暗躍のメイド 表
本日2話目
表もあれば裏もある
閑話に近い話となるかな
薬草を手に入れたライたちは、ツバキを新たに従魔に加えてザストに向かっていた。
「~~~、というわけで新規従魔登録できるようにしておいてくれないかな」
『了解いたしましタ。到着前にそうなるよう手配しておきマス』
ミニワゼによる通信で、ワゼに連絡を入れておく。
こういうあらかじめ連絡ができるのってすごく便利だよね。
「さてと、ザストまであと20分ほどの飛行だけど・・・ツバキ大丈夫?」
「だ、大丈夫です・・・・」
「船酔いならぬドラゴン酔いですか」
後ろを振り向くと、真っ白な体から物凄く青い感じになっているツバキがいた。
リーゼの乗り心地は悪くはないのだが、初体験な様で酔ったようである。
吐かないでほしいかな・・・・・。
「ほれ、酔い止めの薬じゃ」
「ありがとうね・・・」
アルテミスが足を延ばしてその先から薬をツバキに手渡す。
酔い止めを飲んだツバキは収まってきたようで、元の白さを取り戻し始めた。
「にしても、何とか薬草を無事に採取できてよかったよ」
「足りぬ分の可能性も考えて余分に採取しておるから大丈夫なのじゃ」
この薬草を届ければ、その依頼主の子供は助かるわけだしよかったよかった。
「エリー、薬草はきちんと保管しているよね」
『しっかり体内に保管してるぜよ』
人型になっているが、きちんと箱型・・・もとのミミックの姿の中には薬草が収納されているらしい。
どこに入っているのかは疑問だけど、考えても答えが出なさそうだしいいか。
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「ご主人様たちは現在、薬草を持ってザストに帰還するようデス」
ライから来た連絡をワゼはギルドマスターのアーガレストに報告した。
「わかったよ。届いた薬草はすぐに依頼主の元へ送れるように手配をしてくれ。ライ君たちに新しい従魔ができているようだし新規登録の方もだけど・・・・」
てきぱきと、素早く指示を出していくアーガレスト。
こういうところが日常の態度に出ていればまだ尊敬がある人なんだろうなとワゼは内心そう思いつつ、ふと、今回の依頼の紙を見た。
「・・・そういえばですね、気になったんですガ」
「どうしたんだ?」
「いえ、今回の依頼ってアラモズ山での薬草採取でしたよネ。その薬草は、ある貴族の子息のための物で、その子息は魔欠乏症にある毒を盛られてですよネ」
「そういう物だが・・・どうかしたのか?」
「いえ、今回の依頼の場所ですが、戦場近くでもあり、まるで・・」
と、ここでワゼはふと何かに気が付いたようであった。
考え込んで、少し立って・・・
「すみません、少々気になることがありますのでしばし離れマス」
「え、ちょっと」
アーガレストの制止の声の前に、すでにワゼの姿は消えていたのであった・・・・・。
ライたちが依頼を達成報告した時にもおらず、ミニワゼの通信によると「3日後には帰ってきマス」という連絡があるだけであった。
「どこにいったんだろ?」
疑問に思うが、ワゼの事なので多分大丈夫だろうと思いほおっておいた。
3日後、きちんとワゼが戻ってきた。
「どこに行っていたんだ?」
「少々、気になることがありましてその確認と後始末をしてきたのデス」
ごまかすような言動をしたが、一応特に問題はないようなので、そのことに関しては言及しないことにしたのであった・・・・・
裏へ続く・・・・




