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Deadman・Fantasia〜死霊術師の悪役道〜  作者: 泥陀羅没地
第五章:堕天の悪魔と守護の勇者
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守護の勇者、夜明けの悪魔②

最近投稿ペースが落ちて来た泥陀羅没地です……不味い不味い。


溢れ出る物語の構想が多過ぎて文章出力が間に合わない……もっと僕に表現力が有ったなら……orz


書きたいジャンルも多いし、働かないとだし、勉強もゲームもしたい……。


1日の時間がもっと増えないかなぁ、やりたい事が多過ぎるッ!


結論:金と時間が欲しい(強欲)


「『さぁ続いてェッ、第二試合の開幕だぁッ!』」


『ウワァァァッ!!!』


「『第二試合を飾るのはこの男ッ、その刃は眼前の敵を裂くッ、尽くを斬り捨てる殺しの御業、幾年も剣へ刃へ注ぎ至りし無双の剣鬼ッ!…〝老鬼〟、三郎丸ゥゥゥ!!!』」

「小っ恥ずかしいのぅ……」


「『対するはッ!…矛を貫かせぬ堅き盾、古今東西汎ゆる剣でも、我が堅牢破れる者無しッ…〝金剛〟のガチタンッ!!!』」

「や、ヤベェェッ、糞怖えェッ」


『ウオォォォッ!!!!』


「『レディ?』」


――カチャッ――


「『ファイトッ!!!』」

「……うぅむ……コリャ参った、お主弱過ぎるぞ……試合は盛り上げる物故、それでは盛り上がりに欠けるじゃろう」

「手厳しいなぁ、もうちょい甘口評価してくれねぇ?泣いちゃうよ?」

「そんな軟弱でもあるまいに……まぁ良いわ、肩慣らしに少し遊んでやろうぞ」


――タッ――


「ヌゥンッ!」


――ギィンッ――


「グッ!?……重いが受け切れるなッ」

「ッホレぃ!」

「どぅぉ!?」


――ギィンッ…ギィンッ…――


「『な、何と言う連撃、一撃が、一撃一撃が高速でガチタンの盾を削っていくゥッ!』」

「『素の戦闘技術が高い、しかしソレにギリギリで反応するガチタンも見事と言う他無いな』」


「ホイホイホイホイホイホイッ」

「グオォォォッ!?…速すぎんだろ爺さんッ」


一太刀が重く盾を押す、一振り毎に太刀は素早く盾を斬りつける、火花を散らし、装甲を削り……。


「ッヤバッ!?」

「ヌラァッ!」


――ガィンッ!――


そして盾を弾き上げた……そしてそのままガチタンの頭目掛け、その太刀を振り下ろした……。


――ズシャッ――

――ブシャァッ――


「痛えな爺さんッ……だが、隙ありだァ」

「ッむぅ!?」


「『おぉッ!三郎丸の放ったガチタンを仕留める一撃を、ガチタンがギリギリで躱し、致命傷を避けた!』」

「『しかし、無傷とは行かん様だ、相当深く斬り込まれてる』」


「寧ろそれで良いんだよォ……〝ルイゼットォッ――」


――ドゥンッ――


飛び散った血液を、黒い盾が吸う……それと同時に、黒い盾が下に振り下ろされる……真下で、刀を掴んだままの三郎丸に。


「『コレはッ……〝決死の反撃(ビッグ・カウンター)〟!ガチタンの大反撃ッ、果たして三郎丸は、この状況を切り抜けられるのかッー!?』」


――ドォンッ――


「――ギロチンンンッ〟!!!」


大盾が、否大盾の如き処刑の刃が大地へ深く刻まれる……しかし、其処に咎人は居なかった。


「……だよなぁ、こんな大振り、当たる訳ねぇ」

「……ガチタンと言うたな、お主、コレが狙いだったのか?」


咎人は、その少し離れた場所で、素手のままその男を見ていた。


「あったりめぇよ、アンタの動きは嫌と言うほど知ってるからなぁ、初めから〝コレ〟で仕留める予定だった」

「成る程、成る程……どうやら、儂は油断していたらしい、弱きと見て、本質を見ていなかった様じゃなぁ……ガチタンよ」


そう言いながら、三郎丸は己の腰から脇差しを取り出し。


――ズパンッ――


己の腕を切り落とす、その行為に、会場がどよめいた。


「貴様を侮った詫びじゃ……そして」

「ッ!」

『ッ……!?』


――ゾワッ――


瞬間、会場全域が、その〝気〟に触れ、沈黙する。


「貴様を敵として、殺す……儂が勝てば、貴様を鍛えてやろう」

「イヤマジデユダンシテテ?………ッて無理だよなぁ、ヤベェなぁ、本気にさせちまったぁ……」


――ガシャンッ――


「コレは決勝戦で出したかったが仕方ねぇ……〝処刑場に処刑人をエクセキューショナー・サンソン〟」


――ギンッ――


――カタカタカタッ――


「『こ、コレはッ……ガチタンの血液を盾が吸って……!?』」

「『ルイゼット……いやギロチンは世界で最も名高い処刑道具だ、その名を冠し、その役割が果たされるのが処刑場ならば、今此処は正しく処刑場と言える、そしてその処刑道具の持ち主も処刑人であるべきだ』」




「いやぁ?……それだけじゃない……あの大盾、あの武器……家のフェイディアより弱く、浅いが……〝色〟が有る」


聖剣よりも弱く、魔剣へも至れていないが確かに〝自我〟が有る。




○●○●○●



「見てるか、見てるよなぁ?……〝ハデス〟……お前も居るんだろう?……トーナメントによぉ?」


最強の盾……この世界で俺が目指した〝最強〟、どんな攻撃も弾き、防ぎ切り、そして仲間を護る……それが俺の楽しみだった。


――ビキビキビキッ――


あの日、あの夜、あの燃え盛る悪魔の牙城で……俺の盾は貫き壊された。


悔しかった、情けなかった……だが、それ以上に〝沸き立った〟。


〝倒したい〟。


俺の手で、あの化物を殺したいと、処刑したいと思った……眩しい星の如く、俺の暗がりを照らして道を示した、あの忌むべき化け物を、その為に俺は〝歩んだ〟…俺の〝相棒〟と共に。


「〝処刑装刃(エクセキューショナー)三日月刃の逆盾ルイゼット・アンチシールド・サンソン〟」

「『ガチタンの身体を黒い鎧が、いや、鎧のような刃が覆うッ……その姿は重く硬い盾の様に、しかしその本質は鋭く残虐な矛の様にッ』」

「『正に〝矛盾〟だな、〝矛の様な盾〟、〝盾の様な矛〟だ』」


「フゥゥッ……アンタを倒せねぇと、あの化物を〝処せ(殺せ)〟ねぇんだよォォォッ」


「フッ、フハッハハハッ♪」


ガチタンの愛盾(相棒)……始まりの盾(初期装備)で有りながら、彼の性故に捨てられず、磨かれた〝彼の歴史を共に歩む武器〟……磨かれ、己に与えられた供物を糧に、更に強きの攻撃を受け、そして彼の化物に敗れた〝彼女〟、愛しき我が王へ与えられた〝三日月(ルイゼット)〟と言う個性、その能力を主も、彼女も、観客も知らない……唯一知るのは、彼の目指す最たる化物のみだろう。


彼は堅きを誇る者、そして今の彼は彼女と混ざり合った〝矛盾〟、そして彼女は……〝ルイゼット〟は盾の形を持った矛で在る。


〝狂月の処刑人〟。


彼女の持つ人道の名を持った狂気、血を啜り、その力を増す、彼女が彼女の歴史の中で見た〝罪科〟を元に、その〝相手(咎人)〟と対峙した際に、所有者へ罪科の数だけ強化(狂化)を施す、もう一人の処刑人。


「コレは……〝斬り甲斐〟が有りそうじゃのう♪」


汝の罪……〝盗み〟、〝破壊〟、〝殺人〟。


――ドクンッ――


「『〝縛り鎖〟、〝咎人の足枷〟、〝首切りの斧〟』」







「アハッ♪ハッハハハッ♪ハハハハッ♪」


〝ソレ〟は笑んでいた……己の為に、己を殺す為に、磨かれた殺意の形を遠くから見ながら、嬉しく思い、愉しく思い、思い想い、狂う程に愛しく思っていた。


「『想いが〝人〟を強くする、求め焦がれる飢えが、楽しむ歓喜がこそッ、お前は俺の為にここまでしてくれたのか……ッ♪』」


未熟も未熟、しかしソレは本物の――、彼へ向けられた。


「『素敵だ……素敵な〝贈り物サプライズ・プレゼント〟だッ♪……ガチタン……〝かつて守護の頂きを目指した鉄の君は処刑の娘を携えた処刑人へ在り方を変えた〟……その血濡れた刃は〝悪魔(化物)〟を狩らんと常に飢えている……〝狂戦の盾王〟、〝渇望の死神〟……お前の挑戦状は、確かに受け取った♪』」


是非見せてくれ、その力を、その先の〝未来〟を。


「そして老鬼、お前はその助けに成れる」


その若い狂気を磨く手と成れ。




●○●○●○


「ウラァァァッ!!!」


――ドゴォッ――


「『振るわれる血濡れの腕斧、堅牢な刃の鎧は三郎丸の刀を寄せ付けないッ、正に絶体絶命ッ』」


喧しい小僧じゃのう、好き勝手言いおって……しかし。


「懐かしいのう……子供の頃の日乃を思い出すわい」


『お祖父ちゃん』

『んん?どうした――ッ!』

『剣、教えて?』


女子の趣味は分からんが、あの子は他の子とは違った子じゃったなぁ、ぬいぐるみよりも剣が好き、全く誰に似たのやら……あの阿呆はあの子の本質を見ておらなんだがなぁ。


――焦がれる程の、剣への執着――


儂と同じ、〝剣が好き〟、否〝戦い、技を振るうのが好き〟、強きへ挑むのは掛け替えのない宝で有ると、そう思う儂と同じ。


「ルイゼェッ、ヤレヤァァァッ!」


――ジャラッ――


「『ガチタンの背中から無数の鎖が現れたァァァッ、まるで這い回り捕まえんとする蛇の様に三郎丸に迫るッ!』」


――ガキンッッ――


この小僧もその類、焦がれる程に憧れ、焦がれる程に求め、焦がれる程に〝愛している(殺したい)〟、凡そ人ではない人……狂人であろう。


「儂と同じ〝者〟を〝想っている〟」


あの化物を殺したい、己の手で、己の技で……分かるとも、そして今、儂は眼の前に鍛え甲斐の有る〝鉄〟を見つけた。


「〝咎人の足枷〟ェッ!」


――ガシャンッ――


「………」

「『おぉっと!何処からともなく足枷が現れ、三郎丸を拘束したッ!?コレは絶体絶命、勝負有ったか!?』」


是が非でも、良い〝武器〟にしたい。


「……フゥゥ」


「オォォォッ!!!」





――スンッ――



「〝鬼月流…居合術……音去(おとさり)〟……この祭りが終わったら、儂の元へ来い、鍛えてやる」

「…………ソイツぁ…嬉しいねぇ」



騒乱の第二試合、その決着は余りにも静かな幕引きだった。


ガチタンは銀髪なチョイ男前な標準フェイスのイメージ……ほら、普通な顔立ちなのに良くモテるタイプ?


三郎丸のお爺は白髪のナイスミドルなダンディー爺さん


我等が主人公は黒髪紫目の魔性イケメン……主人公は得てして美しい物なのサ(持論)



作者の癖語りも程々に、次回は銀髪剣乙女ニノちゃんと、銀髪美少女暗殺者ジャックちゃんの乙女の勝負……。


四人中三人に愛されてる(殺意100%)ハデスはモテモテですねぇ?

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