表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Chaos Odyssey Online 〜VRMMOで魔王と呼ばれています〜  作者: 暁月ライト


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

283/354

キエカの山

 シルワを仲間に加え、取り合えずムーンに任せた後、僕らはキエカの山を登っていた。


「んー、快適ではあるけど冒険感は薄いよね」


「まぁ、それはそうですね……でも、今回はゆっくりしてる暇もないですし、しょうがないですよね」


 そう。キエカの山を進む僕たちだが、その道に敵は居ない。何故なら、僕らの周囲には沢山の従魔が居て、近くの敵を掃討しているからだ。


「熊さん、思って以上に強いね。奈落にも連れて行こうかな」


 僕たちの視線の奥で魔物を次々と屠っていく熊さん。メルメモ大繁茂洞窟の本来のボスだった緑光黄樹熊(スリヴィング・ベアー)のゾンビ、グマだ。名前の由来だが……


「グマァ」


 この奇妙な鳴き声だ。鳥はトリィと鳴かないし、犬はイヌゥと鳴かないが、彼は例外だったらしい。まぁ、鳴き声は置いといて彼は結構強い。


「あの熊さん、さっきの洞窟のですよね? 倒すときは瞬殺でしたけど、仲間になると強いですね」


「まぁ、強化したし……そもそも、この山の野良の魔物と僕らとじゃレベルが違いすぎるからね。比べたってしょうがない」


 黄色い樹のような肌と、樹皮の中から漏れ出る緑の淡い光。そこそこ奇妙な見た目のグマの元々の能力は、高速で植物の成長を促す緑の光と黄色い樹の皮だ。剥がれても燃やされても大したダメージのない樹の外殻、それを高速で再生できる緑の光。高いフィジカルと持続力で敵を屠り続けられる。アンデッド化した彼には体力の限界などないので、本当に敵を屠り続けることが出来る。


「うん、良いね」


 そんな彼に僕が与えたスキルは光属性耐性、火属性耐性、斬撃耐性、跳躍(ジャンプ)、気配察知、自己強化(セルフブースト)、高速再生、悪食、耐受強身、根性、光合成、殺戮衝動(マサークル・インパルス)血の目覚め(ランページ・ブラッド)、凶暴化、巨大化。


 筋力、機動力、耐久力、全てが高水準。圧倒的パワー。ステータスアップ系のスキルを山盛りで積んでみた。攻撃を受ければ受けるほどステータスが強化される耐受強身、低HP時の耐久力をアップさせる根性、彼自身の相性がいい光合成、敵を屠れば屠るほどステータスが上がる殺戮衝動(マサークル・インパルス)、敵に与えたダメージに比例して消費した魔力や体力を回収する血の目覚め(ランページ・ブラッド)、VIT,MND,INT,そして理性を犠牲にSTRとAGIを大幅に強化する凶暴化、そして何となく大きくなった方がそれっぽいかなという理由だけで取得した巨大化。

 どうやら、凶暴化と巨大化は基本は必要な場面だけで使っているようで、この山の魔物相手には使っている様子は無い。


「さて、そろそろ……ん?」


 そろそろ山頂だ。その言葉を発するよりも早く僕らの前の地面が隆起してそこから何かが現れた。


「手?」


 毛むくじゃらの手だ。一つじゃない。僕らの周りにその手はどんどんと現れ、そこから何かが這い出てくる。


「おー、沢山出てきますよ。これって、確か……」


「グノーム、だね。僕らの目当てじゃないけど彼らの王がここのエリアボスだったはずだし……相手をするのも悪くないね」


「なんにしても、これだけ包囲されていれば戦闘を避けるという選択肢は無いかと」


 ほぼ一頭身で丸っこい茶色い毛むくじゃらの体、彼らはグノーム。元は地の精霊であるノームだったらしいが、色々あって闇落ちした一部のノーム達が彼ららしい。ゴブリンに似ているが、彼らよりも知能が高く、手先が器用で地中での生活に適している。代わりに彼らほどの繁殖力は無い。

 警戒すべきはその爪と知能だ。爪はそう長くは無いが、鉱物を簡単に削ってしまえるほど鋭く硬い。また、毛に覆われたその筋肉も発達しており、人間など片手で持ち上げられるほどだ。そして、彼らの知能は人間に匹敵するものがあり、集団で作戦を立てて襲ってくる。恐らく、今僕らを襲っている彼らにも何か作戦があるのだろう。僕らがかなり強い敵だってことは既に分かってるだろうからね。


「さぁ、取り合えず包囲はされたけど、こっからどうやって僕らを狩るつもりなのかな?」


 不敵に呟いた僕の足元が、ぐらりと揺れた。


「あ、ネクロさん。これ落ちます」


「え?」


 真っ逆さまに落ちていく中、僕はミュウを呼び出して守るように包み込んでもらった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
書籍一巻がBKブックス様より発売中です!
html>
↑の画像から飛べるページからお買い求め頂けます!
― 新着の感想 ―
[一言] ピットフォール(物理)かな?www
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ