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テニスの試合で声が気になる

 良人がわたしと出会う以前にテニスのサークルに入っていて、付き合い始めた頃、一緒にテニスをしたり、テニスのテレビ観戦をしていました。

 その頃は、男子でアンドレ・アガシやイワニセビッチが若手で名前を上げ出していたぐらいだった記憶です。

 グランドスラムのどの大会だったか忘れましたが、大会の総集編で、スターの交代みたいに、ジミー・コナーズとジョン・マッケンローの試合が流れました。既に三十半ばを過ぎ、四十近い二人が対戦すると、決勝戦とは違った注目の試合です。

「パワーテニスと華麗なタッチの対戦」

 と、アナウンサーが説明していました。ジミー・コナーズがパワーテニスはどこかで耳にしたことがありましたが、マッケンローのプレイスタイルは知りませんでした。

「へえ、そうなの」

 と良人に問いました。

「マッケンローってパワーテニスみたいに思われがちだけど、テクニックが凄いんだよ」

 と教えてくれました。

 総集編ですのでダイジェスト、どっちが勝ったかも覚えていませんが、確かにマッケンローはラケットから繰り出すボールが直球ではない、多彩なバウンドでした。

 ジョン・マッケンローと言ったら、審判に悪態を吐く、商売道具のラケットでボール以外の物(コートの地面やコートにある置物など)をぶっ叩くなど、「悪童」と呼ばれる人物。プレイスタイルよりそっちが有名で、勘違いされがちという、自業自得と言われればその通りですが、パワーだけの選手ではないので、ちと気の毒でした。

 結婚や出産があって、自身がテニスをしなくなりましたが、良人に付き合ってテレビ観戦は続けていました。

 そのうち、テニスの試合で声を出す選手が問題になってきました。モニカ・セレスあたりからだと思うのですが、サーブやショットの度に叫んだり、唸ったりしてうるさいと、対戦相手から批判されました。(沢松奈生子も唸っていたけど、注目度が違っていましたからね)曰く、インパクトの際の音で、ボールに回転を掛けているか、直球で返すかと、耳で判断しているから、大声で邪魔され聞き取れないし、品がないのが理由。

 男子も声を出さない訳じゃないけど、セレスが日本のスポーツ誌あたりでゴジラ娘と書かれたあたり、これも気の毒で、一種男女差別なのではと、今では思います。

 その後、わたしがスポーツ観戦自体をあまりしなくなりました。上の子がサッカーを始めてそれで忙しく、また、それから卒業したら、燃え尽きたようになっちゃったとでも言いましょうか。

 近年錦織圭の活躍があって、またテレビでテニスの試合を良人がよく観るようになってきましたが、昔と比べてうるさくなったと感じました。モニカ・セレスの試合に音量計だか、騒音計を設置して試合をしたなんて嘘みたいです。みぃんな、とは言いませんが、叫ぶ、唸る、じゃありませんか。シャラポワだってサーブで叫んでいました。

 貴族サマの暇つぶしから始まったらしいテニス、優雅に楽しむものが、パワーと熱血に変容してきたのですね。

 さて、ショットの際に、ボールにスピンを掛けるとあまり音がしないと言いますが、腕の振りで見分けているのか、それこそバウンドの時に見極めているのか、今はどうしているのでしょう。詳しい方、教えてください。

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