なんとなく思った
本日2話目
ギガンテス率いるサイクロプスたちの群れを壊滅させてから数日後、ライたちは今日は冒険者業お休みの日にしていた。
たまにはこういうお休みの日を取らないとね。
「ハクロ、まだなの?」
「うーん、ここをこうするとダメですので・・・ここにです」
「よし、角とれた」
「あぁぁぁぁぁっ!!」
現在、僕はハクロとリバーシというモノをやっていた。別名オセロともいう遊び道具だ。
そして、僕が黒色、ハクロが白色で対局しているのだが・・・・
「・・・・ハクロ、超弱い」
「言わないでくださいよ・・・」
みていたヤタがポツリとつぶやき、その状況を見ると角をすべて僕に取られていて、ハクロのは1枚しか残っていなかった。
「こうなることってあるのかな?」
「・・・1枚だけというのは物凄い確率」
「将棋やチェスなら負けないんですけど、なぜかこれだけ負けるんですよね・・・しかも極端に」
色変えても、先攻後攻変えてもなぜかハクロはこれで負ける。
というか、全員の得意なものと不得意なものって結構バラバラだった。
「ハクロの将棋、チェスでの勝率89%、ですがリバーシでは0.2%デス」
「そこまではっきり分析されるとかなりへこむんですけど」
ワゼが正確に出した結果に、ハクロはかなりへこんだ。
「そういえば、ワゼはこういうのをやらないよね」
「私は『人型家事戦闘万能型魔人形』で魔道具の一種に分類され、こういう物は計算でどのようにすれば勝てるのかわかってしまうため楽しめないんデスヨ」
「計算しなければいいんじゃ?」
「いえ、ついしてしまうのデ・・・」
ワゼにもそういう悩みはあるようだ。
「魔道具がそのように思考できて意志があるっていうのも珍しいのじゃがな」
と、何やら髪を少し焦がしたアルテミスが話にはいってきた。どうも薬品の調合でやらかしたらしい。
「そういうもんなのか?」
「うむ、大体普通の魔道具は生活用品じゃろう?我らが魔力を流して、それで稼働するのじゃが、ワゼの様なのはなんというか珍しいのじゃ」
「ワゼは遺跡から出てきたものだしね・・・」
あのモッサンさんの指名依頼の時に所有物となったんだよね。
「見た目がほとんど人にそっくりですけど、唯一違うってわかるのはその耳だしね」
耳が明らかに無機質なもので出来ているからね。
「見た目が人と変わらなくて、それでいて違和感がないっているのはそれはそれですごいですよね」
「・・・ハクロ、それ私たちも似たようなものじゃない?」
まあ、たしかにハクロたちも似たようなものだよね。モンスターだけどほとんど人と変わらないところが多いもん。
「あれ?そういえばミアンたちは?」
「ああ、それでしたら先ほどミアン、エリー、ルミナスの3人で外出を確認していマス。どうやらミアンとロウでこの町の案内をしておくようデス」
「ああ、そういえばエリーはまだここにきて日が浅いんだっけ。ミアンも似たようなものだけど」
「ちなみに、エリーは人の姿の状態で行きましタ」
そっちの方が生活的に便利らしい。
ただ、言葉を発することができないので現在筆談で会話できるように文字も勉強中なんだよね。
教えているのは主にハクロだけど。
「リーゼとロウはどうしておるんじゃ?」」
「二人とも、現在仲良く昼寝中デス。布団をかけておきましたので大丈夫デスヨ」
「そういう気が利くところとか、ワゼのいいところだよね」
「はい、そのようにできておりマスノデ」
そう言いながら、ワゼは洗濯物を取り込むために部屋から出ていった。
その姿を見て、ふと僕は有る事を思った。
「そういえば、ワゼってメイドとしても優秀だけど、僕らが依頼で出ている間ギルドでも働いているよね」
「そういえば、休んでいる姿をあまり見ませんよね」
「・・・ギルドでも、書類仕事なんかをこなしている」
「魔道具ゆえに、自身が仕事をこなすのは当たり前じゃと思っておるのじゃろう。たまには適度な休憩を取らぬとだめじゃろうが・・」
うーんとその場で悩む。
ワゼもたまには働かないで休んだほうが良いんだろうけどさ、そもそも休み方とかわかっているのかな?
「所有者として僕が登録されているみたいで、命令すればいうことを聞くそうだけどさ、『休め』って命令とかっていいのかな?」
「ちょっと違うような気がする」
なんか稼働停止の方として受け止めそうな気がする。
ふと思いついただけだけど、なんとなくワゼもゆっくり休んで欲しいと僕らは思い、帰ってきたミアンたちにも話してみて考えるのであった・・・・。
たまには休ませないとね。
ブラック企業とかでもないんだし。




