捕縛or討伐依頼
orって大文字のORほうが良いのかな?
依頼が全くなかったので練習場で汗をかいた翌日、ライたちはギルドに言って今日は依頼がちゃんといくつか貼りだされていることを確認した。
「依頼がこれだけあるけど・・・・どれを受けようか?」
現在の僕らのランクはBランク。Aランク用の依頼は受けられないからBランク以下の物としては・・・・
「これはどうでしょうか?」
と、ハクロが指をさした依頼があった。
「『コカトリスモドキの捕縛もしくは討伐』ってやつか・・」
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「コカトリスモドキ」
鶏の身体と蛇の尻尾を持つモンスター・・・・に似た姿の全くの別物。本体は蛇の方だが、見た目から鶏が本体だとよく勘違いされる。コカトリスとの見分け方は簡単で、鶏の頭の方にとさかがあるのがコカトリス。ないのがコカトリスモドキ。
コカトリスの方は「石化」という状態を引き起こす厄介なブレスを吐くが、コカトリスモドキの方は体内にあらかじめ飲みこんでおいた石を吐き出す。
ただし、脚力がそこそこあるので蹴り上げられると鉄の鎧がへこむため注意。
食用に適しており、焼いて食べることができる。
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今回はモドキの方なのでBランクの依頼だが、普通のコカトリスだった場合Aランクへと上がる。
「石化」という状態異常は、その部分が石のように固くなって動けなくなるというモノだそうだ。
現在は特効薬があるため治せるそうだが、それでも戦闘中に固められたりすると脅威である。
似たようなものに「バジリスク」というモンスターがいるそうだが、こちらはSランク級の依頼となってしまうそうな。
「こっちの場合、その目で見られた瞬間に石化どころか石像化するんじゃったな」
「そっちの方がはるかに恐ろしいでありますよ。まあ、鏡を用意すればある程度反撃ができ、200年ほど前に力試しで倒したことはあるでありますが・・・」
ん?今なんかさらりと、とんでもないことをミアンがつぶやいたような。年齢的な部分と討伐したモンスターのところで。
とにもかくにも、今日僕らが受ける依頼はその依頼に決定するのであった。
「そういえばなんでこれ捕縛もあるんだろうか?」
「人工的に増やせないかという研究があるそうじゃよ。モンスターの中には美味なものもおるから、それを増やして楽に討伐出来ないかなども研究し、将来的には一般家庭にもその味をとでもしたいのじゃろう」
「オークの肉もうまいらしいけど・・・」
「あれは全女性の敵じゃ。奴隷を苗床にとでもした輩もおったそうじゃが、上位種なども生まれて取り返しのつかない事態になったという記録もあるのぅ」
コカトリスモドキの方もモンスターだから危険そうだが、こちらはその上位種とかが確認されていないそうなのでまだ安全面から言うと高いらしい。
というか、過去にそういうことをした人もいるのか・・・・・。
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「今日の仕事はこれだけありマス」
どすん
「・・・多いなぁ」
ギルドの執務室にて、ギルドマスターであるアーガレストは今日やるべき仕事である書類の山を見せられてため息をついた。
「もうそろそろザストの柵の一部の交換時期が来ているそうなので、領主から来た交換のための人員案などがはいってマス」
辺境都市であるザストの周囲は柵や堀で囲まれている。
一応モンスターが都市内に簡単に入ってこないようにするための防護と、戦争の時の要塞化のためものである。
で、その柵がたまに交換されるときがあるのだが・・・・
「こういう部分こそ、魔道具化させるべきだと思うけどなぁ。必要な時は引っ込めておいて、夜とかに出すみたいな・・・・」
「あほみたいに維持費と建設費などがかかりますヨ」
「冗談だって」
こういうのはバンブル君が決めればいい話だとアーガレストは思っているのだが、一応こういうのにも人件費などがかかり、そこから冒険者へ依頼を出したりするためにギルドを通すので、こうしたものもアーガレストが見ることになるのだ。
「そういえば、ライ君たちは今日は何の依頼を?」
「ご主人様たちなら『コカトリスモドキの捕縛もしくは討伐』へ出かけました。リーゼに乗ってなので、1日ほどかけて帰宅は明後日かと」
「はあ、ほんとはAとかSランクの依頼も受けてほしいけどねぇ・・・」
今のライの従魔たち全員の戦力を考えると、Sランクでもおかしくはない。
だが、目立ちすぎると国い目をつけられてしまう可能性があるのでギルド全体でまだBランク認定をしているのだ。
ギルドはギルドでの事情がそこにあるのであった。
「指名依頼の形でなら別にいいんだけど、高ランクの依頼がすでに出た後だとそれを指名依頼としてできないしね・・」
AやSランク冒険者が受けられる依頼もできれば受けてほしいものである。
だけど、今のライたちの認定ランクはBランク。そのランクの周辺は片付けど、その上のランクの依頼を受けられる人は少ないからすぐにはその依頼が消えないのだ。
そのため、昨日のように依頼がすべてない状態というのは珍しいものでもあった。
「こんかいご主人様たちが向かわれるのは・・・『ルンバ平原』ですネ。コカトリスモドキの目撃情報が相次いでいたはずデス」
「ここから馬車で4日、行って帰るだけなら往復8日なのに、討伐も含めて3日ほどで帰ってこれるとしたらフットワークが軽いんだよな・・」
それだけリーゼの飛行速度が速いという事でもある。
「まてよ、ルンバ平原と言えば・・・・」
「どうしたノデスカ?」
ふと、アーガレストは思い出したことがあったので、その書類を出した。
「あったこれだ、ルンバ平原で目撃されてきているので注意の広告を出す奴だったんだけど・・・・・・」
アーガレストが出したそれにワゼは目を通した。
「・・・・この内容に出ているのってモンスターの注意を促す奴ですヨネ」
「かなり厄介なモンスターらしくてね、というかこのモンスターに挑んだ冒険者たちの自滅なような気もするけど一応明日辺りにでも注意広告を出そうとしていたんだったよ」
「何となくですが、ご主人様の従魔の新規登録がまたあるような気がするんですガ・・・・」
「奇遇だね、こっちも同じようなことを考えているんだが・・・」
その注意広告の内容で出ているモンスターについて、なんとなくまたライの従魔が増えそうな予感を覚える一人と一体であった・・・・
ちなみに、ワゼは魔道具なので一体という扱いで呼んでましたが、大抵は一人とかそういう扱いでもしてます。分けるのがなかなかね。




