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こういうのもあるのか

 だんだん日差しも強くなり、もう間もなく初夏が終わって真夏に入ろうかとしている季節になってきた。


 まあ、そんなこともお構いなく僕らは今日もギルドで依頼を受け・・・・



「受けたいんだけどな・・・・・」

「今日は依頼がないですね」


 いつもの依頼が貼られている場所。


 今日は全く依頼の一文字すらなかった。



 実は、たまにこういう日がある。依頼というのは店やギルドから、もしくはどこぞやの貴族からというモノからきているらしい。


 だが、毎日依頼が立て続けにあるわけでもなく、期限が切れたり、解決して以来が取り消されたりすることもあり、それらが重なって全く依頼がない日もあるのだ。


 どうやら僕らは今日、その日を引き当てたらしい。


「こういう事ってあるのじゃな」

「・・・・」


 アルテミスとエリーが珍しいものを見たような顔をしていた。


 ミアンとリーゼはもともと知っているのか別に驚く様子もない。




 とにもかくにも、今日は依頼がないので休むかと言われたら・・・うーん、休日捕ってからすぐだしな・・。


「あ、そうだ。せっかくだからこの際練習場を借りない?」


 ギルドには練習場があり、たまにここで冒険者たちが腕を確かめあったり、引退した高ランク冒険者が若い世代を訓練したりするのである。


 僕らが休日を取ったときに、ミアンもここで他の冒険者たちと対戦したり指導したりするそうだけどね。


「体を動かして実践したほうが、より自身の力量を挙げるのに効率がいいでありますからな」


 でも、ミアンがこれ以上強くなるってのものね。神獣種だから生物の格としても元々結構強いし。



 まあ、練習場で僕らは一汗流すことにしたのであった。


 魔物使いだからほとんど指揮だけの戦闘不参加の僕自身の戦闘力はないに等しいけど、冒険者用学校で培ったそれなりの護身術とかの復習にもなるしね。


 できれば加減してほしいけど・・・・。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「なるほど、明日からは依頼は通常通りに貼りだせるね」

「はい、本日は偶々総入れ替えも混じっていたようでしたので、依頼がないという冒険者たちの苦情が多かったですが、明日は通常営業は可能かト」


 ギルドの執務室にて、ギルドマスターのアーガレストと書類を出していたワゼの会話がなされていた。


ここ最近の働きによって、ワゼは結構出世していたりする。一応元々はライたちが依頼で遠出をしている間にギルドで預かってもらおうかと思い、臨時の職員として働いてもらっていたのだが、その働きが普通の職員以上の働きであったのでだんだん出世したのである。


 まあ、本人(?)はギルドでの仕事は副業で、ライたちの身の回りの世話を本業としているのだが。


「にしても、モンスターの見直しか・・・・」


 アーガレストは書類の中の一つを見て溜息をついた。


 


 ・・・冒険者たちが討伐したりするモンスターだが、その種族名などを決めている組織がある。


 写真に収めたりして、どのようなモンスターがどこに、どれだけの数でなどを詳細に記録し、各ギルドにその資料を配布して間接的に冒険者たちの知識に入るようにしているのだ。


 だが近年・・・・というよりも数年ほど前から再確認が見直しされるような動きが出ている。


 原因としては・・・・・


「これってご主人様が原因ですよね」

「やっぱライ君か・・・・・・」


 そう、ライの従魔たちのような例が出てきているからだ。


 通常ではありえないようなモンスターや、出現例がほとんどない希少種などをライが従魔にしている。


 そして、その外見が麗しい美女系統ばかりだというのもある。


「見た目が普通のアラクネとは違って顔立ちが整ったアラクネ。超希少種であるはずのクイーンハーピー。見た目が普通の少女のスライム。人化が使用できる水龍(ウォータードラゴン)。友好的なモンスターで海の魔女とも言われるが、人前にはほとんど出ないのに人の生活に浸透していたスキュラ。神獣種だが、人前に姿を現したラミア・ドラゴン。極め付けがそもそも従魔になった例がないというのに従魔になってかつ人の姿になったミミック・・・・・考えたらとんでもないものばかりだよねそりゃ」



 改めて考えると、とんでもないものが多い。


 特に、スライムとミミックの例がアーガレストの個人的な驚きでもあった。


 そもそも、人の姿にほとんど似ているモンスターの種類自体は別に少ないわけでもないが、多いわけでもない。


 だが、ライが遭遇してかつ従魔にしたのは人型がほとんどである。



 そこで今年度から・・・・


「モンスターの再調査などがされているようだしね。案外これまでになかった新種が増えるかもな」

「ご主人様に仕える従魔がまだまだ増えるかもしれませんネ・・・・」

「それでまたとんでもないものだったらこっちの頭が痛くなるんだよな・・・・。できれば今年はこれ以上増えないでほしいよ・・・」


 頭を抱えるアーガレスト。だが、世の中にはフラグという言葉があることを彼はまだ気が付いていない・・・・。



 

フラグとはたてられ、回収され、折られ、作られ・・・・

って感じで聞くけど、そもそもどこからこんな言葉が生まれたのやら。

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