お久しぶりですね
本日2話目
閑話とかってなんか楽しいんですよね
「お久しぶりですね、ライさんとその従魔の皆さん」
「お久しぶりです、ロズ王女様」
現在、僕らは指名依頼を受けて再びルーナス王国の第1王女ロズ=ルーナスの護衛依頼を受けることになったので、ルーナス城まで来ていたのであった。
なお、今回はスルトだけメンバーにおらず、ザストの方に残ってもらっていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
その頃、辺境都市ザストのギルドでは・・・
「ふぇぇ・・・今回はあたしの出番なしですかぁ・・・」
「仕方がないですヨ。あなたの食欲を考えると護衛依頼の食力が無くなりますシ」
ザストのギルドにて、スルトはギルド職員の制服を着せられてワゼと共に働かされていた。今は少しの休憩で机にうつ伏している。
・・・スルトの食欲がね、ちょっとばかし全員より多いんだよ。
ボルトオーガって食欲旺盛なのかそれともスルト自身が変わり者なのか、他の民よりも多く食べるのである。ただ、栄養は腹に行かずに使い切っているのか、それとも胸に行っているのか体形にほとんど変化はなかった。・・・まあ、このあたりは他の従魔たち共通のようだが。
其のため、食料の関係上スルトが居残りさせられたのである。
そしてついでに、食費を稼ぐためにと言われてあれよあれよという間にザストの受付嬢として働かされていた。
「あたしはこういう人と話すのは苦手なんだが・・・」
「仕方がないですよ、あなたは事務仕事をさせようとしたら字が汚かったですカラ」
受付の机にぐでっとするスルトに対し、ワゼはそのことをはっきりという。
ただ、実は受付の方に回したのは他の目論見もある。
「あのスルトさん、なんか注目を浴びてますよね」
「ん~?そういうもんかいな」
隣の受付嬢がそういったが、スルト自身無自覚であった。
スルトはボルトオーガ。だが、その割にはスタイルと顔がよく、またサイズがあっていないのかその制服の胸部がはちきれそうになっていて、男性冒険者たちからの注目を浴びていた。
「あれってスルトちゃんだよな?」
「ああ、あの魔物使いの従魔だ」
「なんでここで働いて・・・」
「食費を稼ぐというもくてきらしい」
「俺らで必死に応援しようぜ!!」
男性冒険者たちが一致団結していく。下心が出ているようだが・・・・
実は、これがワゼの狙いでもあったりした。
(私の方に集中する冒険者たちを分散できますからネ・・・・)
受付の方にワゼが来た時、混雑が起きる。
ワゼ目当てだと理解してはいるが、この混雑をできるだけ解消したかった。
そこで、スルトに白羽の矢が当たったのであった・・・・・。
スルトの方に並ぶ冒険者が出始めたころ合いで、ワゼも受付を担当する。
(予想通り、スルトさんが入ったことで良い感じに解消されてますネ)
顔には出さなかったが、内心ほほくそ笑むワゼであった。
ワゼは魔道具なのだが、少々腹黒くなっているような感じは自覚しているようだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
今回は、再戦の時が近づいてきているようなので、再び安全のために王女をある村に届けるという依頼で、前回とは全くの逆だ。
ただ、前と違うとすればエリーが人の姿となって座っている事だろうか。
ミミックだと説明したら、驚かれました。まあ普通そうだよね・・・・・箱が人になるとは思わないもんね。
「ダンジョンにでもいかれたのですか・・・?」
「いや、言っていなくて少々複雑なわけが・・」
この説明に、ライたちは苦労したのであった。
スルトの話し方がだいぶ安定してきたかも。
今回の護衛依頼・・・・どうなることやら




