初めての他国上陸
本日2話目
「宗教国ビウイン」
ビウイン教という宗教が国教となっており、民主制なのだが教会からの権力介入が多い。
上層の者たちが腐敗しているとか言って、最近では改革派と呼ばれる者たちが活発化しており、醸成としてはやや不安定なのだが、武力に訴えるようなほとんど起きない。
奴隷制度に否定的であり、他国では犯罪奴隷となる者たちは自国では売らずに、他国へ出荷するという、どこかゆがんだ形態を持つ。
教会最高権力である法皇は現在、持病がもとで他国へ療養中。
「ビウイン教」
早寝早起き3食しっかり食べて、真面目にしていれば死んだ後も幸せに暮らせると物凄く簡潔な宗教。
ただ、この宗教にはモンスターは神々が創り出した物であり、我々は倒さずにあるがまま受け入れればよいとか言って、迷宮攻略を妨げるようなことをしているらしい。
なのに、国境として定まっている国に限って迷宮が多く存在している。
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「そんでもって、他の大陸にある国々と比べて迷宮というモノが多いのか」
「冒険者の数も多く、そのため魔物使いの割合も必然的に高くなって、モンスター学会としては好都合な国だったというわけですね」
船から降りて、現在僕らはモッサンさんから説明を聞きながら、モンスター学会本部を目指して歩いていた。
一応、モッサンさんの拘束を解いてはいるものの、全員物凄い警戒をして近寄らせないようにしている。
ここまで警戒するのは、船上でのあれやらこれやら・・・・隙あらば襲ってきたからな。
男であるライ、モッサンさんの好みのサイズではないロウ、ミミックの姿になって免れているエリーを除いては、ほとんど被害を受けている。
最終的には、樽詰め重し付きで海上で捨ててやろうかなんて話も合った。・・・まあ、案内する人がいなくなると困るし、そのあたりは帰りにでも。
とにもかくにも、入国し、モンスター学会本部とやらが見えてきた。
「結構大きな建物だね」
「一応、モンスターについての文献なども世界一多く保管しておるからな」
要は、図書館とも併設しているようなものらしい。
中に入ると、あらかじめ連絡しておいたので学会の人達が迎えてくれた。
「ようこそ、ビウイン本部モンスター学会へ。わたくしめはこの学会副会長を務めているベーランドです」
出迎えてくれたのは、礼儀正しそうな老紳士である。
高齢のようだが、背筋もしっかりしており、衰えが見えない。
「おお、久し振りだなベーランド」
「モッサンも元気そうですね」
どうやら、モッサンさんの友人でもあるようだ。
類は友を呼ぶって言葉があるけど、この様子だとどうやらベーランドさんはモッサンさん都は違ってまともそうな人・・・
「さてと。では従魔の皆さんの事は聞いております。知りたいのですのでちょっと失礼」
と、目にもとまらぬ速さで何やら皆の間をすり抜けて・・・・
「ひゃっ!?」
「きゃっ!?」
「なっ!?}
「はぁっ!?」
「どわっ!?」
「ふぇっ!?」
何やら、ハクロたちから悲鳴が漏れた。出ていないのは、ロウ、エリー(ミミックの姿のまま)、ツバキ、従魔でなくメンバーのルミナス。
え、今何をしたの?
「ふむ、モンスターでも心は女性ですか。一応きちんと下に」
「「「「「「いきなりなんですかこの変態っ!!」」」」」」
「ふごぉぉぉっつ!!」
ハクロ、ヤタ、リーゼ、アルテミス、ミアン、スルトの全員が一気にベーランドを殴った。
「・・・何をしたの?」
「ふむ、ベーランドのやつは手癖が悪くてな、過去にちょっと捕まったことがあるんだよ」
モッサンさんはこうなるとわかっていたかのように、やれやれと肩をすくめた。
「自分で言えることではないが、やつも筋金入りの変態だ」
「自覚していたんですか・・・・」
とはいえ、いったい何をしたのだろうか?
ふとベーランドさんの手元を見ると、なにやら布切れのようなものが・・・・・あ、なんかわかった。
幸先が不安になって、僕は頭を抱えたのであった。
やっぱここに来たのは間違っていたかなー?
さて、被害者と被害に遭っていない人は何が違うのかな?
どうやらベーランドもモッサンと同じ分類のようである。
しかも、モッサンさんはまだ女性だけど、ベーランドは男性だから下手したら捕まる




