ちょいと時間は戻りまして
今年最後の魔物使いの投稿です!!
来年もよろしくお願いいたします!!
SIDE従魔&ルミナス
ライたちが武器屋にいるころ、家では各々が好きなように過ごしていた。
「ウミュ、次コレ読ンデー」
「えっと、これね。昔々、あるところに・・」
ロウはルミナスに絵本を読んでもらっていた。
ルミナスの方は、ロウの世話をするのは嫌ではない。
ロウはライの従魔であるのだが、こうして世話すると・・・・モンスターと言うよりも年相応の子供のようにしか思えない。
「ふむ・・・この材料と、この材料で・・・脱毛薬かのぅ」
アルテミスは最新の薬学書を読んで、自身の知識に新たな薬品を加えていく。
「この辺がツボですかいな?」
「あー・・・もう少し上でありますな」
スルトはミアンにツボ押しマッサージをしていたが、体の構造は人とは違うのでちょっとツボが押しにくい。ハクロの時は快感のところとかが人と近かったのだが、モンスターによっては差があるようであった。
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SIDE襲撃者たち
「ここか、ターゲットの家とやらは」
その時、ライの自宅の周囲に不審な人物たちが集まっていた。その人数は6人ほどであるが、誰もが不安げな顔を浮かべていた。
「この家にいる魔物使いを襲えでしたっけ?」
「ああ、適当に襲撃して、すぐに逃げるって感じだな。どこが襲ってきたのかわかるように自然と証拠を残さなければいけないらしいが」
「偽装工作を行うだけですし、さっさと怪我しないうちに帰りましょうや。この家にいる従魔たちの実力ってやばいって聞きますっすよ」
「まあ、所詮は女子供ばかりだ。大丈夫だろう」
そう言い、彼らは襲撃をかけようとしていた。
しかし、そのすぐ後に彼らは早くも後悔する羽目になった・・・・・・
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SIDE従魔&ルミナス
「・・・・・ん?」
「どうしたんや?」
ミアンがふと何かに気が付いたように起き上ったので、マッサージをしていたスルトは尋ねた。
「いや、ライ殿の不在中なこの時に、何者かが接近しているでありますな」
「何者かが?」
「まあ、ほっといていいでありますかな。どうせ、警備は突破できないであります」
少し考えてすぐに、ミアンはまたマッサージのために横になった。
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SIDE襲撃者たち
「それぞれA、B、Cの3つの班に分かれて襲撃するぞ」
「A班は正面、B班は屋根、C班は裏口からだ!」
襲撃者たちはそれぞれの役割を分担し、いつでも素早く逃げられるように入念に足腰のストレッチをして健闘を祈った。
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SIDE A班
「しかし・・・正面から堂々と襲撃ってありなんですかね?」
「ありっす。こういう正面からまさか襲ってくるとは考えないはずっすよ」
A班に配属されたのは、若い二人の襲撃者たちであった。
彼らはそれぞれの武器を構えて、正面の扉前に立つ。
「それじゃ、扉を蹴破って襲撃をし、」
「何をしようとしているのですかね?」
「「へ?」」
いきなり背後から声が聞こえたので二人が振り返ると・・・
「ウミュ、変ナ人タチダー」
「いいえ、こういうのは不審者と言うのよ」
・・・弓矢を構えて二人を狙うダークエルフの女性と、可愛い感じのスライムの少女がそこにいた。
「ライの留守中にこういう輩は着たら困るんですからね」
「ちょっと!?」
「まだ何もしてないっすよ!?」
「問答無用ダッケ?」
スライムの少女がかわいらしい笑顔を向けながら、一人を飲みこみ、もう一人は弓矢で撃ち抜かれたのであった。
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SIDE B班
「こういう屋根から侵入したほうが襲撃に楽だろ?いざとなったら飛び降りて逃げればいいんだよ」
「流石兄気ですぜい!!」
「いや、兄貴じゃなくて今はB班のリーダーと呼べ!!」
ちょっと頭の悪そうな二人組がわざわざ壁を登って、屋根の上にいた。
ここからとりあえず、一人が持つ斧で屋根から突gふぇきしようとする魂胆である。
「では!一気にぶっ壊すぜぃ!!」
「ほう、何をじゃ?」
「決まっているぜい!!この屋根を壊して中に襲撃を・・・ん?」
背後から聞こえてきた声に二人が振り向くと・・・・
「ならば、それ相応の覚悟を持ってここに来たというわけじゃな?}
何かの薬品が詰まった瓶をそれぞれの足に括り付けてるスキュラの姿がそこにあった。
「うわっつ!?」
「この家にいるという従魔の一体か!!」
すばやく二人は距離を取った。
さすがに音もなく背後に忍び寄られたのには驚いたが、ここは屋根の上であり、足場が悪い。
足が多いスキュラにとっては不利な場所かと思ったので素早く動いたのである。
「いや、そりゃ偏見じゃよ」
「「はい!?」」
なんと吸盤を利用して落ちないようにペタペタペタと、しかも早く移動して迫ってきた。
「杖でタコだけにタコ殴りじゃ!」
「「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!」」
嗜虐的な笑みを浮かべて、その足に巻き付けていた杖で・・・・・
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SIDE C班
「裏口からの方がやりやすそうだな・・・」
「やっぱこういうのは正面ばかり厚くて、裏の方がやりやすいからな・・・」
C班に回っていた2人組は、この6人の襲撃者の中でも最も経験豊富な二人であった。
「気が付かれないように侵入し、手近な人物を取りあえず背後から眠り薬を嗅がせたうえで拘束だ」
「一気にやって反撃の手段も与えない様にすればいいだろう」
そろりそろりと裏口の方から彼らは侵入した。
「案外簡単にピッキングが成功したな」
「鍵の性能が悪かったんだろうな」
あっさりと侵入できたことに、彼らはほっとしていた。
しかし、ここで気が付くべきだったのである。ここまで簡単に侵入できるというのは甘い事だったと・・。
ずびゅり
「ん?」
「今妙な音が・・・・」
変な音がしたので、彼らが足元を見ると・・・・床にめり込んでいた。
「「!?」」
慌てて引っこ抜こうとしたが、両足ともなぜかぴっちりとめり込んでいてぬけない。
「しまった!これは罠だ!!」
「こんな罠があるのかよ!!」
何とか引き抜こうとして、彼らは足を引っ張ると急に抜けた。
勢いよくそのまま後ろに倒れ込んで・・・
ずぶびゅり
「うおっつ!?」
「背中までかよ!?」
今度は背中までがくっついてしまった。
「『不審者ホイホイシステム』の動作は良好デスネ」
「ちょっと発動までに時間がかかるのが難点でしょうカ?」
「改良をすればいいのですヨ」
「「な、なんだ!?」」
二人とも混乱した。
なぜなら目の前に同じ格好の小さいメイドが何人も出てきたのである。
「不審人物対処部隊」
「『ミニワゼチームX』デス」
「というわけで、そのまま拘束させていただきマス」
・・・・まあ、彼らは幸運なほうであっただろう。怪我をせずに、拘束されただけであったから・・・・ただし、床からはがす際に後頭部の毛が全部抜けたが。
A班・・・・矢が体中ブスリ、一部スライムに溶かされる
B班・・・・顔面見えねぇ状態までぼっこぼこ
C班・・・・後頭部禿げ以外は無傷
被害としてましなのはどれかな?来年もどうぞよろしく!!




