ホームとアウェイ
十二月九日の日曜日の午後六時から、平成最後のサッカー天皇杯の決勝戦が行われました。通常一月一日のお昼に行われるのですが、ほかの国際大会の日程や、国立競技場の建て替えなどなどの諸事情でこの日程、そして埼玉スタジアムでの試合でした。
「アウェイじゃないか」
などと良人が呟いておりましたが、その前の準決勝、モンテディオ山形とベガルタ仙台の試合は仙台スタジアムで行われましたので、いくら隣県とはいえ、モンテディオ山形にとってアウェイ戦でした。
「準決勝、山形もアウェイだったからなあ」
「アウェイ……、関係ないけどさ、夏の甲子園もある意味アウェイだったよね。大阪の高校と秋田の高校が決勝戦したんだからさあ」
良人からは返事はございませんでした。甲子園の近畿勢有利は今に始まったこっちゃないですからね。それに甲子園は甲子園で、野球をしていた人には神聖なのでしょう。わたしには解りませんが。
サッカーに限らず、スポーツの試合は地元有利と言われています。飲食物や気候、移動距離の身体的な面、治安や地元の応援などの心理的な面、双方で負担は大きいはず。
天皇杯の決勝が丁度夕ご飯時でございましたので、小中学校でサッカーをしていた長男も一緒にテレビを観ていました。
「そういえば、前、パパと天皇杯サッカーを仙台スタジアムに観にいったことあるよね」
「おお、覚えていたか」
良人と長男にとっては良い思い出なのですが、わたしにとっては黒歴史。二人が寒い中でも楽しく横浜マリノスとの試合を堪能している間、わたしは地区の公民館で、来年度のPTAの役員を決める為の熱い戦いをしておりました。
「いい試合観てこれて良かったよね。ママも観に行きたかったよ」
「……」
天皇杯サッカー、ベガルタ仙台初の決勝戦でしたが、浦和レッズに負けてしまいました。結構攻め込んでいたんですが、前半一点入れられたのが決勝点になっちゃいました。残念。
野球に詳しい良人に、サッカーでは本拠地でない場所で試合するのにアウェイというけれど、野球はどうしてビジターというの? と以前尋ねた記憶があるのですが、これも明確な答えをいただいておりません。多分、サッカーと違って野球の起源が貴族の余暇っぽいからなんでしょうけど。




