93 優しさ
「ねえ、ちょっといい?」
部室に向かっている最中にそう声をかけられた。
声をかけたのはリリムさんだ。
あれ? リリムさんが話しかけてくれるのって珍しいなぁ……
そう思っているとリリムさんは周りに誰もいないのを確認すると……
「今日、1限目サボったでしょ?」
「え」
そんなことを言ってきた。
いや、事実なんだけど……なぜバレた!?
私は急に図星をつかれて動揺してしまう。
……この学校でサボりは普通にヤバイよね……
そう思っているとリリムさんは慌ててフォローを始めた。
「あ、いや別に責めてる訳じゃないよ。私もよくサボるし」
「え、じゃあなんで?」
「いや、珍しいなぁって。なんかあった? 私でよければ話聞くよ」
「……場所、変えてもいいですか?」
私は初めての感情に混乱していたり、不安だったりしていたので、その優しさがすごく嬉しくて、甘えさせてもらうことにした。
私の場所変えの希望もリリムさんは嫌な顔せずにオッケーしてくれて、人のいない場所へと連れて行ってくれた。
ここで私は思いっきり想いを吐き出すのだった。
ここまで読んでいただきありがとうございました!
次回もお楽しみ!!




