果汁って乾くとべたべたするよね
本日2話目
討伐だけど、この場合捕食ともいえる
「みゃぁぁぁぁぁぁぁっ!!目がぁぁぁっ!!目がぁぁぁぁっ!!」
「あー、やっぱハクロには足りんかったか」
「顔の両目の他に、アラクネじゃからか隠れている小さな他の目もあるようじゃしのぅ。そこに荷重がかかればそりゃ痛いわ」
現在、僕らは「キーカナッシー」と言うモンスターの討伐に来ていたのだが、そいつらが吐き出す果汁がハクロの顔面にヒットし、目にもかかったようである。
「ハクロ用のゴーグルも作っておくべきだったとか?」
「目立たぬ場所じゃし、つけようがないじゃろ」
悶えて転げまわっているハクロを傍らに、僕らは討伐を成功しようと奮闘していた。
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「キーカナッシー」
物凄く大きな果物のモンスター。柿とナシのような特徴があり、その外側の皮は鉄のように固いが、中身は甘くて果汁が豊富でおいしい。だが、果汁を目に向けて飛ばして攻撃してきて、地味ながらもかなり目に染みていたい。対策としては、目を守るゴーグルなどが挙げられる。
頭頂部にあるヘタを引っこ抜けば簡単に討伐できるが、動きまくって中々そのヘタが触れないのが討伐しにくい原因でもある。
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まあ、対策方法はしっかりしていたのでゴーグルをつけていたのだが、ハクロの場合顔に普段見えている眼以外にも小さなものがいくつか隠れてあったので、それらは防御しきれあかったようである。
「待てよ?仮面みたいに顔全体を覆うやつだったらよかったのかな?」
「それをもう少し早く考え付いてくださいよぅ・・・」
めちゃくちゃしみたのか目からものすごい涙を出すハクロ。
なんか顔面が涙の滝で見にくいんだけど。
「キーカナッシーの汁がかかったとき用の目薬を作っておいてよかったのぅ」
「ううぅ・・・ありがとうアルテミス・・・」
アルテミスが懐から小瓶を取り出し、中の液体をハクロは目にかけた。
「ん?あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!ひかりがぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「あ、これ目がよくなる目薬じゃった」
・・・・どうやら目薬違いの様だった。日光の光がより入ったのか余計ハクロが悶え苦しんでいるし。
「・・・我が君、一体討伐した」
と、ヤタが足にボロボロになったキーカナッシーを捕まえて戻ってきた。
「おー、よくやったね」
なんでそこまでボロボロになっているのかは疑問だけど。
「・・・足でつかんで、上空から何回も落として弱らせてからヘタ抜いた」
こういう弱らせるってのが一番やりやすい討伐方法らしい。
「ウミュ・・・アマーイ」
「あ、ロウが食べているし」
ロウは体の中にキーカナッシーを取り込んで討伐しているようである。
そのおいしさに喜んでいるようだ。
どがぁん!!
あっちではエリーが箱の・・ミミックの姿になって体当たりをしてキーカナッシーを木っ端みじんにしていた。
強度はエリーの方が上らしく、体当たりされても砕けるのは向こうの方だ。
防御も攻撃に回せるって言うのは結構臨機応変に活かしやすいね。
「にしても、果汁があちらこちらから飛んでくるから結構べたべたしてきたな」
ライは皆に指示を出して、ハクロが悶えているのでミアンに周囲からの襲撃を防いでもらっているのだが、果汁はあちらこちらから飛んできて目にはかからないけど体中にかかってくる。
「液体は防ぎにくいでありますからな。氷系の魔法が使えれば凍らせてという手段もあるのでありますが、我輩はその魔法は不得意であります」
「我の方は水魔法の発展のような物じゃから使えるが、やはりこういう凍らすというのは薬でやった方が早いのじゃ」
以前、ミアンに対して使った氷結薬なんかで凍らせたりしたほうが楽らしい。
「まあ、果汁でベッタベタになっているしな・・・・。依頼が終わってザストに戻ったら銭湯に入ろうか」
「賛成です」
全員それで賛成の様なので、今日のこの討伐を終えたら銭湯に行くことにしたのであった。
「あぅぅぅ・・・まだ目がシパシパしますよぅ」
ぶしゅー
「またぁぁぁっ!!」
復活したところに、またいきなりキーカナッシーに襲撃されるハクロであった。
本来ならこんなやつらには負けないんだろうけど、果汁で手が滑って最大の武器である糸を扱いにくいようである。
相性が悪い相手って誰にでもいるんだね。
フラグが一つ立っているということに気が付きませんかね?
今回はハクロ不遇回
「何でですか!!」




