そういえば忘れられているよね
何となく皆様が忘れていそうなことです
「・・・・また参戦募集の紙が出ているね」
「再戦の用意ができたんじゃろうな」
夏真っ盛りとなり、汗をかくことが多くなった。
そんな中、ギルドに久しぶりの張り紙をライたちは見たのであった。
「確か、春ごろにいったん休戦していたよね」
「王国側では戦力の消耗、帝国側では皇帝の失踪が原因でしたね」
帝国側の方で皇帝が見つかったらしく、王国側の方もだいぶ回復したから来月あたりにまた開戦するらしい。
・・・王国の方はわかるけど、帝国は帝国で苦労してそうだよね。なんでも皇帝は最終的に縄で縛られて連れ戻されたそうだが、そんな情報が他国に流れてくるってどうなのだろうか。
「参戦募集はCランクからでありますが、ライ殿はどうするのでありますか?」
「僕らはBランクだから参戦できるけど、今回はパスかな。個々が危なくなったとき以外基本戦争は関わらないほうが良いからね」
こういう争い事には巻き込まれたくないのである。
前の防衛戦の時は一応状況的なものがあったけど、こういう戦争関連はどことなく忌避感があるのだ。
「まあ、そうですよね。こういうのはえらい人たちとか、強い人たちに任せたほうが良いですからね」
((((いや、お前らも充分強いだろ!!))))
ハクロのその言葉に、ギルド内にいた冒険者たち全員が心の中でツッコミを入れた。
ライの従魔たちがはっきり言って強いことを、全員あのザストでの防衛戦の時やゴブリン同盟騒ぎの時に知っている。
網やトラップを作製し、捕らえていくアラクネのハクロ。
空からの強襲攻撃という驚異の攻撃を持つ、クイーンハーピーのヤタ。
可愛い見た目で何人も飲みこめる、ヒューマンスライムのロウ。
いざとなれば辺りの地形その物を変貌させる、水龍のリーゼ。
危ない薬をまき散らして混乱させてかつ水魔法にも優れている、スキュラのアルテミス。
幻術魔法、攻撃魔法、棒術なんでもござれの元から無茶苦茶な強さを持つ、ラミア・ドラゴンのミアン。
エリーとスルトの二体はまだよく戦っているところを見ていないが、それでも鉄壁の防御力を持つミミックと電撃攻撃を仕掛けるボルトオーガなので強いのはわかる。
・・・・こうして考えてみると、無茶苦茶な強さを持っているのが分かる。
だが、強いからと言って戦争に参加するしないは個人の自由なので言わないことにした。
というか、主に男性冒険者たちからしてみれば、そんなことに出来るだけ巻き込ませないようにしたいという想いもあった。
なので、出来るだけ参戦して彼女たちを戦場に出さないように参戦希望を出す冒険者がこの日多かったのであった・・・・。
改めて考えると、何この無茶苦茶な従魔たち。
組み合わせによっても凶悪になるよね・・・・。
まあ、基本的にライの意思に全員従うんだけどね。
・・・なお、ルミナスに関しては従魔ではなくメンバーであるので省きました。ワゼも従魔でないので同様の理由です。




