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ぼっこぼこにして

本日2話目

「ふぐほふえぇふおぉ(とりあえずすまなかった)」


 顔の形が変わるほどハクロたちに殴られたベーランドさん。


 何をしたのかは理解をしたくなかったが、理解はできた。


「モッサンさんと同類ですね」

「失礼な、こっちは()、ベーランドは(下着)だぞ!!」

「どっちも同じですよ!!」


 というか、ベーランドさんの方が犯罪なような気がする。


 なお、今回の対象としたのが従魔たちであって、従魔でなくメンバーとして一緒に来たルミナスは対象外だったようでほっとした顔をしていた。


 従魔たちにとっては迷惑であるが・・・・・。





 とにもかくにも、ハクロたちをよく見て調べたいらしく、一応女性学会員たちと一緒の部屋に入って見な調べられに行った。


 ルミナスと僕とワゼは違うので、その間にこの学会にある様々なモンスターのついての記録などを読ませてもらうことにした。



「ふーん、現在スライムは1万を超える種類確認か・・・」

「ロウのも含めて、超多いわね」

「モンスターで最も種類が豊富だとも言われているからな」



・・・スライム関係が多いな!




「他にあるモンスターの記録・・・・ケンタウロス、シャークヘッド、空クジラ、コブラキング、シープドラゴン、コングヘッダー・・・他のモンスターも多いのに、スライムが圧倒的よね」

「環境に適応して進化しやすい種族のようだからな。ロウの様な少女の姿になるのもまた進化した一種の可能性もある」

「その利点として考えられるのは?」

「討伐されにくいようにという可能性もあるようだが・・・・そのあたりは不明だ」




 2時間ほどたって、ハクロたちが戻ってきた。


「あー・・・疲れましたよ本当に」

「・・・羽の一本一本までも繊細に調べられた」

「ウミュ~~~」

「すやぁ・・・・」

「リーゼも疲れたらしくてのぅ、おぶってやっているのじゃ」

「逆鱗を危うく触られるところだったであります・・・」

『気が付いた他の人が抑えて大事には至らなかったぜよ』

「放電したら、痺れた人がでてしまったんや」

「冷気をどうやっているのかまで質問があったわね」


 いろいろ調べ上げられたようである。というか、ミアンのがやばいような気がする。


 逆鱗って、確かドラゴン系統のモンスターが最も触れられたくない場所だったよね。




 とにもかくにも、今回の用事はこれで終わりである。


「いやー、記録がいい具合いに集まりましたよ。ご協力感謝いたします」


 ベーランドさんもホクホク顔でうれしそうだが、全員の見る目が白けたモノになっている。


「モッサンさんの方がましな人だとよくわかったような気がする」

「ほう?だったらいますぐにでも」

「月までぶっ飛ばすでありますよ」

「冗談だ冗談!!」


 悪ノリ仕掛けたモッサンさんに対して、ミアンが尻尾で素振りをして脅していた。


 月まで吹っ飛ぶかなぁ?



「この後どうする?」

「うーん、せっかく他国に来たのですし、観光でもしたほうが良いのでは?」

「ここのギルドに行って、ちょっとここにある依頼とか見ていくのはどうでありますかな?」

「ああ、そのほうが良いかもね」



 せっかくだし、国によって依頼内容も変化があるのか見ていきますかね。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 ライたちが学会本部から去ったあと、その場にはモッサンとベーランドの二人が残った。


 モッサンの方は、この国にある遺跡の調査に向かう予定もあるが、せっかくなので旧交を深めることにしたのである。


「どうだったかな、あのモンスターたちは?」

「スゴイですね。学会に努めて長いことになりますが、あれだけのモノは初めてでしたよ」


 モッサンが訪ねると、ベーランドは素直な感想を出した。


 彼は元々、モッサンさんの様な変態でもあり投獄された経験があったのだが、いろいろと経験を積むうちにどうしてかモンスターに惹かれていったのである。


 そして、今ではこのモンスター学会の一員として活動するまでになったのだ。


「お主は昔からそれだな。老けていってもモンスターが好きなのは変わらんか」

「魔物使いを目指したこともありましたけどね」


 だが、彼には魔物使いの才能はなかった。



 それで落ち込むこともあったが、今ではこうしてモンスターについて調べるようなことができるようになったので、それはそれで悪くはない。


「あの青年・・ライでしたっけ。あの人すごいですよね。あの年齢ですでにあれだけのモンスターを従魔として従えている・・・・学会でも、注目の魔物使いですよ」

「連れている従魔のほとんどが良い胸を持っているしなぁ」

「それはモッサンの好みでしょう。ですが、まあ同意ですかね」


 ベーランドとモッサン、変態同士つながるものがあるようであった。



「・・・ちなみに、今回あの従魔たちの記録を詳細に取りましたが、少し気になったところがありますね」

「ん?何かあるのか?」


 ベーランドが何やら考えるような顔をしたので、モッサンは気になった。


「従魔たちはそれぞれ従魔となった経緯に差はあれども、みなライに惹かれて・・・というのが大きな理由なようですよ」

「・・・普通ではないのか?」


 魔物使いの従魔となるモンスターは、魔物使いに惹かれてというモノや、その力を認めてという理由で従魔となる。


 惹かれてという理由は一般的であり、別におかしなところはないような気がするのである。



「普通なようですが、あれだけの数の従魔がってところが変なんですよね。普通、2~3体ほどまで来るだけであり、あそこまで大勢従魔になるっているのがどうも気になって・・・・」


 魔物使いの才能・・・・という理由だけではどこか納得がいかないのである。


 その人物の器の大きさとも言うことがあるようだが、それでも数が多い。



「ハクロさんが年明け前に進化して、アラクネの姿から人とほとんど変わらないような姿になっているんですよね?その従魔の進化の方向性もどことなく変な気がするんだよね」

「ふむ、もともと人の姿に近いモンスターがいるとはいえ、人の姿により近く進化するって言う話は聞いたことがないな・・・」


 モッサンはエルフ。見た目は少女だが、かなり長く生きていたりする。


「となると、ライの従魔たちも普通ではありえないようなことになっているのか?」

「そう結論付け出来ますかね」


 不思議な従魔に、その従魔たちを使役できる魔物使い。


 その組み合わせに、どことなく何かを予感するのであった・・・・・。





他国へとせっかく来たのだし、ちょっと騒動でも・・・・


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