久々の銭湯
ちょいと本編はずれ気味の話
「ふぃ~・・・・・」
現在、ライたちは依頼を終えギルドで達成報酬をもらった後、全員で今年初の銭湯に訪れていた。
ザストの銭湯は一応除き対策がしっかりされていて、安全性が実は物凄く高い場所としても有名である。
「あ~~~~~」
まだ時間が時間なのか、客がだれもいないので広々とした風呂にライはゆっくりと浸かっていた。
女湯の方からは、ハクロたちの話し声が聞こえるけどね。
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SIDE女湯
「あ~~~~、こうして浸かると気持ちがいいですよね」
「・・・・風呂は至高のもの」
「ゆでだこにならぬよう注意はいるがのぅ」
こちらでは、ハクロたちは皆女湯の方でゆったりとしていた。
・・・この銭湯、女湯の方が男湯よりも広々としているのだが、密度的には男湯と変わらない状態である。
「足を延ばしてっていうのがいいですね・・・・蜘蛛の足時代はこうはいきませんでしたよ。足がこうなったのはいいことです」
「進化した原因は風呂じゃないですかね?」
ハクロのその言葉に、苦笑しながらルミナスがつぶやく。
「水風呂の方が気持ちが良いのだけれども・・・・誰も入らないのかしら?」
「ツバキ、お主のせいで水風呂から氷風呂になっておるのじゃ。というか、そこ普通はサウナ用じゃし」
『防水シートの書き具合良好良好』
それぞれのんびりと体を伸ばしていると、他のお客さんたちが入ってきた。
「ん?受付嬢の人達ですね」
入ってきたのは結構な数の・・・・ギルド職員たちである。
何度もギルドに訪れているだけあり、全員の顔は一度は見ているのだ。
「あれ?ハクロさんたちもここに来ていたんですか」
「ギルドの交代時間が違う人もいますけど、なんでこんなにいるんですか?」
「ちょっと問題がおきまして・・・・」
なんでも、ハクロたちがギルドから出た後、冒険者同士でいざこざが起きたらしい。
迷惑にもなるので、ワゼが仲裁をしに行ったらしいが、どうやらその冒険者たちはまだこのザストにきて日が浅いらしくて、ワゼの事をよく知らなかったらしい。
ただの耳が変な女だと決めつけて殴りつけて来たらしいが、ワゼは見事にそれを合気道のように投げ飛ばして無傷で済んでいた。
だが、やられた方もまだやっていなかった方も頭が悪いのか諦めが悪く、何やらふところから不良品の魔道具を出しちゃったようで、そこで爆発が起きた。
ワゼが腕をとっさに変形させてなにやら防御壁の様なものを展開したおかげで、その場にいた人たちだけは被害は出なかったのだが、それ以外の場所があちこちボロボロになったらしい。
当然、そのいざこざを起こした人たちはしかるべきところに連行されて、冒険者の資格も剥奪し、後日賠償命令を出すらしい。
だけどギルドがボロボロなったので、その修復のために3日間ほどギルド全体休業となったようなのである。
「そんなこともあるんですね」
「それでね、ワゼさんのおかげで助かったけど、待ったほこりやチリなどを全員くらっちゃってここで風呂に入ろうかと思ってきているのよ」
なお、ワゼは全くの無傷で汚れなしである。そのため、一応ギルドの書類を整理していくそうで、そこで汚れを落とすために職員一同銭湯に来たようなのであった。
「あ~~~~~、やっぱ風呂はいいわねぇ」
「こういうのがあるから日々の営業の疲れが飛ぶのよね」
「3日間の休みだし、羽を伸ばさないとねー」
全員思うところはあるようだが、風呂では不満を垂れ流す気はないようである。
「ギルドの職員も大変ですね」
「あははは、そりゃもう大変よ」
「誘ってくる人たちをあしらったり、残業で残ったり、その他もろもろ大変なのよ」
風呂でワイワイとついつい話し込む一同。
「・・・それにしても、ハクロさんたちって・・・・大きいわ」
「え?」
「うーん、モンスターなのに、人以上に大きなものを持てるのはどういうことですかね?」
ギルドの受付嬢たちの目が、ハクロたちのある一点をそれぞれ見る。
ロウはまだ幼いから抜かすとして、他の皆が・・・
じろじろと見られるのはハクロたちにとっても恥ずかしい。
「いやその、余りじっくり見ないでくださいよ!!」
「いやー、本当になんでこんなに育っているんですかね?」
「あやかりたいわー」
むにゅん
「揉んでこないでくださいよ!!」
「いや・・・本当に何この弾力!?」
「うわー!!うらやまけしからん!!」
「もぐぞ!!」
「もがないでくださいよ!?」
・・・・女湯はそのままカオスな状況となり、ツバキがイラっとして氷漬けにする数十秒前であった。
ツバキも結構なものを持っているのだが、氷漬けにした理由は単にうるさかったからである。
その後、銭湯の主人に全員で土下座をしたのは言うまでもない。




