襲撃?
本日2話目短め
「紅桜」
呪いの武器と呼ばれる小刀。その鞘は桜を印象付けるかのような華やかさがあり、刀身の切れ味は鉄ですら一刀両断。しかし、持ち主は購入後3日以内に死ぬ呪いがあるらしい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「普通に物凄くやばい奴じゃん・・・」
手元に持ちながら、店主から受けた説明をライは思い出していた。
「普通に受け取り拒否というか、刀自体がライ様から離れませんからね・・・・」
店の棚に戻して、出ようとしたらいつのまにかくっ付いていて繰り返しても結果は同じだった。
店主曰く、刀に見込まれた可能性があるし、今回は料金を取らないという事らしい。
「とは言われてもね・・・死因もな」
どうやら、これまでの持ち主は紅桜に刺されて死んでいた。
指紋もなく、まさに刀その物に刺されて死んでいるようなのである。
「紅桜自体を私の糸で3日間拘束して乗り切って見るという方法がありましたけど・・・・あの様子じゃ無理ですね」
「解析不可能。呪いは私の対象外デス」
ワゼも匙を投げるレベルのモノであった。
「・・・・ふと思ったけどさ、魔物使いが死んだときってその従魔たちってどうなるの?」
これで仮に僕が死んだとしたら、ハクロたちはどうなるのだろうか?
「従魔が存命中に、その主である魔物使いが死去した場合は従魔契約が切れてしまい、従魔は野生に還ることになるか・・・・もしくは主と共に逝きマス」
ワゼがその疑問を答えた。
前者は普通にある事らしいが、後者はめったにないらしい。
従魔とのつながりが深ければ深いほど後者のようになるそうだ。
「まあ、そうなるのはわかりますかね。一度仕えた主には死してなお仕えたいと思えばそうなりますもんね」
ハクロがそうつぶやくと、ヤタやツバキがうんうんとうなずいた。
・・・空気が重いなぁ。
この雰囲気をどうしようかと思っていた時であった。
「ン?ミニワゼからの通信が入りまシタ」
ふとワゼの耳がピクッとしてミニワゼからの連絡を受信したようである。
何かあった時のために、やや天候に左右されやすいという欠点を除いて通信が可能なミニワゼは家中にある。
「ミニワゼから何が?」
「えっと・・・・襲撃者だそうデス」
「「「「襲撃者!?」」」」
その連絡には驚いた。
襲撃された事よりも、襲撃してきた人たちがいたことである。
何せ、今家にいるのはルミナス、アルテミス、ミアン、エリー、スルトたちであり、下手すると過剰防衛になりかねない。
精霊魔法使い、神獣種族、めっちゃ固いミミック、怪力&電撃の塊だからね・・・・。
聞いてみると、どうやら案の定やりすぎみたいな状態で、現在縛り上げに成功したらしい。
とりあえず僕らは家に向かって走るのであった・・・・。どっちかと言うと襲撃者の身の安全を思いながら。
・・・・だってね、本当に命知らずだと思えるもん。ミアンが特にやばいでしょ。
見た目から判断される場合もあるからね。実力をよく見ないのはバカがやりそうな気がする・・・・




