表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
197/225

扱いとしては?

「・・・・・・ちょっとまって?え?何?」

「そう反応しますよね」


 ライたちからの説明を受け、ギルドマスターのアーガレストは目を点にして聞き直した。


「紅桜・・・あの小刀が人になりました」

「どうも、拙者紅桜でござる」

「・・・・はい?」


 さすがと言うか、ギルドマスターだけあって、大声で驚くようなことはないようである。


 ・・・ものすごく驚いているようだけどね。



「武器が人にって・・・・・なんじゃそりゃ?」

「それが正しい反応ですよね」




 とりあえず落ち着いてもらう。


「はあっ・・・ライ君たちのところは本当に奇想天外なことが起きるよね。もうとんでもない事ばかり起こすし・・」


 頭を抱えるギルドマスター。


 うん、なんかすいません。でもなぜか謝らなくてもいいような気がしてくるのはなぜだろうか・・・・



「拙者っていると何か問題でもあるのでござろうか?主様や」

「いや、特にあるわけでもないと言いたい・・・・な」


 その言い方からして、何か厄介そうな問題があるようなのが分かる。



「いやね、信じがたいけど・・・とりあえずまずはその人の姿と剣の姿を行き来できるのか?」

「その通りでござる。刮目せよ!!」


 そう紅桜が言って、両手を合わせて何か形を結ぶ。


「忍法!!・・・と言うわけでもござらぬが元の姿へ!!」


ドロン!


 煙が立ち、すぐに晴れたと思ったら、そこにあったのは元の小刀の姿をした紅桜であった。



「・・・まじで紅桜だったのか」

「この姿でもしゃべることは可能でござるよ」


・・・刀から声が聞こえてきたけど、物凄く違和感があるな。



 再びドロンと煙がたって、すぐに人の姿へと戻った。


「この通り、いついかなる時でも変幻自在でござる」

「こうして目のあたりにすると、本当に武器が人になったのかと納得がいくけど・・・・これはこれで厄介ごとがありそうだよ」

「考えられるのとしては?」

「・・・独身の方々が武器屋に求めに行って、下手すると武器不足になる可能性」


 その言葉に、なんとなく納得がいった。



 武器が人の姿に・・・紅桜もこの人の姿は美しい方だから、求める人は求めるであろう。


 でも・・・


「もともと紅桜って呪いの武器ですけど」

「主となるお方を求めて呪い殺してただけでござる」


 改めて聞くと結構物騒な刀でもあるのだ。


 それで、紅桜の様なのを入手するために呪いの品を買う人がいるだろうか?


「いるだろうね・・・・まあ、基本的に恐ろしいほどの馬鹿とかになるだろうけど・・・」


 

 まあ、なってしまったものは仕方がない。



「あとは自己責任の形になるだろうしな・・・・とにもかくにも、他にも問題があるように思えるけどね」

「他に何かあったかな?」

「いや、ライ君たち3日前の君らの家への襲撃を忘れてないか?」

「あ、ビウイン教の事でしたね」

「それでしたら、すでに大丈夫なはずデス」

「「え?」」


 ワゼがいきなりそう言ったので、僕らはワゼの方を向いた。


「ご主人様が呪いの方で忙しくしている間に、少々こちらで手回しをさせてもらい、おそらくですが今後彼らからのコンタクトや面倒ごとはないかと思われマス」

「手回しって・・・・何をしたの?」

「そりゃもう、色々とデス」


 ワゼがにっこりとほほ笑んだけど、どことなく怖ろしいものを感じたよ・・・・。いや本当にいつの間にと言う感じだし、何をやったのだろうか・・・・・聞くのが怖い。



 ビウイン教の件はもうワゼによって解決しているんだろうけど、このメイドがちょっと怖く思えた。



「まあ、とりあえずは大体の懸案は済んだようだし、よかったんじゃないかな・・・・」


 ギルドマスターもワゼのこの発言に苦笑いである。


「さてと、とりあえずだが紅桜のことだが・・・・ギルドから言わせてもらえば、普通に武器登録程度で良いと思えるな。もともとは普通の小刀だろ?モンスターであるならば新規従魔登録だけど、元がただの呪われた武器ならその程度でいいはずさ」

「普通の呪われた武器って言い方はおかしいような気がしますけどね・・・・」




 とにもかくにも、一応武器登録程度で本当に済むようであった。


 これで、まあとりあえずこれから僕らの仲間に、紅桜が正式に加わったのであった。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

・・・・・その夜。


 寝ているライの部屋の扉があき、廊下から入る人影があった。


「ふっふっふっふ・・・主様の夜伽もその配下である拙者の務め。深夜にこんばんわでござ」

「・・・・何をしようとしているのですかね」

「!?」


 紅桜の首元に、一本の超極細の糸が当てられた。


 首に少し食い込み、切り裂けることを意味しているかのようである。


 そして後ろからは超・殺気を感じさせるような声がしていた。


 振り返ると、そこには恐ろしく冷たい表情をしたハクロの姿があった。


「は、ハクロ殿!?拙者はただその配下としての務めを」

「・・・いったんその考えをたたき直してあげましょうか?」


 紅桜は悟った。


 「やっちまった」と・・・・・・・・・・




 部屋から二人はライを起こさないように出た後、地下室にて防音処理がされていたので外には聞こえなかったが、断末魔が上がったという・・・・・。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


翌日。



「あれ?紅桜が小刀の状態だね」

「ライ様、おそらく1週間ほどはその状態ですよ。なんでも元の人の姿に回復するまでに時間がかかるのだとか」

「ん?何か大怪我でもしたのか?」

「いえいえ、トラウマが少々増えただけですって」


 ハクロがにこやかに言うけど、なにがあったのだろうか?


 

そろそろ人物まとめを出すころ合いかな。

増えてくるとまとめておかねばいけないからね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ