呪い期限最終日:前編
今回は短め
「今日が呪いの3日目か・・・」
「3日以内の死・・・・つまり、ここを乗り越えれば大丈夫なはずです!」
紅桜を所持して3日目、ついに呪いの最終期限となった。
今日を乗り越えさえすれば、死ぬことはなさそうである。
そのため、全員の気合がまるで目に見えるかのような状態となっていた。
すごい・・・なんかこう気迫が実体化しているようにも見えるよ・・・・
「とはいっても、3日以内に死んでいるのであって、3日以上続く可能性はないんですかね?」
「それは無さそうデス。確定して3日以内なのは調べがついてますノデ」
となると、やはり今晩までが勝負であろう。
「今晩ばかりは、主殿にも眠らずに起きてもらう方がよさそうじゃな・・・・・・」
「眠らずに注意をしっかりしろってことか」
「一応睡眠薬の逆の不眠薬があるのじゃが、それを寝る前に処方するのじゃ」
まあ、そこまでのこの昼間の間も全員が僕の周囲をがっちりとガードしていた。
紅桜は腰の方に装備された状態であり、離してもいつの間にかついているのでどうにもできないのでこの際付けたままにしている。
一応今日一日は全員臨戦態勢で家にこもることにしたけど・・・・
「・・・・身動き取れない」
「ライ様を守るためですからね」
「・・・仕方がないことです」
「精霊たちも心なしか、万全の体制で集まっているようですしね」
周りを固められて、もう完全にやりすぎなような気がする・・・・
「あれ?そういえばワゼは?」
ふと、ワゼの姿が見えないことに気が付いた。
「ワゼなら先ほどちょっと用事があるから出かけたようじゃ」
「にこやかな顔で『ゴミ掃除デス』と言っていたでありますな。少々時間がかかるそうであります」
ゴミ掃除か・・・・あれ?でも確かゴミは3日ほど前に出しに行ったような記憶があるけど・・・まあ、あのメイドの好きにさせたほうが良いかもしれない。
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「ここですね、情報は合ってますカ?」
「ハイ」
ワゼは目立たないフードを深くかぶり、小さな自分の分身ともいえるミニワゼに確認を取っていた。
現在、彼女がいるのは宗教国ビウインにある改革派本拠地とされる聖堂。
きれいなことを述べるビウイン教にふさわしくないようなごってごてのきらびやかな装飾で飾られており、改革派も充分腐りきっているのがワゼ目には見えた。
「さて、あの襲撃者たちの情報を集めたらここにたどり着くのは大体予想できてましたネ」
ガチャッと自身の変形させて機関銃を装備した右腕に弾を装填する。
「ご主人様は現在紅桜の呪いの面倒ごとに巻き込まれている最中であり、ここからの邪魔が来るとめんどくさいことになるですネ」
ミニワゼたちが入手した情報によると、またここからのちょっかいが来るらしい。
「面倒ごとが来る前に、排除したほうが良いでしょウ」
にこやかな笑みを・・・・いや、見る者が見れば恐怖を感じさせるような笑みをワゼは浮かべ、左腕を変形させた大砲で一気に攻撃を仕掛けるのであった・・・・・
たまに思うけど、これって従魔たちよりもワゼが最強な気がしてきた。
魔道具なので、壊れるということ以外では死ぬという概念もなく、魔力の供給さえあればいくらでも動き、超火力を持ち、しかも万能メイド・・・・・裏の主人公?メイドって何だっけ?




