やはり見捨てておけないのである
投稿しようとしても何回か失敗している
「指名依頼内容」
ある貴族の子供が魔欠乏症となり、その治療薬の材料である『白雪草』という薬草の採取。
自生している場所がアラモズ山であり、冬のこの時期はモンスターが多く出現し、戦場近くでもある。
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「だけどね、なんとなくこういうのは無視できないもんな・・・」
親が必死になって治療薬を求めているようで、断ろうとするとなんとなく物凄く心苦しくなったライたちは引き受けることにした。
「まあ、戦場近くで、モンスターが多いようですし、危険性が大きいですもんね」
「なので総力でいくとはのぅ」
現在、僕らはアラモズ山へ向かってリーゼに乗っているのだが、危険性も考えて今回は全員で向かうことにした。
ハクロ、ヤタ、アルテミス、リーゼ、ミアン、エリー、スルト全員厚着をして防寒対策をする。
カイロも大量に持って、エリーの中に予備の毛布などもしまっておく。
ワゼはギルドで留守番をするのだが、念のために通信機能とやらを備え付けたミニワゼも持っていくことにしており、万が一の時の連絡も取れるようにした。
ちなみに、スルトも今回一緒なのでギルドのマッサージ屋は休業となる。
なのでマッサージ目当ての人達には悪いけど、しばし待ってもらうことにした。
「まあ、このメンバーなら何が襲ってきても過剰に返り討ちができそうでありますけどな」
・・・万が一を考えてだからね?下手したらこのメンバーで一国は落とせるみたいだけど、さすがにしないよ。
とはいえ今の季節は冬。リーゼに乗せてもらっているとはいえ寒い。
防寒具も来ているのだが、寒いものは寒いのだ。
「できるだけ手際よく終わらせたいけど、必要な薬草の量ってどのぐらいでいいんだっけ」
「魔欠乏症の症状にもよるが、数十本ほどいるはずじゃよ」
結構大量にいるようだ。
「じゃが、見つけるのは苦労はせんのじゃ。『白雪草』は近くで魔法とか、魔力の流れを感知すると雪に埋もれておってもわかるぐらいに自然と発光してその位置を教えてくれるのじゃ。なので、別名『魔光草』とも言われておるのぅ」
「それでしたら夜の方が見つけやすくはありませんか?」
「・・・冬の雪山に夜中歩くの?」
「いや、昼間でも大丈夫じゃよ。むしろ夜間の方が光量が下がって見つけにくいとも言われておる」
まあ、とにもかくにも探してみないとな。魔法を感知して光るなら、こちらにはアルテミスとミアンがいるし、スルトの電撃も魔法に近いから大丈夫かもしれない。
「しかし、寒いのはやはり苦手でありますな」
「ミアン、くるまりすぎてなんか別のモンスターにも見えそうなんだけど・・・・」
ラミア・ドラゴンである彼女は寒いのが苦手らしく、他の誰よりも着ぶくれしていた。
いや、下半身の竜の部分にも物凄い量のカイロが巻き付けられているのは何かなぁ。
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SIDEルーナス城
「そうか、ライとかいう冒険者は指名依頼を受注してアラモズ山に向かったのか」
ルーナス城の会議室で、その報告を皆が受ける。
「これで作戦の第2段階はクリアーしましたな」
今回のライたちが受けた指名依頼、それはこの場にいる皆で考えた作戦の一環でもあった。
第1段階が、まずは貴族で家族愛が強い家を探し、魔欠乏症になる毒をその家族の誰かに盛る。
そして、その治療薬を何重にもして隠れて国がすべて購入した。一応この出費は痛いが、戦争を有利に進めようとする出資としてならば安いものである、
そして、第2段階としてこの依頼が出るのを待ち、指名依頼としてザストのギルドに出すように誘導し、ライに受注させたのである。
「さて、ここからは大きな賭けになる」
今回の作戦の目的としては、ライにそのアラモズ山でモンスターを従魔にしてもらうのだ。
そして、そのモンスターが原因となってうまい事山中のモンスターたちを帝国が側に襲わせることができればいい。
もしくは、従魔ができなくとも帝国軍といざこざを起こしてもらって代わりに全滅させてもらうのも成功であろう。
ただ、ここで懸念されるのが王国軍といざこざを起こしてしまう場合である。
逆に帝国側に行かれては目も当てられぬような事態へとなってしまうだろう。
また、ライに仮に従魔が増えたとしたら、その分戦力が上昇して、帝国側からの引き抜き工作の可能性もある。
そのことを考えて、何とか解決できないかと再び長い会議が始まるのであった・・・・・・
国の陰謀が渦巻き、その陰謀の渦はどうなるのかはわからない・・・・。




