真夜中の会話
ちょっと閑話に近いものかも
夜中、ライたちは平原で野宿をすることにした。
この平原はモンスターが出てくることが多いので、交代制で見張る。
まあ、安全のために周囲にはハクロが糸を引いてあちこちに蜘蛛の巣トラップを仕掛けてある。
かかれば一気に飛んで捕縛したり、簀巻きにしたり、吊り上げたりなど多種多様。モンスターにもよるけど、そう簡単には逃げられないからねそのトラップは。
昔、森でハクロと仕掛けまくったときに他に入ってきた人たちがかかって怒られたのはいい思い出・・・・。近所のおじさんとかだったけど、みっともない姿になっていたからな・・・。
ついでにアルテミスが開発したモンスターの忌避剤とやらも周囲に巻くつもりだったけど、だいたいのモンスターに効くらしく、ハクロやヤタたちにも効果があるのでやめることに。
ちなみに実験に失敗して家中に散らばったときは悲惨であった・・・・ワゼが片付けてくれなきゃどうなっていたことやら。
まあ、今度ザストで販売するらしいけど・・・・結構売れそうだよねそういうの。モンスターに襲われたくない商人とかにかなり売れるかもしれない。
「今のところ異常なしか・・・」
「まあ、だいたいがミアンさんによって駆逐されたようですし」
今は僕とハクロで見張りをしていた。
魔物使いである僕自身は寝て、従魔たちだけに任せっきりにすることはできるけど、流石にそれはね。
自分は戦力にならないから実質ハクロだけの見張りな感じだけど、それでも一応彼女たちを従えている身としては、自身もできるだけ一緒な立場に居たい。
・・・・でも、僕とハクロの前にミアンとエリーが見張っていたんだけど、周辺のモンスターを一掃したらしく、現在大半のモンスターの死骸がエリーに収納されているみたいだ。
ザストに帰ったら解体するけど、僕らが寝ているときに静かにどうやって一掃したんだろうか・・・?
「こういう時って暇ですよね。モンスターが現れないのはいいんですけど、なんかこう、つまらないというか」
「要はハクロもモンスターを倒しまくりたいの?」
「いえ、別にそこまでではありませんよ」
まあ、小さい頃からの付き合いがある分、わかりやすいところもあるしね。今のはそこまで本気でやっていないようだし。
「にしても、本当に増えたな・・・」
ふと、後方を向くと寝ているアルテミスやロウの姿がある。
昔はハクロと姉弟の様な感じで過ごしていたのに、あれよあれよと従魔が増えて今ではかなりの所帯となっている。
ソロでやっていたけど、ルミナスも加わって冒険者グループとして結成したし、人生って本当に内があるのかわからんな。
「ライ様にそれだけ惹かれる人が多いってことですよ・・・・人?いえ、モンスターと言ったほうが良いですよね」
「それって喜んでいいことなのかな?」
「うーん、微妙ですね」
それは少し傷つく。まあ、勝手に従魔になりたいというモンスターが来たところで基本来るもの拒まず。来るなら来い!
「でも、ここまで増えてきて思ったんですけど・・」
と、ハクロが半目になってこっちを見てきた。
「ん?」
「ライ様に惹かれているモンスターって、私が言うのもなんですが、大抵は人に近い姿をしてますよね」
「まあ、そういう感じはするけど」
「それで大抵が女性って・・・ライ様はどこに向かっているんですかね」
「いや、それはわからないけど・・・・・・・・・・」
何だろう、ちょっとトゲの様なものも感じる。
「たいがいの魔物使いはウルフとかそう言ったものを従魔にするのになんでこうなってきているんでしょうかね?」
「さあね」
魔物使いが従魔を作るには、モンスターの方からやってくるか、認めてもらって従魔になってもらうかなどの方法があるけど・・・・僕の場合はやってきた方のが多いよね。
「まあ、誰が加わろうとも基本的には文句はありませんよ。ライ様が全員を家族のように扱ってくれている限りはですね・・・」
ふっとハクロが笑みを漏らしてそういった。
月夜の明かりと相まって、その時のハクロは美しく見えたような気がした・・・・・。
メインヒロイン?的なハクロの見どころでした。
ライの従魔の中では一番ライのことを想っているようなものですしね。




