起きまして
本日2話目
予想はできていたでしょうか
「・・・・ふぁわぁぁぁぁぁ・・・」
翌朝、目が覚めた。
夜中は交代交代で念のために見張り番で起きるため、睡眠時間は短くなりがちだが、結構よく寝ることができたのである。
原因はこの枕。
ハクロとアルテミスが共同開発したもので、中には柔らかい薬草が詰まっており、心地よく寝られる成分が常に放出されるらしい。
とはいっても、昨日の晩に即席で作ったものだが。
たまたま近くにこの中身の薬草の群生地があったんで作ったという。
周囲を見渡すと、他の皆も寝ていた。
ヤタは木の枝にとまって寝て、ハクロはハンモックを吊るして寝ており、ロウとリーゼはルミナスと川の字のように寝ていた。
交代の最後の順番はアルテミスとミアンだったが・・・・・あ。
「ぐぎゅうぅぅ・・」
「ぐぐぐっでありますぅ・・」
互いにタコ足とドラゴンの部分が絡まって寝ているんですが。大丈夫かなアレ?
というか、どうやってああなったんだろうか?
「ん?あれエリーは?」
ふと気が付くとミミックのエリーがいない。
確か、そのあたりの木によし掛かっていたような?
ミミックだったから枕が意味なかったんだよね・・・・見た目が宝箱なモンスターがどう枕を使えという話になるけど。
と、そこで気が付いた。
「あれ?あんな人いたっけ?」
エリーがいた木の横の方の木に誰かが倒れて・・・いや、寝ているのかな?
不自然だな・・・・?ハクロがこの周囲に糸を張っていたから誰かが入って来たらわかると言っていたけど・・・寝ている今は意味がないとか?
とはいえ、見知らぬ誰かがそこで寝ているのもまた事実。
近寄ってみると、大体アルテミスぐらいの年代のお姉さんの様だ。
髪は金髪で、肌白く、来ている服はどうも甲冑というか、金色の縁で形作られた白い鎧の様な感じであちこち綺麗な宝石のような装飾が・・・・・あれ?
ふと、その宝石の感じに既視感を覚えた。
見知らぬ女性だけど、全体的に着ているのが白を基調として、金色の縁、宝石のような装飾・・・・・・んんんんん?
と、その女性が目を覚ました。
「・・・・・・・」
寝ぼけているのか、眠そうな目をこすっている。
「・・・・・・・」
「わっ!?」
いきなりつかまれて、抱きしめられた。
「ちょっ・・・息が・・・・・」
「・・・・スヤァ」
「寝たの!?」
そのまま勢いよく牛と抱きしめられたまま、その女性はまた寝た。
抱きしめられて分かったけど、思ったよりも胸が大きいようで、なんかこのパターンにデジャヴを感じるんだけど・・・・・。
そして、当然そのまま息も・・・・あ、なんか意識が・・・・・・
数分後、起きたハクロたちが慌てて助けてくれた。
「し、死ぬかと思った・・・・・」
生きているって素晴らしいよ。
「・・・・・」
先ほど抱きしめて僕をあの世送りに仕掛けた女性はちょっと困り顔でハクロの糸によってつるされていた。
「この人はいったい誰なんですかね?ライ様を寝ぼけて窒息死させかけるなんて」
「・・・・でも、前科がある私たちにはあまり強く言えないのでは?」
「ぐっ」
ヤタのその一言に、ハクロが声を詰まらせた。
「・・・・・・」
わたわたと吊るされながらも、何やら必死に身振り手振りで何か伝えようとしているようだけど・・・
「昨日こんな人いたかな?」
「いなかったわよねぇ?」
リーゼと、ルミナスも首をかしげる。うーん、この見た目何かに近いような気がするんだけど・・・・・?
「何はともあれ、主殿を殺しかけたというのがのぅ」
「流石にそれは許されないでありますよ」
アルテミスとミアンもそのあたりは許せないようだ。
吊るされながらも、その女性はあたふたと物凄い必至感が出ていた。
「ん?そういえばエリーはどこですか?」
「そういえば、みないのぅ?」
ふと、全員がエリーの不在にきが・・・・・・・あれ?
白を基調として、金色の縁、宝石のような装飾・・・・・って。
「まさか・・・・・・エリーなのか?」
恐る恐る尋ねてみたところ、
「・・・・・・・!!」
ぱぁぁぁっと喜んだ。どうも肯定で、エリー本人のようである。
「「「「「「「・・・・はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」」」」」」」
その事実を受け止める前に、全員の驚きの叫びがその森中に響きわたったのであった・・・・・・。
でも、考えたらリーゼは人化の術で人の姿になっているし、ロウはなぜかスライムなのに少女の姿をとっているからそこまで驚くことでもない・・・・・のかな?




