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武器屋って初めてな気がする

武器屋を書くのは初めてなのかもしれない。

 翌日、ライたちは全員にちょうどいい武器がないか探すため、ザストにある武器屋に向かった。



「ここだね、『武器屋モンドラン』というのは」


 やや大きめの建物で、中にはさまざまな武器が陳列されていた。


 この武器屋は辺境都市ザストにある武器屋の中でもかなりの信用性が高いらしい。


 そこそこ値段は張るが、性能はその値段に見合っているものだとか。



「・・・いらっしゃい」


 店主は立派なひげを蓄えたドワーフ・・・ではなく、モンドランと言う名の人間だった。


 ドワーフの血を引いているとかそうではなく、見た目がなぜかそれに似ているのだとか。


 ぶっきらぼうな応対だが、腕もよく悪い噂を聞かない、いわば凄腕の頑固職人おっさんって感じだ。


 店内にはほかの冒険者たちもおり、この店の品を買おうか迷っているっぽい。


「一応予算としてはどのぐらいまで可能かな」

「この店はちょっと変わっているんですよネ」


 あらかじめ調べてきたワゼが説明してくれる。


 この店にある武器は星クラスという分け方をしていて、その星1つ違うだけで値段も性能もかなり違うらしい。


 最大5つに分かれていて、1が激安ぼろい性能、5が超高級超高性能と差がかなりあった。


「今回買う予定なのは、ハクロ、ヤタ、リーゼ、ツバキの4人分ですよネ。あと、ご主人様もですよネ?」



ロウはスライムなので取り込んだりする攻撃などがあって元から武器がいらない。


アルテミスとミアンは杖の買い替えを検討をしてはいるが、こちらも杖専門店の方が安いらしくて今回は辞退。


エリーはミミック時で戦闘に加わるのでいらない。


スルトは鉄扇と言う武器があって、金棒もどうかと思ったけど扱いにくくて要らない。



 それで本人の希望などを考えて、この4人(体?)分の武器の購入をすることにしているのだ。ついでに僕のナイフも買い替えするつもりだ。


「私は普通にライ様のみたいなナイフですかね。糸で投げても戻せるようにしたりとかありますし」


「・・・・足用のかぎ爪がある靴みたいなのを。素足よりも切れ味がよさそう」


「鎧かな。人化を解除しての時でも十分だけど、まずは防御をしっかりとしたい」

「ハクロの糸が織り込まれた服でも十分な防御力がないっけ?」

「どっちかと言うと、兜みたいなのが欲しいだけでもある。頭の防御はいる」


「私は・・・籠手ね」

「あれ?ツバキが求める武器ってなんか意外なものだね」


てっきり剣とか似合いそうな気がしたんだけど・・・・・うん、持っている姿を考えるとなんか怖いような気がするね。


「一応籠手の役割は腕の防御よ」


 服の方は、ハクロの糸が織り込まれているからいいが、露出個所の防御のためだけらしい。


 あと、冷気を纏って殴るという単純な方法も考えているのだとか。



 まあ、一応各メンバーは決まっているので、今回購入予定のないロウ、アルテミス、ミアン、エリー、スルトは留守番をしている。ワゼがいるのは彼女も一応何か欲しいのだとか。


 メイドが武器を持つのはどうなのだろうか?というか何を購入したいのだろうか。




 とりあえず、店内の武器を見てみることにした。


「うーん、このハンマーとかは面白そうだけどね」

「星4クラス、持ち主の負荷軽減、体力回復の付与がされている魔道具(マジックアイテム)タイプですネ。ですが、その分やや粗いかと」


「ナイフだけでも結構な数がありますね・・・・投げナイフ、ペーパーナイフ・・・これって役に立つのでしょうか?」

「紙ゆえに使い捨てですが、値段の安さから使いやすそうデス」


「シャゲゲゲゲゲゲゲッゲゲゲゲ!!」

「なんか意味不明に叫んでいる武器がある!?」

「その辺は呪われているシリーズですネ」


 呪われている物って出したらまずいんじゃ?めっちゃ厳重に鎖で固定されていて、しかも丁寧に何の呪いの効果があるのかまで書かれている。


「・・・呪い系統の武器は高性能な分、何かしらの呪いが襲い掛かってくるという値段の安さの反面、ハイリスクなものだったはず」


 値段は確かに他の武器より安いけど、この呪いの一角は嫌だな・・・・。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 


・・・・その武器は求めていた。


 自身は呪われた武器だと言われ、持ち主の手を転々と変えて、今ではそこに収まっていた。


 周りの他の武器に紛れて、ひっそりと息をひそめて自身にふさわしい人を探す。


 確かめ、自身を使うに値とする人ならば仕えよう。


 けれども、値しない人だったら・・・・呪い殺す。



 しかし人の手に渡り続け、呪い殺し続けたその武器は未だに求める主をさがせなかった。


 求めているのはわかるのだが、納得できそうな主がいない。




 けど、今日はなんとなくだが主にふさわしそうな人を見つけた。


 しかし、どうやら彼はこちらに近づく気はない。


 主となりそうな人を見つけたのに、このままでは手に取られることなく去られてしまう。


 その武器は考える。


 どうすれば、その主にふさわしそうな人のもとに流れることができるのか・・・・

フラグその1

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