優勝旗は竜飛崎を越えた経験あるけれど
わたしが高校野球に興味がないのは以前に別のエッセイで書いているので、ここでは繰り返しません。この夏の第百回目の甲子園、故郷の山形県代表の羽黒高校も現在の居住地の宮城県の仙台育英高校も第一回戦で敗退したこともあって、さっぱりニュースを聞いておりませんでした。
そして、準々決勝あたりで、やっと気が付きました。秋田の高校が勝ち進んでいる、それも県立高校!
大昔、東北勢が夏の甲子園で決勝戦まで進むと、よくアナウンサーが暑苦しい口調で、「真紅の優勝旗は白河の関を越えるか!」と言っておりました。そして東北勢が優勝旗を持って帰った経験はありません。
北海道の駒大苫小牧が優勝したので、もう白河の関云々は言わなくなりました。白河どころか竜飛崎を超えたのですから、もう言えませんよね。
仙台育英が大会八日目でやっと一回戦の試合でしたので、ずうっと大阪近辺に滞在して練習していたのかなあ、大変だなあと思っておりました。
今年の猛暑に、甲子園でなく京セラドームで試合をしたらと呟いていた良人ですが、一回戦や二回戦までは甲子園だけでなく、近辺の野球できる施設で試合をすればいいのに、試合するまで暑い中に練習しながら待っているのは大変だし、お金もかかるじゃないかとわたしが言うと、それは野球はどうでもいいと考えている人間の言うことだ、言うのでした。
高校野球に興味がないからって、野球に人生を賭けている人を軽んじているのとは違います。
「事務方の苦労を考えなさいって。関西近辺なら大会中でも自宅や高校の寮の慣れた環境にいられるかも知れないけれど、遠方の高校はいくら交通機関が発達しても、交通費と滞在費と選手の疲労を天秤に掛けて、どうするか考えなきゃいけないじゃない。
仙台育英、開会式から八日目までずうっと大阪にいたのかしら?」
「いたんじゃないかあ」(確認していないので、実際どうだったか知りません)
「選手の滞在費(練習の為に近辺の施設での使用費もありますよね)、試合当日は応援団やブラスバンド部の移動、ほかの生徒たちの移動用のバスのチャーター費。
なあんでもお金が掛かるんだもん。
一回戦で負けて帰ってくると見込んでいたら勝っちゃったと、慌てた先生や事務方ってどこでも聞きますよ。そうなると次年度にも積み立てが必要かと悩みどころですよ」
「う~ん」
金足農高、県立高校ですので、どのくらい遠征費に積み立てをしていたのか知りませんが、勝ち進むのは嬉しいけれど、寄付を募らないと間に合わない状況だったようですね。さいわい寄付が集まって、赤字にはならなかったようです。まずは選手を労ってください。東北じゃもう夏休み終わりですから、勉強と農作業が待っているのでしょう。
心配なのは投手で連投を続けた吉田選手です。ピッチャーは甲子園で活躍が終わっちゃったんじゃないかと言われる人がいますので、温泉やマッサージなどで休養できればいいですね。
吉田選手は農家の跡取りなのかと思っておりましたが、プロ入り希望ともニュースを聞きましたので、尚更体を大事にして欲しいです。
ラグビーやサッカーの高校の全国大会は冬休み中ですが、野球は夏。阪神タイガースの為にもプロ野球のオフの時期にはできないのかなあ。選抜とかあるか無理なのかしらん。伝統ある競技って難しいのですね。
野球に興味がないからそんなことが言えるんだとお叱りを受けそう。




