今さらながら
本日2話目
あまり語られない戦い方の見直しついでの話です
ギルドがどうやら修理のために3日間ほど休業するようなので、ライたちはせっかくだから戦闘方法の見直しをすることにした。
今までの戦法もあるのだが、ハクロが蜘蛛の部分を失ってほぼ人と同じような姿になったこともあり、変更を余儀なくされているものがあるのだ。
「ハクロの背中に乗って指示をしていたけど、それができないからね」
「普通に立って支持するライ殿の周囲を守っていく感じでありますな」
魔物使いは従魔に指示を飛ばし、実行させていくのが主な戦い方である。
中には自身の魔物と共に突撃していく人もいるそうだが、ライの戦闘力ははっきり言って護身用のナイフ程度のモノしかない。
これまではハクロの背中に乗ることによって、機動力と守備力があったのだが、従来の魔物使いの戦い方に変更をせざるを得ないのだ。
ミアンの下半身のドラゴンの部分に乗ってということも可能だが、乗りにくかったので断念。
ヤタに掴んでもらって空中からと言うことはできるが、洞窟での戦闘も考えて改善する必要があった。
というか、ライの立場はこのメンバーのリーダーでもあるので、メンバーのルミナスにも指示を出す。
従来通りの魔物使いの戦い方をするには、まずライの周囲を固める必要がある。
「防御能力でずば抜けているのはエリーだけど、前衛の役割があるからな」
エリーはミミックの姿の時、脅威の耐久力を誇る。
前衛に出て、敵の攻撃を受け止めてその硬度で反撃するという手段がある。
ミアンに巻き付いてもらって、ハンマーのように振り下ろして叩きつけてもらうという攻撃もあるのだ。
なので、ジャックの周囲を守るのは後衛になるハクロやアルテミス、リーゼ、ルミナスたちがなる。
ツバキも雪女である彼女の攻撃方法は氷魔法に近いものもあるので後衛へと回りがちだが、全力を出す際には先頭に立ってもらう必要がある時があるのだ。
・・・猛吹雪の攻撃の巻き添えにはなりたくないじゃん。凄まじいのはもうわかっているんだよ。
前衛はミアン、スルト、エリー、ロウ、ヤタが出るが、スルトはマッサージ屋の仕事を受け持っているため、加わるのは余りないだろう。
ロウの場合、前衛に向いてないと思われがちだけどスライムのその体を生かしたトリッキーな攻撃があるからね。
体当たりはまあ普通だが、取り込んで溺死させたりとかしたりなど、相手にとって恐怖の攻撃手段が多い。
ミアンはラミア・ドラゴンで幻術魔法や他の魔法を使うから後衛になるかもしれないが、魔法無しでの戦闘力が非常に高い。
たたきつけ、締め上げ、投げ飛ばし、杖で殴り・・・・・神獣種と言われるだけあって能力高いな。
ヤタは大空からの攻撃で、相手に対空手段がなければほぼ負けはしない。
「大体、討伐時の戦闘方法はこんなメンツで大丈夫かな?」
「戦闘方を改めて見直すと、全員の能力を生かす方法はまだありそうですよね」
「杖だけじゃなくて、ハンマーも持ってみたいでありますな」
・・・ミアンがハンマーを振り回すって、相当危険な未来しか見えないんだけど。
「そういえばさ、冒険者業を始めて今年で2年目になるけど今更ながら気が付いたことが」
「ん?なにかありましたっけ?」
「ルミナスは弓矢、アルテミスとミアンは杖、スルトは鉄扇という武器があるけど、他の皆は武器を装備したことがないよね?」
「「「「あ」」」」
・・・・一応、従魔の中でも武器を持てるなら持たせる魔物使いがいるそうだ。
いつまでも素手で戦うってわけにもいかないし、今はランクAにまで上がっているので討伐依頼を受けやすくなって、その分素手での相手は厳しい場合がある。
なので、この際全員で武器屋に向かい、武器を買ってみることにしたのであった。
武器ねぇ・・・・だれがどの武器と言うのが良いのかな。
ハクロ、ヤタ、ロウ、リーゼ、エリー、ツバキが武器無し組かな。
武器無くてもかなりの強さだけど・・・・




