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Deadman・Fantasia〜死霊術師の悪役道〜  作者: 泥陀羅没地
第六章:盲信は鏖殺に帰す
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白き美しき愚神、黒き悍ましき悪魔①

「アーサー……?」


三人が困惑を漏らす……そうだろう、端から見ればアレだけの重体だった男が、治った様子でもなく、楽々と立ち上がっているのだから……。


「否、コレはアーサーでは無い……世界の均衡を保つ存在、善を統べる者、悪神の対……そして、己の責務を放棄した〝ロクデナシ〟だ」

「戯言を…私は人を守護する、其の為に彼等を呼んだ、悪神が送り込んだ破壊の種を駆除する為に」


アーサー……いや、善神が憎悪の眼差しを向ける……ふむ。


「アーサー……お前が力を与え人形の身体を一時的に借りたのか……〝神降ろし〟とでも言うべきか、本来の力よりも遥かに劣るらしい」


十分の一か、百分の一か……いや、或いは千か……?


「何れにしろ殺る事は変わるまい……それに……クックッ……ある意味では都合の良い事だ♪」


――ドッ――


「ッ……」

「お前を全力でぶん殴れる、またとない機会だな♪」


――ズズズッ――


「「「ッ!?」」」

「すまないな悪夢狩り、処刑人とその相棒よ、本当に口惜しいがお前達とのゲームは持ち越しだ、悪いな」


影で囲み、三人諸共適当な位置に転移させる。


「さぁ、此処にはもう誰も居ないぞ……アーサーもどうせ聞こえてないだろう、さっさと化けの皮を剥がせよ〝善の〟」

「その不愉快な呼び方を控えろ、クソ悪魔」

「ッハ!……オイオイ善の神サマが随分と口汚いじゃないか♪……もう少しお淑やかにしたまえよ……神だろう?」


――ギィンッ――


「悪魔風情が」

「その悪魔風情にここまで言われる情けない神様が居るらしいな?……ケヒャッヒャヒャヒャッ♪」


善神が剣を振るう……フフフッ♪


「流石は神、尋常成らざる膂力だ……コレでは打ち負けてしまうか――何てな?」

「――!?…馬鹿なッ」


ハデスと善神が剣を競り合う……一見、善神がハデスに押し勝っていたように見えた……だが、それを否定する様にハデスが剣を押し込んで行く。


「如何に神と言えども、器を用いて顕現する以上その力は器によって制限を受ける……当たり前だ、そのまま本人降臨すると世界がねじ曲がりかねん……それすらも忘れたか愚神」

「クッ……知った風な口をッ」

「そりゃ〝器と受肉〟、〝死と隷属〟の術理は俺の十八番だ、当然それらも調べ尽くしてるとも」

「チッ」


――パチンッ――


善神が舌打ちと共に指を鳴らすと、空を光の剣が無数に現れ、俺を囲む。


「〝悪滅〟」


言葉と共に牙を剥く剣の群れ……だが生憎と、それは〝見慣れて〟いる。


――パチンッ――


「〝聖鏖〟」


光の刃を大地から闇の刃が掻き消していく、その光景を善神が顔を歪めて見ていた。


「小手先を処理するには役立つが、これならプロフェスのが万倍……いや兆倍マシだな」


――ギィンッ――


「で?……次はどんな小細工だ?」


冷たい眼で、善神を見据えるハデス……それに対し、善神の顔が見る見る赤くなる。


「この私の、神の裁きが小細工だと?」

「……はぁ?」

「巫山戯るなよクソ悪魔ァァッ!?」


そして、駆ける……いやそれは最早瞬間移動と言っても差し支えのない速度で。


――ギィンッ、ギィンギィンギィンッ――


「何故私の思い通りにならないッ、世界の全ては私が管理するべきだろうッ、何故どいつもこいつも邪魔ばかりするッ!?」

「………」

「彼奴も、世界も、私よりも弱い癖に――」

「五月蝿え」


――ゴスッ――


「ブ――ッ!?」


血管が浮き出るまで騒ぐ善神の顔を思いっ切りぶん殴る……ふむ、意外とスッキリ。


「耳元で騒ぐな愚神……〝下らん戯言〟は聞くに耐えん」

「戯言だとッ――」

「戯言だろうが、クソガキ」


瓦礫から這い出る善神を見据えながら言葉を吐く……。 


「思い通りにならなければ癇癪を起こし、騒ぎ立て暴れて盤面を滅茶苦茶にする……それをさも当然の様に騒ぐそれが戯言だって言ってるんだよ阿呆」

「黙――」

「黙るのはお前だ下郎が、お前は餓鬼だ、力だけを持った餓鬼、何一つ成長しない、下らないつまらない、無用物だ」


――ギィンッ――


「どうしたカミサマ、ほら立てよ、人を従える者なのだろう?世界を廻す者なのだろう、悪魔風情に何を梃子摺っている、ほら立てよ……立て」


おいどうしたよ、何を動揺している?


「どうした……〝揺らいでいる〟ぞ?……恐れたか?…悪魔風情とほざく癖に、さぁ、まだやれるだろう、起きろ、起きねば――」


――ゾワッ――


「――ッ!?」

「死ぬぞ?」


――パチンッ――


善神を空へ放り投げ指を鳴らす……それと同時に、大地から、空から、横から縦から斜めから、全ての方位から剣の群れが善神を狙う。


(さぁどうする、このまま死んで消えるか?)

「―――〝神器……顕現〟」

「ッほぉ!」


声を拾った……腐れた声を、吐き気とする声を……その言霊が空を這うと同時に、アーサーの剣が白く……〝燃える〟。


「〝神器:善ヲ拝スル焔ノ剣(アフラーマ)〟」


それは美しい焔だった、白い清き火花の迸る、剣を模しただけの焔。


溢れんばかりの……〝反吐の出る〟力の塊。


「フハッ♪……コレばかりは模倣出来んなあッ!」


「燃えよ、滅びろ、塵と化せ……〝悪魔〟」


――ゴォォォッ――


空より、白い焔が俺へ迫る……さて。


「〝神の力〟……味見としよう」


――ジュゥッ――


焔に触れる……右腕が焼ける、痛み、熱、そして俺の力を消そうとする感覚……。


「炎と聖属性の混合神器……上位の不死者なら塵に出来るな、魔物でも炎と聖属性に耐性が無ければ、間違い無く重傷だな」


俺を殺す……その点でも、これ以上無い程、効果的な兵器だが。


「……他には?」

「……何?」

「他にはコレをどう使う、この程度で終わりか愚神」

「強がりを……」

「……あっそ」


……ハァ……ツマンネ〜。


「腐っても神、この程度の力は有る……が、うん、やっぱお前はつまらんな、アーサーと同じだ、下らん塵だな」


――ゴォォォッ――


「生まれ持って得た、何の手垢もない力……普通なら十分だ、だろうとも、神であるならばそうだろう……だが、それでは〝俺〟を殺せない」


面白くない死に方を、俺が認めるか、愉しくない負けを俺は認めない。


「殺すのは〝勇者〟だ、進み、生み出し、作り変える、己の意思を曲げぬ、己の在り方を貫く……其の為に如何な犠牲をも厭わぬ者にこそ、〝化物〟を淘汰する権利は与えられる」


故に……俺はお前を認めない。


「教えてやろう……〝善を騙る者〟……お前が排し、滅ぼし、否定しようとする者の、在り方を」


手を翳す、空に光る屍肉の月へ。


「〝偽りの教典、十二の天輪、死を担う者〟」


〝屍月〟……空を覆う偽りの月……その力は力の〝吸引と貯蔵〟、死んだ者から瘴気を吸い出し、溜め込む……そして、所有者の言葉によって能力を解放する。


「〝魂を狩る鎌、死への導き手、神忠の堕天〟」


ソレは最も忠実な神の子、そして……最も神を愛した〝堕天使〟。


「〝月の支配者、血涙の慟哭者〟」


「"汝の罪を推し量り、咎を以て罰死を与えん"」

「〝天の翼、反天……死天〟」


――ドパァッ――


空から落ちる、紅い血が、俺を、大地を染める……ソレは俺を中心に渦巻き、そして俺の身体に染み込んでいく。


「〝死鎌ノ(ノスフェラトゥ)堕天使(:サリエル)〟」


人骨の翼をバキバキと伸ばしながら、ソレは赤黒い大鎌を肩に乗せ、血涙を流しながら善神を睥睨する。


「さぁ善神、お前の罪を数えろ」


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― 新着の感想 ―
[一言] 癖癖の癖 主人公への共感が凄い 力を持っただけの奴は要らないんだよ。己を貫き通す芯の強さがイイんだよ 好きだわ~
[良い点] W?!ここは風都だったか、、、、
[一言] 仮面ライダーも元々悪の技術から生まれたとはいえそれの名台詞をいうとはなぁ
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