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ザストに戻ったけど、なんだこれ?

2016/12/06/21時の時に、ブックマークが500件行っていたのを確認!!

ご愛読、どうもありがとうございます!!

「・・・・なぜにこうなっているんですかね」


 現在、ライたちは護衛依頼を終え、ニア村からザストへと戻りギルドに依頼達成の報告をしようとしたところ、入った瞬間にその場にいた全員が見事な土下座をした。


 え?何かやらかしたっけ?



「すみません!!どうしてもお願いしたいんです!!」

「アレが心地よくて!!」

「仕事の疲れなんかも、肩こりも、腰痛も取れるし!!」

「物凄く必要なんだ!!」


「いや、いったい何の話を・・・」


 ふと気が付くと、スルトとワゼの姿を見た。


 ワゼの方はやれやれと言った感じに肩をすくめた仕草をしており、スルトの方は顔が真っ赤である。


 ん・・・・?なんか彼女(スルト)に関係することなのか?








「なるほど、依頼とかでスルトを連れ出さずに、このギルド内でマッサージ屋として働かせてほしいということなのか」


 ともかく、詳しい事情を聴いてみるとそういう事らしい。


 マッサージを善意でスルトがやったのが始まりで、その気持ちよさの虜になった人が出てきて・・・。



「そして、今に至ると」

「そういうことでっせ・・・あたしは本当に善意でやったつもりが、こういうことになってしもうたんや」


 どことなくばつの悪そうな顔をしながら言うスルト。


 他の人達曰く、


「このマッサージは流行る!!」

「戦闘に出すのなんてもったいない!!ここは皆の疲れを癒させるのだ!!」

「他の人達も元気になって、依頼が次々とその効果で達成されてWinwinの関係になる!!」


 など多種多様な意見が飛び交っていたが、共通して「スルトのマッサージは気持ちがいい」というモノがあった。


「これは良い方法だと思われますよご主人様。スルトは戦闘面では電撃と力が強く、討伐なら役に立ちますが、素材を黒焦げにして収益を減らしてしまいマス。ここは、これで金をとってしまえばいいのデス」


 ワゼが淡々と納得できるような説明をする。


「ボルトオーガってこういうマッサージのプロのモンスターだったかな?」

「いえ、スルトが特殊なだけだと思いマス」


 そもそも、スルトのような美女の外見はほとんどないらしい。


 それでいて、戦闘面よりもマッサージが得意とかって・・・・オーガというか、モンスターとして何かが間違っているような気がする。


 いや、他の従魔たちにも言えることかもしれないけど・・・・まあいいか。


「で、ワゼと同様に僕らが依頼に出ている間、スルトにここでマッサージ屋を開いてほしいという話につながるわけか」

「はい、まあ土下座はここの職員の人々が考え出したんですけどネ」


 職員の人たちにとっては、スルトのマッサージが心地よくて、出来るだけ常設してほしいと全員一致したらしい。


 だが、スルトは僕の従魔、従魔の決定権はこちらにある(まあ、出来るだけ従魔の意向に沿いますけどね)。


 頼み込んでみるが、断られないようにできるだけ味方作りに励み、考えた結果あの入った瞬間の全員土下座だったとか。


・・・一体何をどうやってあれだけの人が味方になったのやら。



「マッサージと、受付嬢の色気と、職員の日々の信頼作りの成果だそうデス」

「案外まともな方法なような、まともじゃないような・・・・」


 ともかく、ぜひともという声が多い。


「そもそも、スルトのマッサージってどんなことするの?」

「えっとな、電撃を弱めて適度にコリをほぐしたりするんやで。あと、もともとの力を生かして強く肩をたたいたり、揉んだりもするんよ」


 ふむ、ボルトオーガとしての特徴を生かしているようだけど・・・・・。





 まあ、まずはどんなものかと思い、実際にその効果を目で見ることにした。


 実験台ゲフンゲフン、実体験してもらうのはハクロである。


「今物凄く不穏な言葉が聞こえたんですが・・・」

「まあ気にしないで、まずはスルトのマッサージを受けてみてよ」


 やってもらうのは、肩もみである。


 効果が単純明快そうだからね。


「では、あちらの部屋でやってもええやろうか?」


 と、スルトが指さしたのは職員たちの休憩室らしい。


「別にいいけど、何でここでやらないの?」

「いや、直に触った方が効果がでてな・・」

「つまり、肩をさらけ出すということですね」


 一応公衆の面前で肌をさらすことになるので、ちょっと場所的な意味を込めているようだ。


 というわけで、その部屋にハクロとスルトが入って数秒後・・・


「ふぇっ!?ひゃふぅぅ!?ちょ、それ本当にひゃぁぁぁぁっ!!!」


・・・なんかものすごく艶めかしいような、快楽の声が聞こえてきたんですけど。


「主殿、耳をふさいでおくのじゃ」


 と、一応アルテミスが耳を防いでくれました。なんか声がものすごく艶っぽいというか、こうね・・・。





30分ほど、その声は続いて・・・・


「施術、完了したで」

「ふわぁぁぁぁぁぁ・・・・」


「・・・ハクロ、とろけているけど大丈夫?」

「大丈夫ですぅ・・・・ものすごく気持ちよかっただけで、肩こりなどは解消されましたけど、なんか腰が砕けました・・・・」


 スルトがハクロを担いで部屋から出てきたが、ハクロがものすごくふにゃふにゃになっていた。


 というか、腰ってその上半身の人の部分と、下半身の蜘蛛の部分両方のようである。どっちもガクブルしているし・・・。


 


 肩揉んだだけだよね?なんかものすごく脱力しているんだけど・・・・・・これやっていいのか?


「追加で腰や腕もやってもうたのだが、まあ効果はあったやろ?」

「ありましたけど・・・すごかったですよ・・・」


 本当にマッサージしただけだよね?



 まあ、いささか不安があるものの、とりあえずスルトがマッサージ屋をギルドでやることを許可したよ。


 ギルドマスターも了承済みだったけど・・・・こちらもなんか腰砕けてますが。


「私の『魅了の魔眼』以上の効果なような気がするわ・・・・」


 ルミナスが、そうぽつりとつぶやく。


 そういえば、そんなものがあったっけ。



 その後、結構人気が出たのだが、このマッサージを聞いた各地のマッサージの名手とか、専門家とかが来て次々とスルトに挑んでいったのだが、すべてふにゃふにゃにして勝利した「マッサージ師スルト」の伝説ができたのは、また別のお話。




なお、ライが受けたときは別に普通だけど、気持ち良いマッサージであった。

・・・何でハクロがあそこまでふにゃふにゃになったのだろうか?

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