゃ。

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― 新着の感想 ―
[良い点] うわ、なんとそんなことになっていましたとは! ウイルス性ですか……怖いですね。 私はそういった感じで皮膚治療をしたことはないのですが、気を付けます。 どうか、お大事に。 そして、良いお年…
[良い点] ありゃ、利き腕の指とはそれは厄介なところを怪我しちゃいましたね。わたしも昔、母親が「焼き針で消毒してあげる」と言ってくれたものですが、お医者様に行くと「それはやめてください」と断言されて民…
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