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モッサンがいる理由

本日2話目

この人小説内で唯一の親父キャラ

「さてと、新年早々だが早速いいかね?」

「いえ、ダメです」

「お断りします」

「内容は言ってないようですが、大体察しましたので」

「・・・日頃のは口で言うよりも早く伝わる」

「ウミュ?」

「嫌いですよ」

「もう顔を合わせない可能性もあったのにのぅ」

「初めて会うでありますが、嫌な予感しかしないであります」

『カタカタカタ(すでに人型からミミックになっているエリーが体を震わせて抗議している)』

「どう見てもろくな感じがしないでっせ」

「明らかに嫌な予感よね」


 モッサンさんの言葉に、ライたち一同そろって拒絶した。


 モッサンさん・・・王国の考古学者でもあり、エルフなので見た目が幼い少女のようだが、中身はおっさんみたいな感じで特定のサイズ以上の胸を持つ女性を揉むとんだ変態ババァである。


 ここ最近、存在を忘れかけていたが生きていたんですか。



「生きた災厄が新年から来るなんてついてないなぁ(なんでモッサンさんがここにいるんですかね)」


 あ、心と口の声が逆だった。


 というか、この人がいるってことはこれまでのことを考えると大抵厄介ごとしかない。


 遺跡のことでワゼが手に入ったり、スキュラの件でアルテミスとリーゼが・・・・そこまで悪くもないこともあるけどさ、従魔たちの胸を狙うのはやめてほしい。


 もやっというか、イラッてくるんだよね。



 なので、安全対策のためモッサンさんをハクロが超高速で縛り上げて、なんで来たのかを聞いてみた。


「新年のあいさつだな。さすがに年明け早々指名依頼は出さんよ」


 天井からつりさげられ、手の方にはがっちりと拘束をかけてある。


 このぐらいしないとだめだからなこの人は。


「あー、ついでに隠れてこっそり揉みに行くとか言っていたぞ」

「アーガレスト!?」


 ギルドマスターの密告に、モッサンさんが目を見張る。


有罪(ギルティ)ですね」

「袋叩きの刑で言ったほうが良いのでは?」


 女性陣、速攻で判決を言い渡し、モッサンさんを吊り上げたままどこかに連れ去っていった。


 残ったのは、僕とギルドマスターだけである。



「・・・さて、あの人がぼっこぼこにされている間に来た本当の目的を代わりに行っておこうか」


 ギルドマスターがそう言った。


 なんでも、モンスター学会から僕らに直接来るように伝言を頼まれていたらしい。


 ロウやエリーと言った人の姿になれるスライムとミミックや、ほとんど妖艶な美女ともいえる見た目になっているボルトオーガのスルト、人の体と変わりないぐらいに進化した元アラクネのハクロと言った通常ではほとんどお目にかかれないような従魔たちを一度実物で見たいらしい。


 超希少種であるクイーンハーピーのヤタや、神獣種のラミア・ドラゴンであるミアン、幻獣種族の雪女であるツバキはそのついでに出来れば見たいようだ。


 残りのスキュラであるアルテミスや、水龍(ウォータードラゴン)のリーゼは、こちらの方は同族のデータが意外と多いらしく、対象外だとか。何この格差。




「従魔たちは見世物でもなく、僕の大事な家族ですのでそう言われると行きたくないんですが・・・・」

「一応、区分分けとかの大事な事らしいからね。見世物扱いは絶対しないと思うよ」


 学会の人たちはモンスターをよく知っているだけあって、暴れられたら確実に危険だと理解しているらしい。


 そのため、不当な扱いは厳禁で厳しく統制されているのだとか。


 意外にも徹底しているんだな・・・・・。



「というか、これを伝えるためにモッサンさんが来たようですけど、あの人って考古学者が本業ですよね?」

「何かとライ君たちに関わりが多いことから頼まれたらしいよ。その学会には彼女の旧知の友がいるようだし」


 モッサンさんの旧知の友・・・・・不安しかないような気がする。


 類は友を呼ぶというし、行くべきか行かぬべしか・・・・・・。




「のわぁぁぁあっ!!そ、それはやめてくれぇぇぇぇ!!」


 モッサンさんの絶叫が聞こえるけど、何をしているんだろうか・・・・?


 別の意味で不安になった。



女性陣、ただいまモッサンさんを仕置き中・・・・・

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