閑話 こういう時もある
本日2話目
たまにはこういう冒険者業をやっていない時もいいじゃない。
ザストのギルドに隣接している酒場にて、冒険者たちは意見を交わしたあったり、依頼達成を祝って飲み会をしていたりなど互いの親交を深めたりしているのだ。
「たまにはここでバイトもいいですネ」
いつもはギルドの方で職員の代わりとして働いているワゼだが、今日は酒場の方で働いていた。
というのも、じつはギルドの方でちょっとしたバカ騒ぎがあって、そこで魔法がぶっ放されたりして滅茶苦茶になって、現在ギルドが閉鎖中となったためである。
一応、通常営業に戻るまで2,3日ほどらしいので冒険者たちはその間はギルドで依頼を受けられないので、生活資金を稼ぐためにあちこちでバイトをしているのであった。
で、ライたちはというと、全員バラバラにバイトしに行っているようであるので、ワゼもここでバイトをしているのであった。
なお、アルテミスの場合は元々薬の販売をしているのでバイトはしていない。ロウは見た目が子供のためにバイトさせてくれるところがないのでリーゼとルミナスが一緒になって面倒を見ている。
そして、新たにライの従魔になったエリーの場合、人型になっても、元のミミックの姿になっても言葉を発せないので・・・
「けっこうにあってますヨ」
「・・・・・」
ワゼが褒めると、こくりとうなずきながらエリーはしゃかしゃかとカクテルを振っていた。
無口なのでバーテンダーとしてやってみたが、案外にあっているものである。
服装は、ミミックの時の外観がベースになったままのだが、それはそれでなんかあっていた。
(にしても、ご主人様が新たに従魔にしたのがミミックでかつ、人型になったというのは驚きましたけど、過去のメモリを見て見たら似たような例が確認されますネ)
今のワゼは「02」・・・つまり、2号機としての扱いらしいが、前機体「01」のメモリもある。
その中に、似たような例が載っていたのだ。
(ご主人様ってこういうのを引き寄せやすい体質ですかね?)
魔道具のこの身からしても、ライのこういう点が疑問であった。
(しかし・・・・それに乗じての賭け事も起きているのはどうにもならないですかネ)
ワゼは知っている。
この辺境都市ザストの男性たちが様々な賭け事を行い、その中にライの事があることを。
その内容が、「次に従魔を連れてくるとしたらどんなモンスターで、どれだけの美女か」というモノであることを。
元から人型というのにかけていたのが多かったが、ロウやエリーの例があって元が人型ではないモンスターも賭け事の対象になってきているようである。
ちなみに、ワゼもこっそり賭けていたりする。ワゼ自身の計算によるものは外れることが余りないので今のところ連勝中。
エリーの時も、同じく賭け事に勝っていた。
(まあ、それなりに稼ぐ手段としてはいいでしょウ。次はどうしましょうかネ・・・・)
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「下級ポーション2つと、腰痛に効く薬1つ頼む」
「こっちは頭痛と風邪薬を」
「二日酔いに効く薬を・・くれ」
「はいはい、これがその薬じゃよ。ほれ、おつりじゃ」
ザストの街道でアルテミスは薬の移動販売を行っていたが、客はそこそこいた。
「海の魔女」と呼ばれるスキュラが作る薬品は効能が高い。
そのため、薬を求める客は必ずいるのであった。
「なかなかの売れ行きじゃが・・・そろそろ品切れになるかのぅ」
「腹を下したんだが、良いのはないか・・・?」
「それならこちらの丸薬じゃ。恐ろしく苦いからかみ砕くなよ?」
「育毛剤とかってないか?」
「流石にそれは・・・・ないのじゃ」
ただ、さすがに作れない薬もあるのでそこまで商品の幅が広いわけではなかったが。
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「てやぁっ!!」
「ふん、甘いであります」
がきぃんっ!!
剣がはじかれ、地面に落ちた。
「剣筋は悪くないのでありますが・・・少々力を籠め過ぎてむしろ逆効果。もう少し肩の力を抜くといいでありますよ」
「はい!!ご指導ありがとうございますミアンの姐さん!!」
「姐さん呼ばわりはちょっと・・・」
ミアンは今日はランクが低い冒険者たちの指導を行っていた。
ギルドには練習場があり、そこは無事だったのでそこで講師としてバイトをしていたのだ。
基本、ミアンの得意なのは幻術魔法やその他の魔法だが、こういった剣術などもそこそこ腕に覚えがあったので指導をしているのだ。
まあ、神獣種と戦える機会なんてほとんどないから参加した冒険者たちが多かったのだが。
ちなみに、現在100戦中100勝。連勝記録を伸ばしていた。
こうして今日も、ザストは1日を終えていくのであった・・・・・・。
さて、本編にきちんと戻りますか。
しかし、前作より従魔が増えてきているような・・・・・・・。
次は何がなるのやら。




